震災で閉園した「AOIA」跡地に最大1万人収容の新スタジアム!INAC神戸の新ホームスタジアム、温浴・商業施設を併設し2029年8月開業へ



神戸市は2026年10月9日、六甲アイランド南部の旧遊園地「AOIA(アオイア)」跡地で進める市有地活用事業について、女子プロサッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサの運営会社など3社で構成する共同企業体を優先交渉権者に決定したと発表しました。

計画では、約3.13haの敷地に収容8,000~10,000人規模のサッカースタジアムを建設。温浴施設やフィットネスジム、レストラン、カフェなどを併設し、2029年8月頃の開業を目指します。

当ブログでは2026年8月14日、AOIA跡地約4.37haの事業者公募についてお伝えしました。 当時は施設の具体像が明らかになっていませんでしたが、今回、INAC神戸の新ホームスタジアムを核とする複合施設計画が公表され、長年の懸案だった跡地活用が新たな段階に入りました。

赤い大屋根が特徴の新スタジアム。温浴・商業施設も併設

公開された完成予想図では、サッカーのピッチを囲む観客席に、クラブカラーの赤を基調とした大屋根を組み合わせたスタジアムが描かれています。屋根には「INAC KOBE」の文字とクラブエンブレムを配置。クラブの新たな象徴となる施設を目指す構想がうかがえます。

今回の開発は、スタジアム単体ではなく、スポーツ・健康・飲食機能を組み合わせた複合施設として整備される点が特徴です。
施設 計画内容
メインスタジアム 8,000~10,000人収容
ウェルネス施設 温浴施設、サウナ、フィットネスジム、ランニングステーション
商業施設 レストラン、カフェ
ファンスポーツルーム 遊びを通じてスポーツに親しめる体験施設
神戸新聞によると、クラブ側は公園のように気軽に立ち寄れる施設を目指しており、スタジアム周辺を含めた日常的な利用を想定しています。

試合のない日にも温浴やフィットネス、飲食施設を利用できる構成は、年間を通じて人の流れを生み出すうえで重要な要素です。プロスポーツの興行施設を地域の日常利用と結び付ける複合開発として、その運営モデルにも注目が集まります。

AOIA跡地で進む段階的な土地活用



開発予定地は、六甲ライナー「マリンパーク駅」の南側、神戸国際大学の東側に位置しています。

AOIAは1991年に開業した大型レジャー施設ですが、1995年の阪神・淡路大震災で被災し、閉園。その後、一部には神戸国際大学が移転したものの、南部にはまとまった未利用地が残されてきました。


出展:六甲アイランド「3rd Bloom」

当ブログでは2022年10月、AOIA跡地南側の別区画で計画されたグランピング・BBQ施設について報じました。 同施設は「3rd Bloom」として整備が進められ、2026年7月時点ではカフェ・レストラン用とみられる建物や屋根付きBBQ施設が姿を現しています。ただし、開業は当初予定から遅れており、現時点でも具体的な開業時期は明らかになっていません。

今回のスタジアム計画は、これとは別の区画を対象とするものです。神戸市は2026年2月に約7.5haを対象とする市場調査結果を公表し、41企業・グループから土地利用に関する意見を収集。その結果などを踏まえ、文化・教育・スポーツ関連の集客施設を中心とする用途で事業者を公募していました。

※市場調査の対象範囲と今回のスタジアム事業用地は異なります。

INAC神戸など3社が共同開発。土地賃料は年間約8,272万円

優先交渉権者は、ウイングトワ株式会社を代表企業とする3社の共同企業体です。
項目 内容
事業名 六甲アイランド市有地貸付(文化・教育・スポーツ等施設用地)
所在地 神戸市東灘区向洋町中9丁目1番1の一部
代表企業 ウイングトワ株式会社
構成企業 アイナックフットボールクラブ株式会社、株式会社村上工務店
貸付面積 31,333㎡(約3.13ha)
用途地域 商業地域
建ぺい率/容積率 80%/200%
年間賃料 82,719,120円
貸付期間 20年間
選考評価 83.6点/100点
開業予定 2029年8月頃
今回の事業者公募への応募は1グループで、神戸市の選考委員会が事業計画などを審査し、優先交渉権者に選定しました。

前回の記事で紹介した公募対象面積は43,739.77㎡(約4.37ha)でしたが、今回発表された貸付面積は31,333㎡(約3.13ha)となり、約1.24ha小さくなりました。 総事業費や資金調達計画は現時点では公表されておらず、今後の事業計画の具体化が注目されます。

2029年8月開業へ。六甲アイランド南部の新たな集客拠点に



INAC神戸は2012年11月から、六甲アイランド内の「神戸レディースフットボールセンター」を練習拠点として使用しています。新スタジアムが実現すれば、練習拠点に加えてホームゲームの開催施設も島内に整うことになります。

今回の発表は優先交渉権者の選定段階であり、土地賃貸借契約の締結や施設計画の具体化はこれからです。着工時期、建物の延床面積、観客席の詳細などは明らかになっていません。

 


出展:GoogleMAP

六甲アイランドでは、2024年3月に神戸ファッションプラザの商業施設「ROKKO i PARK」が開業したほか、南端のマリンパークでも再整備が進められています。新スタジアムとウェルネス施設が加われば、島内にスポーツ・レクリエーションを目的とする新たな来訪機会が生まれます。

今後の焦点は、サッカーの試合開催日に生まれる集客を周辺施設へ波及させるとともに、試合のない日にも利用される複合施設として定着できるかという点です。

震災によるAOIA閉園から約31年。長らく未利用地を抱えてきた六甲アイランド南部が、女子プロスポーツを核とした新たな集客エリアへと変わろうとしています。




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出典・参考資料

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