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自走式ロープウェイ「Zippar」福島試験線で試乗会へ! 2033年の公共交通運行を視野に、都市交通の“隙間”を埋める新インフラの現在地


出展: Zip Infrastructure

福島県南相馬市を拠点とする Zip Infrastructure株式会社 は2025年8月27日、自走式ロープウェイ「Zippar(ジッパー)」の車両を福島試験線に載線したと発表しました。10月から試乗会の実施が可能となり、2033年の公共交通運行を目指す長期計画の具体像が明らかになりました。

自走型ロープウェイ「Zippar(ジッパー)」が都市内交通を大きく変える!地下鉄と路線バスの隙間を埋める新たな交通インフラへ


Zipparとは何か


出展: Zip Infrastructure

Zipparは「低コスト・自由設計・自動運転」を特徴とする次世代交通システムです。


  • 走行方式:車体にバッテリーとモーターを搭載し、直線部はロープ、カーブや分岐部はレールを自走。

  • 輸送力:モノレールの約半分(約3,000人/時)。大型バスのピストン運行に匹敵。

  • コスト・工期:モノレールの1/5。建設費は約15億円/km、施工期間は数年程度。

従来のロープウェイは「分岐できない」「常時循環が必要」といった制約から観光輸送が中心でした。Zipparは分岐やネットワーク化が可能なため、都市内交通として展開できる点が革新的です。


今後の開発スケジュール


出展: Zip Infrastructure

Zip Infrastructureは次のロードマップを示しています。


  • 2025年10月〜11月:福島試験線「レール部」での試乗会

  • 2026年春:レール+ロープを組み合わせた試乗会

  • 2028年:私有地での実運行開始

  • 2033年:公共交通として本格運行開始

このスケジュールは「実証 → 限定運行 → 公共交通化」という三段階を踏む形で、鉄道やLRTと比べても短期間での社会実装を目指しています。


国家レベルでの評価


出展: Zip Infrastructure

Zipparは2025年5月、国土交通省道路局の「新モビリティ調査」のヒアリング対象となりました。詳細は非公開ですが、国家的な交通政策の議論に正式に組み込まれたことで、「ベンチャーの実験」から「社会インフラ候補」へと格上げされたと言えます。


都市交通と都市構造へのインパクト

  1. 駅勢圏の拡張
    徒歩10分(約800m)が常識だった駅勢圏が、Zippar導入により2〜3km圏まで拡大。土地利用や不動産価値に直接影響を与えます。

  2. 郊外ニュータウンの再生
    オールドタウン化が進む郊外ニュータウンでも、駅直結のZipparラインが整備されれば、利便性が回復し住宅価値を押し上げる可能性があります。人口減少時代の郊外再生策として注目されます。

  3. 大都市圏の鉄道空白地帯の補完
    大阪・名古屋・福岡など大都市圏でも、地下鉄や鉄道路線の外側には“鉄道空白地帯”が残っています。Zipparはその隙間を埋め、都市全体の交通ネットワークを高密度化する補完インフラとして機能し得ます。

  4. 多用途展開
    観光地やテーマパークの回遊路線、災害時の緊急輸送、物流にも応用可能。都市・地方双方で導入余地があります。

課題と展望

  • 景観・プライバシー問題:高架移動ゆえ沿線住民への配慮が必要。

  • 制度的課題:既存法制度に収まらない部分が多く、新たなルール整備が不可欠。

  • 既存交通との摩擦:バス・タクシー業界との利害調整。

  • 安全性と信頼性:車両やロープの耐久性、災害時対応などの実証。

これらは技術的課題というより社会受容性の問題であり、行政・企業・住民を巻き込んだ合意形成がカギとなります。


Zipparの現在地と未来


出展: Zip Infrastructure

2025年のZipparは、構想から実証へと進み、2033年の公共交通化を見据える段階にあります。

モノレールの半分の輸送力を1/5のコストと期間で実現できるZipparは、郊外ニュータウンの再生、大都市圏の鉄道空白地帯の補完、地方都市の公共交通維持といった幅広い領域で導入価値を持ちます。

福島試験線での試乗会は単なる技術デモではなく、都市の未来像を決定づける分水嶺になる可能性があります。Zipparが社会実装に至るかどうかは、日本の都市交通のOSを刷新できるかどうかを占う試金石と言えるでしょう。






出典元

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