高島屋東別館(旧松坂屋大阪店)などが国の重要文化財に指定へ!近代の百貨店建築の歴史を知る上で貴重と評価



国の文化審議会は2021年5月21日に、大阪の高島屋東別館や現役で使われている学校の校舎など、近畿圏で4件の建造物を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申しました。髙島屋東別館は、竣工から 1966(昭和 41)年までは松坂屋大阪店として使用され、1968(昭和 43)年に高島屋が東別館として事務所などの用途で使用を開始し、同社の事務所、髙島屋史料館などとして使われてきました。

 

 

 



全体にアール・デコ調のデザインでまとめられており、堺筋に沿って続く約 67m ものアーケードや美しい 11 連アーチの他、外壁は、アカンサスの葉飾りをモチーフにしたテラコッタに覆われ、優れたデザインが随 所に見られるなど往時の百貨店の姿をとどめています。

 

 

 



昭和初期の百貨店建築として極めて貴重な建築といえる髙島屋東別館は、要所に見られる装飾豊かな意匠が往時の華やかさを充分に伝えており、戦前期の大阪を象徴する商業地区の都市景観の形成に寄与し、近代の百貨店建築の歴史を知る上で貴重と評価されました。

 

 

 

 


出展:Wikipedia>西脇市立西脇小学校

ほかにも、現役の校舎として使われている兵庫県西脇市の「旧西脇尋常高等小学校」も答申されました。1934年に建設が始まり、木造2階建ての校舎3棟が並んで配置されているのが特徴です。国の重要文化財に指定されると修理などが厳しく規制されるため、使われている学校の校舎が指定されるのは珍しいケースです。また、1954年に国鉄が日本で初めてとなる工法で建設したコンクリートの橋、滋賀県甲賀市の「第一大戸川橋梁」などが答申され、今夏にも正式に指定される予定です。

 

 

 

 

高島屋東別館(旧松坂屋大阪店)



名 称:髙島屋東別館
所 在 地:〒556-0005 大阪府大阪市浪速区日本橋3丁目5−25
階数:地上9階、地下3階建
構造;鉄骨鉄筋コンクリート造
高さ:約 30m
建築面積:4,750 ㎡
延床面積:41,000㎡
設設計者:鈴木 禎次
施工:竹中工務店
竣工:1928(昭和 3)年/1934(昭和 9)年・1937(同 12)年増築