関西3空港(関西・伊丹・神戸)を運営する関西エアポートは、2024年4月25日付けのニュースリリースで、 関西国際空港・大阪国際空港・神戸空港の2023年度(4-3月)利用状況を発表しました。
3空港の合計は、発着回数が約34.2万回、旅客数は約4412万人、貨物量は約81.9万トンでした。空港別に見ると関西空港の着回数は約17万回、旅客数は約2588万人。伊丹空港の発着回数は約13.7万回、旅客数は約1479万人、神戸空港の発着回数は約3.5万回、旅客数は約344万人となりました。2023年4月に日本政府の水際措置が終了したことで、国際線が急回復した事に加え、コロナ禍で抑えられていた旅行需要が回復し、各空港の利用実績を押し上げました。
関西3空港利用実績
3空港計 | 関西 | 伊丹 | 神戸 | ||||||
発着回数 (回) |
国際線 | 120,527 | 114% | 120,527 | 114% | – | – | – | – |
国内線 | 221,787 | -1% | 49,246 | -4% | 137,871 | 34,670 | |||
合計 | 342,314 | 22% | 169,773 | 57% | 137,871 | 0% | 34,670 | 1% | |
航空旅客数 (人) |
国際線 | 19,057,949 | 271% | 19,057,949 | 271% | – | – | – | – |
国内線 | 25,064,461 | 12% | 6,826,712 | 7% | 14,793,946 | 14% | 3,443,803 | 11% | |
合計 | 44,122,410 | 60% | 25,884,661 | 125% | 14,793,946 | 14% | 3,443,803 | 11% | |
貨物量 (t) |
国際線 | 721,243 | -4% | 721,243 | -4% | – | – | – | – |
国内線 | 98,279 | 2% | 10,436 | 22% | 87,843 | (-0% | – | – | |
合計 | 819,522 | -4% | 731,679 | -4% | 87,843 | (-0% | – | – |
2023年度の利用実績
関西3空港 VS アジアの主要空港
大阪・京都・神戸の3つの大都市で構成される京阪神大都市圏は、都市圏人口1900万人を有数する世界的な大都市圏です。この巨大な市場を、関西・伊丹・神戸の3つの空港で支えています。単体で語られる事が多い関西3空港ですが、3空港の合計がアジアの世界的な大空港と比べてどの程度の規模感なのか?を比べてみました。関西3空港は2023年度、アジアの主要空港は2023年暦年実績です。
発着回数は3空港が34.2万回、チャンギ空港32.8万回、香港国際空港27.6万回、仁川空港33.8万回。旅客数は3空港が4412万人、チャンギ5890万人、香港国際空港3950万人、仁川空港5600万人でした。
一方、航空貨物は3空港が81.9万トン、チャンギ空港174万トン、香港国際空港430万トン、仁川空港274万トンとなっています。アジアの主要空港の実績のほとんどが国際線である事から航空貨物の取扱量に圧倒的な差があります。この航空貨物取扱量の差が、現時点での国際都市としての実力差を示していると思われます。
<2023年暦年実績>
■シンガポール・チャンギ空港
発着回数:32.8万回
旅客数:5890万人
航空貨物:174万トン
■香港国際空港
発着回数:27.6万回
旅客数:3950万人
航空貨物:430万トン ※世界1位
■韓国・仁川空港
発着回数:33.8万回
旅客数:5600万人
航空貨物:274万トン
■関西3空港合計
発着回数:34.2万回
旅客数:4412万人
航空貨物:81.9万トン
2024年度は、関西3空港もコロナ禍前の数字を完全に回復すると予想しましすが、アジアの主要空港も同じく大きく利用が伸びると思われます。関西3空港は、関西空港の発着枠の拡大と神戸空港の国際化とターミナル施設の増強により、今後の需要の伸びを受け止めることになります。
このブログでは何度も書いていますが、関西空港の旅客ターミナルビルの容量不足が深刻な状態で、大阪関西万博や大阪IRに開業によって発生する航空需要を取りこぼし、経済成長の足かせになる可能性が高いです。アジアの主要空港は、容量が飽和する前に先手先手で空港施設の増強を続けています。今後、大阪を中心する京阪神大都市圏が、世界の巨大都市圏との都市間競争」に伍して行くには、できるだけ早期に空港施設の増強を行う必要があります。
大阪の外国人客、24年1400万人見通し 5年ぶり過去最高(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF314KP0R30C24A5000000/
大阪観光局は31日、2024年に大阪を訪れる外国人客数が1400万人になる見通しだと発表した。新型コロナウイルス禍前の19年を14%上回り、5年ぶりに過去最高を更新する。円安で訪日需要が堅調なほか、コロナ禍以降落ち込んでいた中国からのインバウンド(訪日外国人)が今後回復すると見込んでいる。
>しろきちさん
その際には、ANAやJALの資本参加はさせない方向でお願いしたいです。
やはり関空の新ターミナル建設と関西独自のフルサービスキャリアの設立が求められるところですね