
大阪IRについて興味深い情報がありましたのでご紹介したいと思います。
アジアのゲーミング業界のニュースサイト「AGB – Asia Gaming Brief」は、激しい競争に直面するマカオのゲーミング業界の専門家である、ジャンケット投資家、ルイス・ラム代表のインタビューを掲載しました。
同氏は、シンガポール、マカオ、フィリピンに対して、MGMの大阪プロジェクトはアジアで最強の競争相手になると考えており、シンガポールがVIPプレイヤーを、フィリピンが中級市場、日本は家族旅行のニーズを獲得する事になるだろう予想しています。
【出展元】→Macau faces growing competitive pressure as a gaming hub, warns local gaming expert | AGB (agbrief.com)
ジャンケット取り締まり後、VIPプレイヤーが流出するマカオ

マカオでは、ジャンケット取り締まり後に顧客層の一部を流出させ、特にVIPプレイヤー獲得競争で勝負出来なくなり、シンガポールが競争の勝者となりました。また、タイ、日本、アラブ首長国連邦(UAE)などでゲーミング合法化の波が押し寄せる中、今後、マカオは激しい競争に直面する事になります。
中国人プレイヤーの動向ですが、フィリピンは安全性に対する懸念があり家族旅行の最初の選択肢になりません。この点で、マカオはまだ中国人旅行者にとって良いデスティネーションといえます。しかし、大阪がカジノをオープンすれば、マカオの利点は薄れ、シンガポールの利点も薄れる事になります。
ジャンケットオペレーターとは?
カジノに対して顧客を紹介することで、そこから産まれる収益の一部をキックバックとして獲得する事業者で、IR事業者に向けてVIP送客・クレジットおよび回収を行い手数料収入を得る業種。
中国から3時間程度のフライトで行ける手軽な目的地

中国のオンライン旅行代理店大手、Ctripプラットフォームの調査によると、中国の若い旅行者の多くは現在、近さ、ビザ、フライトの利便性に基づいて目的地を選んでおり、その多くがフライト時間3時間以内のルートを選んでいます。
上海ー大阪線、上海ー済州島線、北京ーソウル線、北京ー東京線は、6月の連休中に最も人気のあった往路となりました。中国目線で見ると、大阪は3時間程度のフライトで遊びに行ける手軽で魅力的な目的地となっています。
シンガポールとマカオには無い豊富な観光資源

シンガポールとマカオはどちらも国土が狭く、国全体で比較すると訪れるべき観光地が不足しています。日本の豊富な観光資源は他の地域市場には欠けている要素であり、日本のゲーミング産業が将来的に長期的な成功を収める原動力になります。これは、中国人観光客の強力な復活がなくても、開国後に日本が発表した観光客の数字が証明しています。
宿泊施設、食事、サービス料金の面で、マカオよりも日本の方がはるかに魅力的で、さらに関税の払い戻し政策やエンターテイメントの選択肢が増えることで、大阪はマカオの最大のライバルになるでしょう。
海外から「最強のライバル」として警戒されている大阪IR

前述の通り、日本はフィリピンが抱える安全性の問題が無く、シンガポール・マカオに比べて遙かに豊富か観光資源を有しており、中国本土から3時間程度のフライトで到達できる地理的な条件など、大阪IRは日本人が考えるよりも遙かに競争力があり『最強のライバル』として見られています。
また、ルイス・ラム代表は『シンガポールと日本のカジノの利点は、純粋なゲーミング収入ではなく、観光産業を後押しすることだ』と述べています。これは大阪IRについて国内に渦巻くネガティブな評価とは正反対の見立てあり、とても興味深いと思いました。

