
リーガロイヤルホテルは2021年9月の完成を予定していたリーガロイヤルホテル(本店)の建て替え計画を延期すると発表しました。従来は、開業から50年になる同ホテルを刷新して集客力を高める計画でしたが、訪日外国人客が急増し高い稼働率を維持しており、東京オリンピックに向けて今後もホテルの供給不足が続く事が見込まれる事から。建て替えを急ぐ必要がないと判断したようです。
【出典元】
→リーガロイヤルホテル>IR>平成28年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(PDF)
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皇族や国賓も利用し、“西の迎賓館”とたたえられるリーガロイヤルホテル
リーガロイヤルホテルは1965年に開業(現:ウエストウイング)、1973年に30階建ての新館(現:タワーウイング)が完成。近年は大規模リニューアルを行いましたが、建物や設備が老朽化は否めませんでした。また、外資系高級ホテルが近隣に相次ぎ進出する中、競争力を維持する為に新ホテルを建設して対抗する方針を打ち出していました。
しかし、近年の訪日外国人旅行客の増加やUSJを中心とした大阪自身の観光地としての自力が向上した結果、国内外からの観光客が大幅に増加し、大阪のホテル業界は客室不足に陥っています。その為、建て替えで一時、閉鎖するよりも、耐震補強工事を行い、営業を続ける方針に転換しました。
また、ロイヤルホテルは、今回の建て替え延期に伴って、森トラストとの資本業務提携契約の一部を解消すると発表。17日付で、森トラストが所有するリーガロイヤルホテルの土地の9割を270億円で取得する一方、定期借地権契約を20年後の47年に延長するとの事です。

開業時に建てられた、ウエストウイングの様子です。改修工事が行われており、クローラークレーンが見えています。

リーガロイヤルホテルは、朝日新聞社が建設中の中之島フェスティバルタワー・ウエストの高層階に、新ブランドの高級ホテルの開業を予定していましたが、優先交渉権を失い、事実上断念しています。その為、中之島フェスティバルタワー・ウエストにはロイヤルホテルではない、他のラグジュアリーホテルの入居が見込まれており、本店の近くに新たなライバルが出現する事になりそうです。
リーガロイヤルホテルが今後も高級ホテルとして競争力を維持して行くには、個人的には水回りの大規模リニューアルが鍵になると思います。以前宿泊したリニューアルフロアの印象ですが、素晴らしい接客応対や非日常感を演出出来ている客室内と、経験劣化が著しい水回りとのギャップにガッカリした思いがあるからです。リニューアルした「ナチュラルコンフォートフロア」の水回りがレベルなので、他のフロアーの水回りはもっとヤバイかもしれません。建て替えに関して今後20年間で方向性を決めるとの事なので、その間にブランドイメージを保つためにもウイークポイとの克服に取り組んで欲しいと思いました。

