産経新聞によると第3ターミナル(T3)の建設に向けて検討を本格化させるとの事です。関空の受け入れ能力は現在T1、T2合わせて年間約3335万人ですが、2019年の総旅客数が3000万人を突破する見込みで、現在のターミナル容量の限界に近づいています。その為T1の大規模改修がおこなわれており、完成後は約4300万人まで受け入れ容量を拡大させます。関西空港1期島の第1ターミナル(T1)の改修後に2期空港島に第3旅客ターミナルビルを建設する構想です。
【関空「第3ターミナル」検討本格化】
— 産経ニュース (@Sankei_news) September 4, 2019
関西国際空港などを運営する関西エアポートが、第1ターミナルを改修した後、第3ターミナル建設に向けて検討を本格化させることが明らかに。航空会社側からも「10年、20年先を見越した受け入れ容量の拡大を」との声が出ています。https://t.co/m2rbzR9Els
2期空港島に建設される第3旅客ターミナルビルはどうなる?
【引用元】→関西国際空港用地造成株式会社 HP
上記はかつて検討されていた2期空港島の計画案です。第二旅客ターミナルは、第一旅客ターミナルビルとの乗継ぎを考慮し、空港島の間に広がる幅200mの「内水面」の上に桟橋方式で計画されていました。またサテライトは旅客動向に応じて段階的に整備出来るウイング形状となっています。
【出典元】→http://www.nkiac.co.jp/order/02000000/898/20150721_chuorenrakusisetukentou.pdf
新関西国際空港株式会社は、2015年7月26日に、関西国際空港内における「関西国際空港中央連絡施設概略検討業務」の発注に伴いコンペを実施する事を発表しました。案件名は「関西国際空港中央連絡施設概略検討業務」。業務内容は、関西国際空港 2 期島への施設展開に備え、内水面を横断して 2 期島へア クセスできる連絡設備の基本検討を行い、総合的な観点から最適な構造形式の選定お よび設備の仕様を計画し、その建設に要する概略工程と概算工費を求めるものである、となっています。発注概要書に掲載されている平面図と側面図を見ると、1期空港島のエアロプラザから徒歩で移動する連絡施設と自動車用の中央横断道路が、また2期空港島側には新ターミナルビルらしき将来展開施設が描かれていました。このコンペの結果がどうなったか?は解りませんが、内水面上にターミナルビルを建設する計画は変更された様です。
新関西国際空港会社が「中央連絡施設概略検討業務」のコンペを実施、1期・2期空港島を中央部で接続する連絡施設建設計画が浮上!
旅客数の年率7%成長が続けば5年しか持たない
T1の改修はビル2階の国内線、4階の国際線のエリア区分を見直し、旅客数が国際線の3分1程度にとどまっている国内線エリアを国際線向けに転用。国際線の搭乗手続きや荷物の預け入れなどの処理を迅速化し、多くの外国人旅行客を受け入れられるように改修します。第T1の旅客数が1000万人上積みの3500万人まで増加すれば、第2旅客ターミナルの835万人と合わせて4335万人まで対応出来る事になります。第2旅客ターミナルは拡張用地があるので、さらに数百万人分の処理能力増強が可能です。
しかし関西空港は年率約7〜8%のペースで総旅客数が増加しています。仮に2019年の旅客数を3000万人ジャストとし、年率7%の増加率が続いたと仮定すると5年後の旅客数は4207万人でT1回収後の処理能力4300万人に迫り限界に達します。T1改修による容量アップは2019年から5〜7年ほどの時間稼ぎにしかなりません。このままでは工事が完成した途端にキャパシティオーバーになってしまいます。
世界第1級の国際空港は6000万人/年以上。将来を見越した先行投資を!
