大阪が世界の金融都市TOP20入り!GFCI40で36位→20位、評価点も上昇 国際金融都市OSAKAの現在地と次の課題



世界の主要金融都市の競争力を評価する「Global Financial Centres Index 40(GFCI 40)」が2026年9月16日に発表され、大阪は世界20位、739ポイントとなりました。


前回GFCI39の26位・723ポイントから半年で6ランク、16ポイント上昇。1年前のGFCI38では36位だったため、順位は1年間で16ランク上昇しています。

今回注目したいのは「20位」という順位だけではありません。前回までは評価点が横ばいのまま相対順位が上昇していましたが、今回は大阪自身の評価点も明確に上昇しました。

さらにGFCIを作成する英国Z/Yen Groupは、大阪・北京・アブダビがTOP20に入り、パリ・アムステルダム・フランクフルトがTOP20圏外となったことをGFCI40の主要トピックとして取り上げています。大阪の順位上昇は、世界の金融都市競争でアジアの存在感が高まっている流れの一部として位置付けられています。

大阪は1年間で36位→20位、今回は「点数」も上昇


発表 世界順位 評価点 前回からの変化
GFCI38・2025年9月 36位 723 ―
GFCI39・2026年3月 26位 723 +10位、点数横ばい
GFCI40・2026年9月 20位 739 +6位、+16ポイント
2025年9月から2026年3月までは、大阪の評価点を維持したまま他都市との相対順位が上昇した形でした。しかし今回は、順位だけでなく評価点自体が16ポイント上昇しています。したがって直近1年間を通して見れば、大阪の国際金融センターとしての評価は明確に改善しています。

ただし、GFCIは金融取引額や運用資産だけを比較するランキングではありません。ビジネス環境、人材、インフラ、金融産業の発展、都市の評判などを総合した競争力指数です。

GFCI40は世界139都市を調査し、117都市をランキング対象としました。世界銀行、OECD、国連などから取得した144の客観指標と、6,147人の金融関係者による39,531件の評価を組み合わせています。

世界20位の現在地―上位都市との差は小さい


世界順位 都市 評価点
16 北京 743
17 ルクセンブルク 742
18 ボストン 741
19 ワシントンDC 740
20 大阪 739
21 ルガーノ 738
22 釜山 737
23 パリ 736
24 シドニー 735
25 コペンハーゲン 734
大阪は19位ワシントンDCと1ポイント差、18位ボストンとも2ポイント差です。今回の総合評価ではパリ、シドニー、釜山を上回りました。

一方、GFCIの都市分類では大阪は「Established International(確立された国際金融センター)」。シカゴ、ボストン、シドニーなどと同じカテゴリーです。ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、東京、パリなどの「Global Leaders」とはまだ位置付けが異なります。

つまり大阪は、金融都市としてゼロから立ち上がる段階ではなく、既存の国際金融基盤を持ちながら、上位グループとの距離を縮めている段階にあります。

なぜ大阪の評価は上がったのか?



GFCIは大阪の16ポイント上昇を要因別に分解していないため、特定の政策や企業進出が直接順位を押し上げたとは断定できません。

ただし、背景には二つの動きがあります。

アジアの金融都市が全体として上昇

GFCI40では、世界の金融センターの平均評価が前回比0.8%上昇したのに対し、アジア太平洋地域は1.48%上昇しました。

TOP10にも香港、シンガポール、上海、東京、ソウル、深圳の6都市が入り、東京は10位→6位、北京は22位→16位、大阪は26位→20位へ上昇しています。

Z/Yenが今回の発表を「Asian Financial Centres Challenge The Established Players」と題した通り、大阪だけが突出したというより、金融都市の重心がアジアへ広がる中で大阪も評価を上げたという構図です。

