出展:大阪松竹座
大阪松竹座、100年の歴史に幕
大阪・道頓堀の象徴的な劇場「大阪松竹座」が、2026年5月の公演を最後に閉館します。松竹株式会社によると、老朽化した建物設備(電気・空調など)の対応が困難となり、地下商業施設を含めてビル全体を閉鎖する判断に至ったといいます。
松竹は「大阪における歌舞伎をはじめとする多彩な演目は、場所を変えて継続する」と発表し、興行そのものは存続しますが、100年以上にわたり道頓堀の文化を象徴してきた劇場が姿を消すことは、地域にとって大きな転換点となります。
「道頓堀の凱旋門」と呼ばれた存在
出展:大阪松竹座
大阪松竹座は1923年(大正12年)、松竹創業者・白井松次郎の発案で、日本初の鉄筋コンクリート造映画館「活動写真館」として誕生しました。ネオ・ルネサンス様式の壮麗なファサードは「道頓堀の凱旋門」と称され、戦後の大阪大空襲をも耐え抜いた象徴的建築です。
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戦後は映画館として数々の名作を上映
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1994年に一度閉館し、外観を保存して改築
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1997年に演劇専用劇場として再出発
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2023年には開場100周年を迎え、多くのファンにその存在を再認識させました
その舞台では「七月大歌舞伎」や人気俳優の襲名披露公演、松竹新喜劇、OSK日本歌劇団、さらに関西発アイドルの公演までが上演され、上方芸能と現代大衆文化の双方を支えてきました。
推定資産価値:約300億円?

出展:GooleMAP
大阪松竹座ビルは道頓堀の中心に立地し、資産価値は極めて高いと考えられます。
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敷地面積:1,818㎡
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公示地価(宗右衛門町):23,500,000円/㎡(2025年)
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松竹座の立地条件を考慮し70%換算 → 16,450,000円/㎡
これに基づき算出すると、
1,818㎡ × 16,450,000円 ≒ 約300億円
となります。
※これは当ブログによる試算であり、現時点で公式根拠はありません。建物は築27年で老朽化しており評価は限定的であるため、実質的には土地そのものの価値が中心となります。
都市計画条件と再開発余力

出展:GooleMAP
大阪松竹座ビルの都市計画上の条件は以下のとおりです。
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区域区分:市街化区域
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用途地域:商業地域
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容積率:1,000%
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建ぺい率:80%
この条件下では、最大延床は約18,000㎡まで開発可能です。
さらに仮に容積率が1,500%に緩和された場合、最大延床は約27,000㎡へ拡大。規模は現状の約1.5倍に達し、高さ・用途構成の自由度が飛躍的に広がります。
※容積率緩和シナリオは当ブログの仮定であり、現時点で根拠はありません。
跡地利用の可能性
跡地は観光の中心・道頓堀に位置しており、再開発余力が極めて大きいエリアです。考えられるシナリオは複数あります。
① 商業+ホテル複合開発
低層部に飲食・物販・エンタメ、上層部にホテルを配置するモデル。インバウンド需要の増大を背景に、高収益性が見込めます。
② 劇場併設型複合
低層部に新劇場を整備し、上層部をホテル・オフィスとする折衷案。「演芸の街・道頓堀」という都市アイデンティティを継承できます。
③ 高額売却による松竹の延命
約300億円規模の資金を確保し、東京や京都の劇場事業や映像事業強化に投じる可能性。跡地は外資ホテルや大手デベロッパーに渡り、大型開発へ転じる可能性が高いです。
④ 行政・観光局と連携した都市戦略開発
「文化+観光+宿泊」の統合拠点として再生し、道頓堀全体の国際的ブランドを底上げする都市戦略型開発。大阪観光戦略の象徴となる可能性を秘めています。
閉館を惜しむ声
出展:大阪松竹座
SNSでは「青春が詰まった劇場がなくなるのは信じられない」「七月大歌舞伎が松竹座で見られなくなるのは残念」といった投稿が多数寄せられています。歌舞伎俳優・中村鴈治郎氏も「大阪での私たちの牙城がなくなる。本当に悲しい」と語り、文化的損失の大きさを訴えました。
都市の未来を左右する選択
出展:大阪松竹座
大阪松竹座の閉館は、単なる劇場の幕引きではなく、道頓堀という街の将来を左右する分岐点です。
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文化か経済か、それとも両立か
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松竹が主導するか、外資やデベロッパーが担うか
跡地活用の方針は、大阪の都市ブランド形成と観光戦略に直結します。道頓堀の「次の100年」をどう設計するのか、その選択は極めて重いものとなります。
【施設概要】
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名称:大阪松竹座ビル
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所在地:大阪府大阪市中央区道頓堀1-9-19
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交通:御堂筋線・四つ橋線・千日前線「なんば」駅 徒歩1分
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構造:RC・SRC・S造
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規模:地下2階・地上8階
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敷地面積:1,818㎡
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延床面積:10,707㎡
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容積率:1,000%(※当ブログ仮定では緩和時に1,500%、延床27,000㎡規模も可能)
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建ぺい率:80%
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区域区分:市街化区域
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用途地域:商業地域
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竣工:1997年3月
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客席数:1033席
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閉館:2026年5月公演終了後
【出典元】
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松竹株式会社 プレスリリース(2025年8月28日)
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産経WEST(2025年8月28日)
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朝日新聞デジタル(2025年8月28日)
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NHKニュース(2025年8月28日)
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デイリースポーツ(2025年8月28日)
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ORICON NEWS(2025年8月28日)
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日刊スポーツ(2025年8月28日)