関西エアポートの山谷社長は、関西空港の国際線旅客数について、2025年度は大阪・関西万博より外国人旅客の増加が見込まれ、過去最多だった2018年度の2289万人を上回り、初めて2500万人を超える可能性が高いとコメントしました。また、2030年度以降に国際線旅客数が4000万人/年を超える事を見込んでおり、LCC向けのT2(第2ターミナル)をどのように拡張するか2026年以降に需要を見極めながら本格的に検討する、とのことです。
【出典元】→関空国際線旅客「25年度は万博で2500万人超に」運営会社社長 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
リノベーション後のT1・T2の受け入れ能力が不明確
関西空港の計画上の受け入れ能力は、T1が2,500万人/年、T2が835万人/年で、合計3,335万人/年です。
現在行われている関西空港T1リノベーションによって2025年に空港全体の国際線ターミナルキャパシティを4000万人/年に引き上げる事が発表されています。T1、T2の国際線、国内線がそれぞれ、どの程度の受け入れ能力となるかは不明ですが、T1については、リノベーションが完成した時点で、T1設計上のキャパシティ2500万人を約1.48倍程度超過する旅客を捌く事を前提としている様で、混雑緩和は見込めそうにありません。関西エアポート社には、リノベーション完成時のT1、T2の国際線、国内線の受け入れ能力と空港全体の受け入れ能力がどれだけ増えるのか?を明確にしてほしい所です。
2030年代前半に国際線旅客数が4000万人を突破する
関西エアポートの山谷社長のコメントによると、関西空港の国際線旅客数は、大阪関西万博が行われる2025年に2500万人/年を超え、その後も増加し、2030年度以降に4000万人を超える事を視野に入れているとのことです。この4000万人とは、現在行われているリノベーションによって拡大する(であろう)国際線受け入れ能力の限界値を突破する事を意味しており、新ターミナルビルの建設が不可欠になる事を示しています。
当ブログでは、新旅客ターミナルビルの整備には10年スパンの時間がかかるため、できるだけ早期に検討を開始し、2030年代の早い時期に完成させる事を提言してきました。上のグラフは関西空港の国際線旅客数が年率7%で成長を続けた場合のシミュレーションで、2032年度には4000万人を突破する結果となりました。
成長率が低めの5%でも、2035年度には国際線だけで4000万人を突破する
インタビューでは、LCC向けのT2(第2ターミナル)をどのように拡張するか2026年以降に需要を見極めながら本格的に検討する、としています。かなり含みをもたせたコメントであり、T2をLCC専用ターミナルとして拡大する、または、T2をフルスペックの新ターミナルとして再整備する、とも読み取れます。何れにせよ2026年度から「検討を開始する」というスピード感と、場合によってはフルスペックではなく、LCCターミナルを拡張することで、安価に拡張を済ませよう、という意図は解りました。もしLCCターミナルビルの拡張を行うのであれば、10年程度の需要増加に対応させる為に2000万人に対応する巨大倉庫型ターミナルビルができるかしれません。2030年代前半には、国際線4000万人、国内線1000万人、合計5000万人クラスの巨大空港に成長する可能性が非常に高いです。ただし、抜本的にターミナルキャパシティを増強し、2030〜40年代を戦うためにはフルスペックの新旅客ターミナルビルが必要不可欠です。場当たり的なLCCターミナルの拡張ではなく、しっかりとした計画を練ってほしいと思いました。
2018年度:2289万人※過去最高
2024年度:2300万人 ←コロナ禍の影響が1年間を通じて無くなる
2025年度:2500万人超 ←現在工事中のT1リノベーションの基本部分が完成
2030年度以降に4000万人超 ←何れかのタイミングでT2(LCCクオリティ)を拡張?
LCC専用の図体はデカいけど倉庫に毛が生えた程度の安っぽいターミナルではなく、本格的な新ターミナルビルの整備を強く望みたい。
夢を語るなら新ターミナルビルにはホテルの併設は勿論の事、美術館、シネコン、水族館、ペットホテル、温浴施設、マンガ喫茶、フードコート、ラウンジ、国際免許申請センター、等を備えた飛行機を使わない人でも楽しめ?総合レジャーターミナルビルディング』みたいなものがいい。
2タミの国際線の拡張だったらここの2013年12月27日の記事にリンクされてるpdfにある程度ならすぐにやっちゃえそうですけどね。pdfはリンクしときます。