大阪で「実際に行う金融業務」が増えている

大阪府・市は「国際金融都市OSAKA戦略」に基づき企業誘致を進め、第1期の目標だった金融系外国企業等30社に対し31社を誘致しました。

重要なのは社数より、その中身です。
企業・取り組み 大阪で担う機能
大和ネクスト銀行 決済・精算・管理、市場取引関連業務、BCP
IMM Investment Japan 在阪スタートアップへの投資、資金調達、海外展開支援
Funds Startups ベンチャーデット、協調投融資、ディープテック支援
ベインキャピタル PE・グロース投資など
大和ネクスト銀行のように、災害時だけ使うバックアップ拠点ではなく、平時から東京と大阪で業務を分担する動きが出ています。同時に、海外投資会社やベンチャーデット事業者が、関西のスタートアップ、大学発企業、ディープテック企業への資金供給拠点として大阪に進出しています。

つまり大阪では、

東京一極集中を補完する金融業務と、
関西の企業・研究開発へ資金を流す投資機能

という二つの立地理由が見え始めています。

大阪の現在地―評価は上がった。ただし「世界20位=世界金融中枢」ではない



ここが今回のランキングを見るうえで最も重要です。大阪は2025年9月の36位から20位まで上昇し、今回は評価点も723から739へ改善しました。昨年より評価が上がったことは数字で確認できます。

一方で、大阪に世界最大級の資産運用会社や投資銀行の意思決定機能が集中しているわけではありません。FinTech部門も29位まで順位を上げましたが、評価点は前回686→687とほぼ横ばいです。

大阪の金融都市としての現在地を整理すると、次のようになります。
現在地 状況
国際的な総合評価 明確に上昇
企業誘致 第1期目標を達成
東京との業務分散 実例が出始めた
関西企業への資金供給 VC・ベンチャーデットなどが拡大
FinTech 順位上昇、評価点はほぼ横ばい
世界的な資産運用・意思決定機能 まだ限定的

したがって、今回の20位を「大阪がパリを超える世界金融都市になった」と見るより、大阪の国際金融都市としての評価が回復し、次の段階に入り始めたと捉える方が実態に近いでしょう。

次に問われるのは「何社来たか」ではなく「何をするか」



大阪府・市は2026~2030年度の第2期「国際金融都市OSAKA戦略」に入りました。ここから重要になるのは企業誘致数ではなく、大阪で実際にどれだけ金融業務と資金が動くかです。

見るべき指標も変わります。

誘致企業数
→ 専門人材数
→ 大阪で担当する業務
→ 投融資額・運用資産
→ 大阪で行われる意思決定


という流れです。

大阪には製造業、医療・ライフサイエンス、大学発研究、スタートアップなど、資金を必要とする産業基盤があります。京都・神戸まで含めれば、その厚みはさらに増します。

大阪が目指しやすいのは東京の縮小版ではなく、京阪神の企業・大学・研究成果と国内外の資金をつなぐ金融拠点です。これに東京とのデュアルオペレーションや金融BCPを組み合わせれば、大阪独自の役割も明確になります。

GFCI40の世界20位は、その完成を意味する数字ではありません。ただ、36位→26位→20位と順位を上げ、今回は評価点自体も上昇した。企業誘致から実際の金融業務へ動き始めた。ここまでは確認できます。

次に問われるのは順位ではなく、大阪でどれだけ人が働き、どれだけ資金が動き、関西経済の成長につながる金融機能を作れるかです。

GFCI40は、大阪の国際金融都市構想が「企業を呼ぶ段階」から「機能を厚くする段階」へ移りつつあることを測る、一つの指標になりそうです。




出典

  • Z/Yen Group / Long Finance「The Global Financial Centres Index 40」2026年9月16日
  • Z/Yen Group「Global Financial Centres Index 40: Asian Financial Centres Challenge The Established Players」2026年9月16日
  • Z/Yen Group / Long Finance「The Global Financial Centres Index 38」2025年9月25日
  • 大阪府・大阪市「国際金融都市OSAKA戦略」2026年3月改訂
  • 大阪市「国際金融都市OSAKA戦略における企業誘致目標の達成について」2026年3月24日
  • 大阪市「大阪に進出した金融系外国企業等の紹介について」
  • 大阪市「令和8年度 大阪市イノベーション促進評議会資料」

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