2025年3月21日(金)、大阪駅北側の再開発エリア「うめきた2期」に、アジア初となる都市型マーケット「タイムアウトマーケット大阪(Time Out Market Osaka)」がグランドオープンしました。世界の美食都市で高い評価を得る同マーケットは、ロンドン発のグローバルメディア「Time Out」の編集者が自らキュレーションする、食とカルチャーが融合した“体験型の都市空間”です。
会場となるのは「グラングリーン大阪」南館の地下1階。総面積約3,000㎡超の広大なスペースに、選び抜かれた17のキッチンと2つのバー、さらに音楽やアート、トークイベントにも対応できるカルチャースペースが広がります。“都市の今”を五感で体験できる新しいランドマークとして、大阪はもちろん、日本国内外からも注目を集めています。編集者が再構成する“都市の今”を体感できるマーケット

「タイムアウトマーケット」は、2014年にポルトガル・リスボンで誕生したプロジェクトです。老舗市場「メルカード・ダ・リベイラ」をリノベーションし、地元の人気レストランや文化コンテンツを一堂に集めた体験型空間としてスタート。年間400万人以上が訪れる観光名所に成長し、その後もニューヨーク、マイアミ、ドバイ、シカゴ、ケープタウンなど、世界10都市以上で展開されています。
最大の特徴は、雑誌編集者がその街の“今”を切り取り、リアルな空間として再構成している点です。単なるフードホールとは一線を画し、都市の個性や文化を味わう「都市のショーケース」として機能している点です。雑誌の紙面を、そのままリアル世界に再現した様な、これまでにない空間が広がっています。
アジア初進出に大阪が選ばれた理由

アジアでの初進出先に大阪が選ばれた背景には、都市としての多層的な食文化の成熟があります。たこ焼きやお好み焼きといったストリートフードから、ミシュラン星付きの名店まで幅広く網羅する大阪は、「くいだおれの街」と評される世界的に有名な“食の都”。この地であれば、「タイムアウトマーケット」の理念とコンセプトを最も体現できると判断されたのでしょう。
さらに2025年には大阪・関西万博の開催が控えており、国際的な注目が集まるタイミングでの出店は、インバウンド向けの情報発信にも最適で、大阪・関西の食文化を世界に発信する“都市のショーケース”として機能します。再開発が進む「うめきた2期」という立地も、大阪の未来像を体感できる舞台としてふさわしいといえます。
回遊性とライブ感を備えた約3,000㎡のフロアデザイン

施設が位置するのは「グラングリーン大阪」南館の地下1階。約3,000㎡に及ぶフロアには、飲食17店舗、2つのバー、合計約800席のダイニングエリアが広がり、訪れる人々が思い思いのスタイルで過ごせる空間になっています。
内装は木材と金属を基調とした洗練されたデザインで、照明も落ち着いており、まるで“大人のフードコート”といった雰囲気。喧騒を感じさせないシックな空間演出が施されており、都市の真ん中にいながらも、ヨーロッパのマーケットにいるような非日常感を味わえます。
導線も回遊性が高く、エントランスから入るとすぐにオープンキッチンが目に飛び込んできます。迫力満点のライブキッチンでは、シェフたちが目の前で調理を行い、その手さばきや香りが来場者の五感を刺激。味だけでなく、プロセスまで楽しめる“食のエンタメ空間”が広がっています。
大阪・関西の実力派がそろい踏み

