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京都東山バンヤンツリー(Banyan Tree)と京都東山シックスセンシズ(SIX SENSES)の開業時期が2年遅れの2024年に変更!



ウェルス・マネジメントグループは、2021年04月12日付けのニュースリリースで同社のホテル開発事業の最新の進捗を発表しました。それによると、同社グループが京都で開発を進めている「京都東山バンヤンツリー(Banyan Tree)」「京都東山シックスセンシズ(SIX SENSES)」の2施設の開業時期が近隣や行政との協議に時間を要している事から当初の見込みよりも遅れ、2024年となるとの事です。

【出展元】
ウェルス・マネジメント>ホテル開発事業の進捗について

 

 

 

 

客室イメージ 出展:https://www.banyantree.com/en/

「京都東山バンヤンツリー(Banyan Tree)」は京都市東山区にあった「ホテルりょうぜん」跡地に計画されているラグジュアリーホテルです。客室数は60室、レストラン、バー、ライブラリー、温泉、ジム、スパの設置を予定。マスターアーキテクトには建築家の隈研吾氏が手掛ける温泉付きラグジュアリーホテルとなります。

バンヤンツリーは、シンガポールに拠点を置く、プレミアム・リゾート、ホテル、レジデンス、スパを展開する国際的な運営・開発会社です。1994年にタイのプーケット島にバンヤンツリー・プーケットを開業させ、その後順調にホテルを増やしており、同社グループは 2020年11月現在、24か国で49のホテルを運営しています。

 

 

 

 


客室イメージ 出展:https://www.hospitalitynet.org/news/4086087.html

「京都東山 SIX SENSES」は、京都市東山区にあった「ホテル東山閣」跡地に計画されているラグジュアリーホテルです。IHG(インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ)が展開する「SIX SENSES HOTELS RESORT SPAS」が日本初出店します。施設詳細は現時点では不明です。

SIX SENSESは、ウェルネスと持続可能性を重視する高品質な運営で知られ、富裕層向け旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー(Travel+Leisure)」では2018年に世界一位のブランドに輝くなど、高級リゾートとして世界の旅慣れた富裕者層に定評があります。

 

 



2021年4月1日現在、ウェルス・マネジメントグループが出資・開発・ホテル運営に関わるホテルアセットは10棟で、「イビススタイルズ大阪難波」「イビス大阪梅田」「京都惣洛ホテルMギャラリー」「京都惣洛ホテル二条城別邸Mギャラリー」「フォションホテル京都」の計5棟が開業済み「アロフト大阪堂島」が開業間近となっています。今後は「京都東山 Banyan Tree」「京都東山 SIX SENSES」に続き2021年末にブランドが確定した2施設「北海道ニセコ SIX SENSES」「箱根強羅 SIX SENSES」
の計画を進めて行くとのことです。

 

【2022年春開業】バンヤンツリーが京都にラグジュアリー温泉ホテルを出店、建築は隈研吾氏が担当!



シックスセンシズ ホテルが京都に進出!IHGが展開する自然派高級リゾートが日本初出店



 

 

アフターコロナに富裕層インバウンド市場を取り込む!



京都にはコロナ禍前から外資系ラグジュアリーホテルの進出が相次いでいます。「京都東山 Banyan Tree」「京都東山 SIX SENSES」の進出も、その流れの1つと言えます。コロナ禍前はオーバーツーリズムや、低下価格なビジネスホテルの供給過剰が問題視されていましたが、それでもなお富裕層が泊まれるラグジュアリーホテルは不足していると言われています。

日本政府観光局(JNTO)によると、「富裕層」とは「費用制限なく満足度の高さを追求した高消費額旅行を行う市場」であること定量・定性調査をもとに「旅行先における消費額が100万円以上/人回」である事、と定義されています。

【出展元】
富裕旅行市場の分析とコンテンツづくりのポイント(JNTOマーケティング研修会テーマ1

 

 



JNTOが欧米豪の5市場(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア)を調査した所、この5市場で海外旅行をしている方が全体で3億4100万人、そのうち100万円以上消費する富裕旅行者の方は約1%の340万人存在しています。消費額をみると、全体の35.8兆円のうち、富裕旅行者は13.1%の4.7兆円で、旅行者全体の1%が消費額全体の13.1%を消費しています。JNTOがターゲットとしているのが、この340万人、4.7兆円規模の富裕層インバウンド市場です。訪日外国人旅行者全体における消費額の平均単価が15.3万円の所、「富裕層」ひとり当たりの平均単価は約136万円になり、一般旅行者の約9倍の経済効果が見込めるからです。

次に市場別にみると、規模が大きいのはアメリカで全体の半分以上を占めています。ヨーロッパも、イギリス、ドイツ、フランスと合計すると約2兆円規模のマーケットになっていて、
無視はできない規模です。それに対して、日本が獲得できた富裕層旅行者数と消費額はわずか4万9,000人、618億円と、全体富裕層旅行市場の1.4%しかありません。

このことから、日本における富裕層インバウンド市場はまだ成長する余地のある市場といえ、コロナ禍前のオーバーツーリズムの次の展開として「富裕層インバウンド市場」をターゲットに据えるのはデータから見ると正しい選択と言えそうです。

 

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