南海電気鉄道は、橋本駅〜極楽橋駅間で運行している観光列車「天空」に代わる新たな観光列車を導入します。運行開始は2025年度末を予定しており、8月8日には外装デザインと列車名称候補3案を公開し、一般投票の受付を開始しました。
新観光列車は、2000系車両を改造した4両編成で、運行区間は難波駅から極楽橋駅まで直通します。高野路の緑豊かな景観に映えるよう、深紅を基調とした落ち着きある外装色を採用します。上質な車内空間と四季折々の車窓風景を楽しみながら、高野山観光と南海沿線の魅力を発信することを目指しています。
社内公募で寄せられた857件から選ばれた以下の3案
候補番号 | 名称 | 読み方 | 意味・コンセプト(推測) |
---|---|---|---|
1 | GRAN 天空 | グラン テンクウ | 「天空」を上質に進化させた高級感のある印象 |
2 | TENKU 零 | テンクウ ゼロ | 新しい出発点・原点回帰をイメージ |
3 | 天空-みやび- | テンクウ ミヤビ | 和の優雅さや気品を感じさせる雰囲気 |
投票は同社公式サイトの専用フォームで1人1票まで可能で、受付期間は2025年8月8日14時30分から8月15日12時までです。決定した名称に投票した人の中からは、抽選で関連グッズがプレゼントされます。
また、運行開始に合わせて難波駅1番線の降車専用ホームを新観光列車専用の「0番のりば(仮称)」として美装化する計画も進んでいます。高野山の山並みをイメージした曲線的デザインや照明演出を施し、旅の始まりを印象づける空間とする予定です。工事は列車デビューと同じ2025年度末の完成を予定しています。
導入の狙いと目的

新観光列車は、単なる車両更新ではなく、観光・ブランド・収益の三位一体戦略と位置づけられています。高野山観光の魅力強化とインバウンド需要の拡大、「天空」ブランドの世代交代、高単価サービスによる収益性向上が主な目的です。深紅の外装や難波駅の専用ホーム整備は話題性と非日常性を演出し、SNSやメディア露出を通じて沿線ブランドの向上を図ります。さらに、観光列車利用を起点とした沿線全体の回遊促進によって、地域経済や鉄道収入の底上げも狙っています。
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