福岡空港ビルディングは、平行誘導路の二重化事業に合わせて再整備される国内線旅客ターミナルビルの基本設計の概要を発表しました。今回の再整備計画では第1ターミナルと第2ターミナル南側部分を東側の隣接地に移転建て替え、残りの部分は全面改修されます。再整備後の階数は地上5階、地下2階建て、全体規模は延べ約12万平米、不足する事務所機能を確保するため6階建ての別棟が建設されます。全体規模のうち半分程度が建て替え、残りが改修となる見込みです。再整備計画では現在は行き先や航空会社によってビルごとに分かれている出発・到着機能を中央部分に集約し利便性の向上が図られる他、ビル内の店舗面積を約3割増床し、ターミナル中央部の3、4階には展望デッキや集客施設「空港公園(仮称)」を設けるなど大幅な改良が行われます。2015年4月に着工、19年3月の開業を目指し、事業費は380億円を見込んでいます。
ターミナルビル再編に合わせて誘導路の二重化も行われます。既存の平行誘導路とターミナルビルの間に誘導路を併設し二重化、エプロンを拡張、2本目の誘導路の新設スペースを確保するため、福岡空港ターミナルビル内第1ターミナルをセットバックさせます。第1ターミナル後方にある既存の駐車場は、第3ターミナル後方に立体駐車場を新設して集約し、新設する立体駐車場の収容台数は約900台の予定です。
【出典元】→空港対策調査特別委員会・警察常任委員会における活動状況報告(PDF)
福岡空港の過密ぶりは深刻なレベルです。空港面積353ha、2,800m滑走路1本の福岡空港は、利用時間が7:00〜22:00に制限されているにもかかわらず、平成24年の航空機の発着回数は過去最高の15万5968回(速報値)を捌く過密空港で既に処理能力の限界に達しています。まるで関西空港が開港する直前の伊丹空港の様な状態です。
地元では新空港の建設を含めて福岡都市圏の空港のあり方が議論されてきましたが、現在の福岡空港内に第二滑走路を建設し対処する事で落ち着いたようです。現在の計画では現滑走路に平行して2500mの滑走路1本し、処理能力を19万回弱まで増やす計画となっています。第一、第二滑走路の間が約210mしか離れていない為、同時離発着は不可能な仕様です。総事業費は2000億円規模を見込んでいますが投資金額の割に処理能力があまり増えない事が気がかりです。





