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『(仮称)三ノ宮新駅ビル開発プロジェクト 』地上30階建て、高さ約156mの複合超高層ビルが駅前に誕生! 建設工事 現地の最新状況 25.09


神戸の中心・三宮エリアで進められている「(仮称)JR三ノ宮新駅ビル開発」(三宮駅前第2地区都市再生事業)の建設工事が進んでいます。JR西日本・UR都市機構・神戸市の三者が連携し、総事業費は約500億円。地上30階・高さ約156mの新駅ビルが、2030年3月末の完成を目指しています。

三宮は1日約70万人が利用する神戸最大のターミナル。しかし従来は「複雑な乗換動線」「駅と街の結節不足」「広場空間の不足」など課題が指摘されてきました。本計画は、それらを根本から刷新し「神戸の玄関口」にふさわしい空間を整備する大規模な都市再生事業です。

プロジェクトの背景と三者協定

神戸市は2015年に「再整備基本構想」を、2018年に「神戸三宮えき≈まち空間基本計画」を策定。6つの駅を一体的に結び付ける都市構想を描いてきました。

2021年10月には、神戸市・JR西日本・UR都市機構の三者が「JR三ノ宮新駅ビル及び三宮周辺地区再整備の推進に関する協定」を締結。以後、官民一体で都市機能の集積と公共空間の整備に取り組んでいます。

2024年4月26日には、国土交通大臣によって「民間都市再生事業計画」として正式認定。これにより、金融支援や税制優遇といった国の支援も得られる体制が整いました。

「BasE KOBE」 ― 神戸ブランドを発信する新拠点

新駅ビルの大きなコンセプトは「BasE KOBE」。神戸の産業・食文化・芸術・音楽など多様な魅力を集約し、国内外に発信する拠点となります。


商業施設(約19,000㎡)

  • 神戸の食文化やファッションを背景に、モノとコト・トキの提案を組み合わせた体験型商業空間。

  • デジタルプラットフォーム(WESTERやSNS)とリアル空間を融合させ、「神戸らしさ」を国内外へ広げます。

ホテル(約250室)

  • 高層部に位置し、上質で洗練された客室とロビーを設ける。

  • 食・アート・音楽イベントと連動し、「滞在そのものが神戸の文化体験」となるホテルを目指します。

オフィス(約6,000㎡)

  • JR西日本が掲げる「ワークプレイスネットワーク」の中核として、コワーキングや柔軟な働き方に対応。

  • 神戸市が進める医療産業都市とも連携し、新たな産業価値を創出。

広場・デッキ空間(約2,500㎡)

  • 駅前広場の上空にデッキを設け、待合やイベント利用に適した空間を創出。

  • 「三宮クロススクエア」と一体化し、常に賑わいが生まれる都市の中心広場へ。

建物概要とスケジュール


  • 所在地:兵庫県神戸市中央区雲井通8丁目1-2

  • 規模:地上30階・地下2階・塔屋2階、高さ約155~156m

  • 構造:鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造

  • 延床面積:91,781㎡(容積対象83,494㎡)

  • 用途:商業、オフィス、ホテル、駅前広場、駐車場、駐輪場

  • 設計:安井建築設計事務所(基本設計)、竹中工務店・大鉄工業JV(実施設計)

  • 施工:竹中工務店・大鉄工業JV

  • 事業費:約500億円

  • 工程


    • 2023年6月 準備工事開始

    • 2024年3月6日 起工式

    • 2024年4月1日 本体工事着工

    • 2029年度 開業予定

    • 2030年3月31日 竣工予定

都市空間としての位置づけ


本計画は単なる駅ビル再建ではなく、「えき≈まち空間」の実現に向けた核となる存在です。
6つの駅を一体化する導線設計により、分断されがちだった鉄道・街・人の流れを統合。さらに「三宮クロススクエア」と連動することで、歩行者中心の広場型都市空間を形成します。

神戸市街地の東西動線を補完し、港町神戸の玄関口として「都市の顔」となるランドマークが姿を現そうとしています。

今後の展望


2030年の竣工はまだ先ですが、建設地周辺では仮囲いや工事が進み、都市景観が徐々に変わり始めています。完成すれば、三宮は大阪・京都と並ぶ関西の都市拠点として再評価される可能性があります。神戸市は観光・産業・居住の三拍子を兼ね備えた国際都市を目指しています。その中で、この新駅ビルは「BasE KOBE」として新しい神戸ブランドを内外に発信する象徴的な施設となるでしょう。

JR西日本の拠点駅開発と経営戦略


JR西日本は近年、「駅ビル開発」を鉄道事業と並ぶ成長エンジンと位置付けています。


  • 大阪駅西口(うめきた2期)開発

  • 広島駅新駅ビル建設

これらの大型プロジェクトを推し進め、いずれも一段落した現在、次なる舞台が神戸・三ノ宮です。

鉄道利用者数が人口減少などで伸び悩む中、同社は被鉄道部門(不動産・商業・ホテル等)の収益拡大を重視。三ノ宮新駅ビルはその戦略を象徴する存在であり、2020年代後半の重点プロジェクトに位置づけられます。

駅を単なる交通結節点にとどめず、都市のランドマーク兼収益拠点へと変貌させることで、鉄道依存を超えた多角的な経営基盤を確立しようとしているのです。

まとめ


  • JR三ノ宮新駅ビルは、地上30階・高さ約156m・延床約9.1万㎡の複合高層施設。

  • 商業・ホテル・オフィス・広場空間を備え、「BasE KOBE」として神戸の魅力を発信。

  • 2024年に着工し、2029年度開業・2030年竣工を予定。

  • JR西日本にとっては「大阪駅西口」「広島駅ビル」に続く拠点駅開発であり、鉄道事業に依存しない多角化戦略の柱。

  • 2020年代後半の重要プロジェクトとして、神戸の都市ブランド再生と同社の経営戦略の双方に寄与する。

 

2025年9月の様子


現地の様子です。前回の取材が2024年10月だったので、約11ヶ月ぶりの撮影です。


南東側から見た様子です。


東側から見た様子です。新ビルの規模の大きさが実感できるアングルです。


大規模な掘削工事が行われ、地下階の構築が行われてました。


ポートライナー駅側の様子です。山留め工事が行われています。


少しづつアングルを変えていきます。


撮影ポイントを変えて南側から見た様子です。


南西側から見た様子です。


西側から見た様子です。


最後はミント神戸から見下ろした計画地の様子です。

これまでの経緯

JR三ノ宮新駅ビル、地上30階建て、高さ約156mの複合超高層ビルが駅前に誕生! 建設工事 現地の最新状況 24.10【2029年度開業予定】

1 COMMENT

ガンマ

神戸の玄関。
やっとらしくなりそうですね。

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