京阪中之島線延伸、大阪IR認定を受け検討本格化、大阪メトロ『九条駅』で乗り換え前提?相互直通運転が実現するのか?


出展:GoogleMAPに筆者加筆

京阪ホールディングスは、2030年前後に人工島・夢洲での開業を予定する大阪IR整備計画が認定されたことを受け、夢洲方面への中之島線延伸を今年度内にも最終決定する方針を明らかにしました。今年7月には、会長直轄の「検討委員会」を立ち上げ、延伸計画の検討を本格化させます。

【出展元】
→産経新聞>京阪、IR会場方面への延伸 年度内にも決定 7月に検討委
京阪ホールディングス「中之島線を九条まで延伸」検討本格化 年度内に最終決定目指す
京阪・中之島線延伸で検討委員会を設置へ 京阪HD、夢洲アクセス向上図る

 

大阪IRへのメインアクセスを担う「中央線」

京阪中之島線は2008年10月に開業した鉄道路線で、天満橋駅〜中之島駅約3.0 kmを結んでいます。京阪中之島線は、輸送力が逼迫してた天満橋〜淀屋橋間の実質的な増線の意味を含めて建設されましたが、沿線の家電メーカーの衰退などにより本線の利用客が減少に転じた事うや、現在は中之島までの中途半端な盲腸線となっている事から中之島線の利用は低迷しています。

 


京阪電車のイメージ。一般的なパンタグラフ方式で集電している

現状を打破するために、京阪は、中之島線を大阪IRへのアクセス路線となる大阪メトロ中央線「九条駅」付近まで延伸し、大阪IRと京都を結びつけ、京都観光で訪れた訪日外国人を夢洲に運ぶインバウンド路線とする事で利用客の増加を目指す構想を打ち出しました。相互直通運転が実現すれば、夢洲〜祇園四条間は約1時間で結ばれる事になります。

 


第三軌条方式の集電はこの部分で行われる

中之島線延伸について、集電方式の違いが大きな課題となりそうです。

大阪メトロ中央線は第三軌条方式、京阪は一般的なパンタグラフ方式で双方の集電方式が異なっており、相互直通運転は簡単ではありません。第三軌条方式は、2本のレールのわきに設置された第三軌条(サードレール)から電気を取り入れる方式です。

この問題点をクリアするには、2種類の集電方式を兼ね備えた「集電ハイブリッド車両」や、第三軌条区間をバッテリーで走行する「蓄電池搭載ハイブリッド車両」を開発、投入する必要があります。

京阪中之島線延伸が九条駅での乗り換え前提になるのか?それも、ハイブリッド車両が実現して、相互直通運転が実現するのか?今後の動向に注目が集まりそうです。

また、「夢洲」への鉄道路線をめぐっては、他の鉄道事業者も延伸や新車両開発を検討しており、これを見るだけでも、大阪IRの開業が与える経済的なインパクトの凄さを垣間見る事ができます。

 

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