大阪府、5駅周辺を「再開発促進地区」へ 北千里・JR高槻南・鴻池新田・河内小阪・金剛を都市計画に追加する変更案


出典:吹田市「北千里駅前まちづくり意見交換会」

大阪府は2026年9月1日、府内5カ所の主要駅周辺を都市計画上の「再開発促進地区」に新たに位置付ける変更案を公表しました。

対象は、北千里駅前、JR高槻駅南、JR鴻池新田駅周辺、近鉄河内小阪駅周辺、金剛駅周辺です。北部・東部・南部大阪の「都市再開発の方針」を変更し、土地の高度利用や都市機能更新を重点的に促します。

現段階では都市計画決定ではなく、9月30日に予定する都市計画公聴会などの手続きに入る段階です。

5地区を一斉に「再開発促進地区」へ


地区 面積 主な再整備内容 現在地
北千里駅前(吹田市) 約3.5ha 商業・公共公益機能、交通広場、歩行者・交流空間 約500戸・高さ約98mの市街地再開発を具体化
JR高槻駅南(高槻市) 約3.3ha 商業・業務・医療・福祉・文教・交流機能、駅前広場・道路 準備組合が計画骨子を検討
JR鴻池新田駅周辺(東大阪市) 約15ha モノレール新駅、JR駅前広場、商業集積、高度利用 モノレール延伸と一体で都市再編
近鉄河内小阪駅周辺(東大阪市) 約7.5ha 商業、都市型住宅、交通広場、民間開発 近鉄不動産が駅前約1.3万㎡を開発検討
金剛駅周辺(大阪狭山市) 約0.6ha 商業施設、交通広場、駅舎、駐車・駐輪場 2031年度商業開業、2033年度全面更新目標
「再開発促進地区」は、計画的な再開発が必要な市街地のうち、特に一体的・総合的な都市更新を促す地区です。指定だけで直ちに工事が始まるわけではありませんが、市街地再開発、高度利用地区、地区計画などを組み合わせ、事業化を進める都市計画上の土台となります。

北千里は約500戸、高さ約98mの再開発へ


出典:吹田市「北千里駅前の再整備」

北千里駅前では、開業から半世紀以上が経過した商業・公共施設を更新し、駅前交通広場、歩行者空間、子育て支援・交流広場などを一体的に再編します。

2022年に市街地再開発準備組合が設立され、民間施行の第一種市街地再開発事業として具体化が進んでいます。現行案では、約3.5haに住宅約500戸、高さ約98mの住宅・商業棟と約25mの商業・公益棟を計画しています。

JR高槻駅南は半世紀ぶりの「再々開発」


出典:高槻市

JR高槻駅南では、商業・業務に加え、医療、福祉、文教、交流機能を集積し、駅前広場や道路も再編します。

同地区では1970~1979年度に約2.7haで市街地再開発が行われ、グリーンプラザたかつきなどが整備されました。今回は、**約半世紀前に再開発された駅前をもう一度更新する「再々開発」**です。

2024年には準備組合が発足し、JR西日本不動産開発を代表とするグループが事業化検討パートナーとして参画。2026年度は計画骨子の作成と並行し、高槻市が駅前広場や道路配置を検討します。

鴻池新田は約15ha、モノレール延伸と一体で都市再編


出典:大阪府

5地区で最大となるのが、JR鴻池新田駅周辺の約15haです。大阪府は商業機能の集積と土地の高度利用に加え、大阪モノレール南伸に伴う(仮称)鴻池新田駅と駅前交通広場、既存JR駅前交通広場の整備**を明記しました。

大阪モノレールは門真市駅から瓜生堂まで約8.9kmを延伸し、5駅を新設する計画です。鴻池新田では、新たな交通結節点の形成と市街地再編を一体で進める点が最大の特徴です。

河内小阪は近鉄の駅前約1.3万㎡が焦点


出典:近鉄不動産

近鉄河内小阪駅周辺では、約7.5haを対象に商業機能や都市型住宅を誘導し、土地の高度利用、建物の共同化・不燃化、駅前交通広場の整備を進めます。

大阪府の計画書には、再開発を促す施策として「民間企業所有の遊休地での民間開発事業」も明記されました。一方、近鉄不動産は河内小阪駅前に所有する小阪第1~第5ビルの敷地約1万3,000㎡について、「駅前に相応しい総合開発」を検討しています。

大阪府資料は両者の直接的な関係を明記していませんが、再開発促進地区の指定、駅前交通広場の再編、近鉄不動産の大規模保有地が重なっており、大型開発を具体化する環境が整いつつあります。

金剛は2033年度全面更新へ


出典:南海電気鉄道

金剛駅周辺は、駅周辺約6haを「計画的な再開発が必要な市街地」とし、その中心約0.6haを再開発促進地区とする二段構えです。

南海電鉄、大阪狭山市、富田林市は2026年3月に基本協定を締結し、市街地再開発、商業施設、駅前交通広場、駐車・駐輪場、駅舎改修を一体で進めます。5地区では最も完成時期まで具体化している案件です。
主な予定 時期
駅周辺商業施設の開業 2031年度中
駅舎・交通広場等を含む全面リニューアル 2033年度中

駅前再生を「個別案件」から都市政策へ

今回の5地区に共通するのは、単なる老朽施設の建替えではなく、商業、住宅、公共公益施設、交通広場、歩行者空間を駅周辺で再配置し、都市拠点そのものを再構築することです。

北千里や金剛ではすでに具体的な事業が進み、高槻、鴻池新田、河内小阪でも事業化に向けた条件整備が進んでいます。

今回の変更案は、各地で個別に進んできた駅前再生を大阪府の都市計画に位置付け、次の事業化フェーズへ押し上げる動きと捉えると分かりやすいでしょう。

大阪府は9月30日に都市計画公聴会を予定しており、今後は都市計画手続きと各地区の個別事業がどこまで連動して具体化するかが焦点になります。




出典元

  • 大阪府「令和8年度第3回大阪府都市計画公聴会」
  • 大阪府「北部大阪都市計画 都市再開発の方針の変更」計画書・理由・位置図
  • 大阪府「東部大阪都市計画 都市再開発の方針の変更」計画書・理由・位置図
  • 大阪府「南部大阪都市計画 都市再開発の方針の変更」計画書・理由・位置図
  • 大阪府「大阪モノレール延伸事業」
  • 吹田市「(仮称)北千里駅前地区第一種市街地再開発事業に係る環境影響評価」
  • 高槻市「令和8年度施政方針大綱」
  • 近鉄不動産「会社案内/近鉄『河内小阪』駅前再開発プロジェクト」
  • 南海電気鉄道「南海電鉄・大阪狭山市・富田林市3者で金剛周辺のまちづくりを共同推進―『金剛駅周辺地区再整備事業に関する基本協定書』を締結―」
 

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