神戸市本庁舎2号館は市の4代目本庁舎として建設され1957年4月に完成しました。2号館は建築から 62年を迎え老朽化が進んでいることや、阪神・淡路大震災の被害を 受けて6階部分がつぶれ、6~8階部分が撤去されていることなどから、新庁舎への建替えが計画されています。
市が2019年11月18日に公表した「神戸市役所本庁舎2号館再整備基本計画(案)」によると、新ビルは、庁舎機能のほか、音楽ホールや集客機能、商業機能を取り入れた延べ床約60,000㎡の施設を計画。 定期借地権方式により、建物全体を民間事業者が整備 し、文化創造・発信機能(音楽ホール)や庁舎機能部分は市が 買い取り、もしくは賃貸により入居する予定です。再整備後の施設には庁舎機能に加え、クラシック音楽の生音の響きを活かせる特徴ある音楽ホールや、国内外に神戸らしさを発信できる新たなにぎわい機能が導入される予定です。【出展元】
→神戸市役所本庁舎2号館再整備基本計画
→KOBE CITY VISION >市役所本庁舎2号館
マーケットサウンディング調査結果

神戸市は、2020年5月12日〜26日にかけて2号館の再整備に関するマーケットサウンディング調査を行い結果を発表しました。調査には20 社(不動産事業者、建設関連事業者、ホテル運営事業者など)が参加しています。
まず、新型コロナウイルスの感染拡大による影響については、マーケットは今後数年をかけて復調する、建物の完成は数年先であり中長期的な影響はない、特にホテル運営事業者は積極的な出店意欲があり早期の公募開始であっても問題ない、現在の状況では投資意欲やマーケット動向の見極めがつかない、などの意見が出されました。
続いて想定される民間施設の機能ですが、神戸の観光資源等のポテンシャルを活かすことができるグレードの高いホテル、利便性の高い立地と優れた周辺環境を活かしたオフィス、複合施設(庁舎・ホール・ホテル・オフィス等)の利用者等をターゲットとした 飲食・物販店舗などの意見が出された他、、体験型施設等の提案もあったとの事です。
事業スキームについては、庁舎機能、文化創造・発信機能(音楽ホール)については神戸市による 所有を希望、定期借地期間は50 年以上の長期間が望ましい、地代の支払方法については定期借地期間を通して一定期間毎に一定額 の支払いとなるようにしてほしい、定期借地期間満了後の建物の取り扱いについては建物を残存させる可能性を残してほしい、などの意見がありました。スケジュールについては、基本計画上の建物規模の場合、設計に約2年、建設に約3年~3年半 要する見込みとの事です。
これらの調査結果から、賑わい集客機能が入る高層棟にはハイグレードホテルを勧誘する可能性が高いと推測できます。
【出展元】
→マーケットサウンディング調査結果
→追加意向調査結果
計画概要

神戸市役所の庁舎群再整備のマスタープランはこちらです。超高層ビルの1号館、建替えられる2号館、2022年に完成する新中央区総合庁舎を連絡デッキで接続し一体化する計画です。「連絡ロビー・エネルギー施設」は3棟を結ぶハブになります。

再整備のスケジュールですが、1号館への継続的なエネルギー供給が必要な為、まず2号館と2号館別館を解体し、2号館別館跡地に先行して連絡ロビー・エネルギー施設が建設されます。その後、電気・機械室棟とクーリングタワーを解体し、2号館跡地を合わせた敷地に新庁舎・にぎわい施設が建設されます。
「連絡ロビー・エネルギー施設」は、2019 年度より設計・建設、2023年度に完成 、「新庁舎・にきわい施設」は、2020年度にかけて民間事業者の公募・選定、2023年度に新築工事に着手、2025年度以降に完成する予定です。
計画概要
計画名称 | 神戸市役所本庁舎2号館再整備 |
所在地 | 兵庫県神戸市中央区加納町6丁目5番1号(現庁舎) |
交通 | JR「三ノ宮」駅ほか |
階数 | |
高さ | |
構造 | |
杭・基礎 | |
主用途 | 行政庁舎・音楽ホール・商業施設・駐車場他 |
客室数 | |
敷地面積 | 9512㎡ |
建築面積 | |
延床面積 | 連絡ロビー・エレルギー施設:約5,000㎡ 新庁舎・にきわい施設:約55,000㎡ 庁舎機能(行政機能) :約15,000㎡ 文化創造・発信機能(音楽ホール):約7,000㎡ にぎわい・集客機能:約14,000㎡ にぎわい・商業機能:約7,000㎡ その他(駐車場・機械室等):約12,000㎡ |
容積対象面積 | |
建築主 | 神戸市 |
設計者 | 基本計画策定支援は日本総合研究所が担当 |
施工者 | |
着工 | 連絡ロビー・エレルギー施設:2021年度想定 新庁舎・にきわい施設:2023年度想定 |
竣工 | 連絡ロビー・エレルギー施設:2023年度想定 新庁舎・にきわい施設:2025年度以降想定 |
備考 | 震災で被災した2号館を建替え整備。庁舎機能に加え、クラシック音楽の生音の響きを活かせる特徴ある音楽ホールや、国内外に神戸らしさを発信できる新たなにぎわい機能を導入 |
2021年10月の様子

現地の様子です。前回の撮影が2021年4月だったので、約6ヶ月振りの取材です。

西側から見た様子です。既存建物の解体が進み東側のビルが良く見える様になりました!

旧建物に目を向けるとこんな感じです。

建設中の(仮称)新中央区総合庁舎(写真右)を絡めたアングルです。

南西側から見た様子です。

最後は南東側から見た様子です。
2021年4月の様子

現地の様子です。2号館全体が解体足場に覆われています。

解体工事は明和工務店が担当し、2020年9月~2021年10月までの予定で行われています。

2号館の対面で建設工事が進む新中央区総合庁舎の様子です。

最後は超高層ビルの1号館と絡めたアングルです。
このビルは、阪神淡路大震災の時にも崩壊した上層部を解体してますから、何気に2回も解体工事が行われるビルなんてまずないんじゃないでしょうかね。