台湾桃園国際空港―第2ターミナルビル(出発ロビー)の様子。既に第三ターミナルビルを着工している
現在のインバウンド需要の伸びは一過性のブームではなく「アジア各国の経済成長と空港整備が進んでいる事」が主要因なので、今後も継続的に旅客数の増加が続くと予想されます。T1の改修工事を実施しても抜本的な容量不足解消には至らない為、第1旅客ターミナルの改修で対応出来ている間に2期空港島にフルスペックの第3旅客ターミナルビルの建設と、北側連絡誘導路を建設する必要があります。セントレアの旅客ターミナルビルの様子
具体的には2000万人/年に対応出来るフルスペックのターミナルビルを二期空港島に建設し、全体の処理能力を6000万人/年まで増加させます。ターミナルの規模は中部国際空港の旅客ターミナルビル(延べ床面積219,000㎡、年間 1,700万人)よりも一回り大きな規模を想定します。これだけ容量を増やしても4200万人到達時(仮に2025年とします)から年率5%のペースで旅客数が増加した場合、5年後に5360万人(2030年)、10年後には6800万人(2035年)になりT3の容量を遙かに超えてしまします。日本の空港整備は「需要追従型」で、容量が足りなくなってから工事に着手する為、「先行投資型」の海外ライバル空港に遅れをとり続けています。関空にとっては今がチャンス。先行投資で「フルスペック」のターミナルビルと、2本の滑走路をフル活用する為の北側連絡誘導路の整備を急いで欲しいです。
新規ターミナルの建設が見送られることになりました。T3の計画がどこまで具体化していたか今となっては知る由もありませんが、コロナの影響がいかに甚大だったかが窺えます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9faee9cd6901775d2c069030edbe3e83fd480ca0
未来永劫ではなく、コロナ後の景気回復で実現させてほしいです。
高波・高潮対策がやはり気になる。地盤沈下はもちろんだが。
去年の孤島化を思い起すと、海底トンネルによるアクセスなども、計画したらどうかとおもう。
関空は十分に長い滑走路がパラレルになってるので、単純計算で1時間に60回発着できます。
18年の実績が利用者2,893万人、発着数が約17万回で発着数の1時間平均は約19.3回、実際には深夜帯は殆ど利用されていないため夜間6時間を除いて計算すると約25.8回となります。
あくまで平均ではありますがピーク時を除き滑走路にはまだ余裕があると思います。
実際シンガポールのチャンギ空港では2本の滑走路で年間6,500万人、37万回を超える発着を捌いていおり、メインのターミナルは4つ、現在5つ目のターミナルが建設中です。
3000万人を越えていく旅客を扱っていくためには第3のターミナル建設は必須でしょう。
そもそも、滑走路2本での着陸回数・旅客数・機体サイズをどう見るのか。
現状でも深夜の離着陸は限られていますし、当然それが増えても
ターミナル拡張は必要ありません。
ということは、ピーク時の1時間当たり発着回数上限で律速する?
立地によっては24時間のべつ幕なしに離発着がある空港も有るでしょうし、
関空の位置付けはどうなんでしょう?
ターミナルだけが8000万人仕様で他が4000万人とか、
やりかねないので心配です。
ターミナル間の移動が未だに徒歩かバスというのは世界水準からして遅れていると言わざるをねないのでは。少なくとも国際線T間だけでも移動の最小化と保安の為にも軌道系小中量輸送システムを整備すべきでは。
>現在のインバウンド需要の伸びは一過性のブームではなく「アジア各国の経済成長と空港整備が進んでいる事」が主要因
この部分で世間のイメージとの乖離が起きているのが大きなハードルだと思います。多くの人がインバウンドの増加は「一過性のブーム」あるいは「日本が経済停滞して安くなったから」程度に考えており、よりマクロな事象としての世界的な旅行需要・航空需要増大を考慮していません。
https://www.travelvoice.jp/20190123-125066
今こそ関空には先行投資型の大規模プロジェクトが必須だと確信しています。
国の姿勢自体に問題ありです。
先読みができず、その場対応に終始している例が羽田で、乗り継ぎ超便利な北京新空港に比較すると残念過ぎます。
あの不便な成田に国際空港を作り、地方を鎖国状態にしておいて、今になって羽田を国内ハブとして主要国際便を羽田に集中させる名目で大拡張しています。
関空は羽田を反面教師として先読みで対策を実施してほしいです。
6000万は今は大空港の条件でも10年後は8000万になっているでしょう、世界特にアジアの進歩は早く、各国大競争を実施しています。
大阪IRに和歌山IR、歴史の京都に買い物、グルメの大都会大阪、そこにビジネス環境が拡大すれば世界的な大空港が必要なのは自明でしょう。
第二ターミナルの建設検討うれしいですね。できれば全額国費で作ってほしいですね。