出店する店舗は、Time Out編集部が厳選した“今、食べるべき大阪の味”を体現する名店ばかり。たとえば奈良の和牛専門店「#肉といえば松田」では、大和牛など上質な黒毛和牛を使った肉寿司、ヘレカツサンドといった新感覚のメニューが並びます。味だけでなく、提供スタイルにも工夫が凝らされており、手軽さと贅沢さを両立したラインアップが魅力です。
京都・祇園の老舗甘味処「ぎおん徳屋」では、宇治抹茶をふんだんに使ったかき氷や、つくりたての本格わらび餅を現代的なアプローチで提供。和の伝統と現代の感性が交差する、唯一無二のスイーツ体験が楽しめます。
「Mel Coffee Roasters」では、豆の産地ごとの個性を活かしたハンドドリップコーヒーを提供。スペシャルティコーヒー専門店としてのこだわりが光り、テイクアウトや豆の購入も可能で、ギフト需要にも対応しています。
その他にもラーメン、点心、ベトナム料理、ベーカリーなどジャンルは多岐にわたり、“B級グルメ”から“ハイエンド”まで、大阪・関西の食文化を一度に体験できる稀有な場といえるでしょう。中には“キャラの濃いシェフ”が手がける個性的な店舗もあり、グローバル展開する他都市のマーケットと比べても、大阪版は一層ユニークな仕上がりとなっています。
食だけにとどまらない、都市のカルチャー拠点へ

同マーケットの魅力は、食にとどまりません。館内には大阪出身の現代アーティスト・中尾舜氏による大規模な壁画アートが展示されており、都市のエネルギーや物語が視覚的に描き出されています。まさに“都市のギャラリー”としての一面も持ち合わせているのです。
さらに、カルチャースペースではDJパフォーマンス、音楽ライブ、トークセッション、親子向けワークショップなど、多彩なイベントが年間を通じて開催予定。開業当日にはDJイベントが行われ、会場全体が一体となって盛り上がりました。
2つのバーもまた、空間体験のクオリティを高めています。「Time Out Bar」では、近畿各地のクラフトビールや日本酒、ナチュラルワインが豊富にそろい、各料理とのペアリングを楽しめます。一方、「Time Out Lounge」は、より静かで洗練された雰囲気が漂い、大人のためのリラックスタイムに最適です。
注目すべきは、アルコールに加えてモクテルや自家製スムージーなどのノンアルコールドリンクも充実している点です。アルコールを飲まない方やファミリー層にも対応した“包摂的なドリンク体験”は、まさに現代的な空間設計の表れといえるでしょう。
都市再開発と共鳴する“文化の中枢”としての役割

「タイムアウトマーケット大阪」は、単なる飲食施設ではありません。再開発が進む「グラングリーン大阪」との連携により、都市のにぎわい創出と文化発信のハブとして機能します。「うめきた公園」を中心に展開されるこのエリアは、オフィス、住宅、ホテル、商業が一体となった大規模複合開発。その中で同マーケットは、都市生活と観光、カルチャーが交わる中枢拠点としての役割を担います。
これからも「タイムアウトマーケット大阪」は、都市の変化を映し出す“ショーケース”として、国内外の人々を惹きつける新たなランドマークとなっていくことでしょう。
まとめ:都市を味わう、新たな体験の入り口

グルメ、アート、音楽、そして人との出会い。「タイムアウトマーケット大阪」は、大阪という都市の魅力を五感で体験できる、かつてないカルチャーマーケットです。観光で訪れる方も、地元に暮らす方も、新しい都市の楽しみ方を発見できるこの場所を、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。都市を“味わい”、カルチャーを“体験”する——その入口が、ここにあります。
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アジア初進出『タイムアウトマーケット大阪』が2025年3月21日オープン!関西の食文化とカルチャーを世界へ発信する新たなスポットが誕生
今、日本国のフードコートは飽和状態なんだとか。
そして何処のフードコートも似たようなラインナップで新鮮さを失いつつあります。
そんな中で本邦初、亜細亜初のタイムアウトマーケットが大阪へ出来る意味は、ロングさんが書かれていますように、かなり大きなものがあります。
またオペレーションもなかなかのようで、たとえば使う食器類は各店で共通化、食事後の食器類はお客が下げるのではなく、スタッフが回収するなどコスト削減や顧客満足度を上げる工夫がされるようです。
大坂は日々新たなり
多層かつ多重的に磨かれた魅力がある大阪。
その汲めども汲めども尽きぬ魅力を、このタイムアウトマーケット大阪が表現してくれる事を期待し、またそうなるだろうと確信しています。