【続報】旧イムズ跡の正式名称は「天神大樹」に!高さ91m・延床7.4万㎡、2027年5月完成へ



当ブログでこれまでお伝えしてきた、福岡・天神の旧イムズ跡地で進む「(仮称)天神1-7計画」の続報です。

三菱地所は2026年8月31日、建物の正式名称を「天神大樹(TENJIN TAIJU/てんじんたいじゅ)」に決定したと発表しました。

この日は、イムズが2021年8月31日に32年の歴史を閉じてから、ちょうど5年にあたります。

今回の発表では名称だけでなく、3階の「OPEN LOBBY」、福岡発の「manucoffee」、開業前から地域文化を育てる「GIVING TREE PROJECT」なども明らかになりました。高さ約91m、延床約7.4万㎡の大型複合ビルというハードに加え、人・文化・地域をどう結び付けるかという運営の中身まで具体化してきたのが今回のポイントです。

これまでの経緯


時期 主な動き
2019年1月 三菱地所がイムズの営業終了・再開発を発表
2021年8月31日 イムズ閉館、32年の歴史に幕
2022年8月 「(仮称)天神1-7計画」公表
2024年2月 エースホテル福岡の進出決定
2024年5月 新築工事着工
2025年12月 緑化強化、LEED GOLD予備認証。竣工を2027年5月へ変更
2026年8月31日 正式名称「天神大樹」を発表
2027年5月末 竣工予定
2027年 エースホテル福岡開業予定

「天神大樹」の計画概要


項目 内容
正式名称 天神大樹(TENJIN TAIJU)
所在地 福岡市中央区天神1丁目
規模 地上21階・地下4階
高さ 約91m
延床面積 約73,742㎡
用途 オフィス、ホテル、商業、駐車場
商業 地下2階~地上2階、約1,100坪
ホテル エースホテル福岡、192室
交流拠点 3階「OPEN LOBBY」
出店 manucoffee
ワーカー支援 「ASSISTand」
文化施策 「GIVING TREE PROJECT」
緑化 40本以上の高木、900㎡超
環境認証 LEED GOLD予備認証
着工 2024年5月
竣工 2027年5月末予定
事業主 三菱地所
設計 三菱地所設計
施工 大林組

「天神大樹」は計画全体を象徴する名称



「天神大樹」という名称には、天神に根を張り、多様な人や文化が集まり、交わりながら成長していく「まちの大樹」になりたいという思いが込められています。

名称は計画内容ともよく一致しています。

建物には九州産材を使ったCLTパネルを採用。低層部を中心に緑化を進め、40本以上の高木と900㎡超の緑化空間を整備します。

つまり「大樹」は単なる愛称ではなく、木材、緑、交流、文化という開発コンセプトを一つの言葉にまとめた名称と見ることができます。

ロゴは福岡在住のアートディレクター・永尾仁氏が担当。「天・神・大・樹」の文字を再構成し、多様な人や活動が交わりながら成長する姿を表現しています。

3階に「まちのロビー」、manucoffeeも出店



今回の発表で特に注目したいのが、3階に設けられる「OPEN LOBBY」です。

一般的なオフィスビルのエントランスとは異なり、ワーカーだけでなく来街者も利用でき、働く、学ぶ、会話する、人と出会うための「まちのロビー」として整備されます。



ここには、2003年に福岡で誕生したmanucoffee(マヌコーヒー)が出店。単なるカフェ運営にとどまらず、OPEN LOBBYの運営にも関わり、コーヒーを媒介に交流を促します。

館内ワーカー向けサービス「ASSISTand」では、朝食・昼食支援、手土産手配、地域店舗との連携などを提供し、その売上の一部を交流プログラムや地域文化活動へ再投資します。

不動産を「場所」として貸すだけではなく、施設内で人が交わる仕組みまで運営側がつくる点が天神大樹の特徴です。

イムズの「情報受発信基地」を2020年代型に再構築



旧イムズは1989年の開業以来、単なるショッピングセンターではありませんでした。

「情報受発信基地」を掲げ、ショールーム、イムズホール、アートギャラリーなどを配置し、買い物以外にも人が集まる理由をつくってきました。

天神大樹が掲げるコンセプトは、

「福岡文化生態系 ― 福岡のあたらしい文化を共に創造し続ける」

です。

その中核を担うのが、OPEN LOBBY、manucoffee、エースホテル福岡、GIVING TREE PROJECTなどの機能です。

特にエースホテル福岡は192室を備え、ラウンジ、カフェバー、レストラン、ギャラリー、MICE対応スペース、ルーフトップバーなどを配置します。ホテルのロビーや飲食施設を地域へ開き、音楽やアートを取り込むエースホテルの特性は、今回の開発コンセプトとも親和性が高いといえます。

旧イムズが施設側から「情報を発信する場所」だったとすれば、天神大樹では、施設に集まる人や地域との関係から新しい文化を生み出す形へ更新することになります。

完成前から文化活動、「GIVING TREE PROJECT」始動

三菱地所は建物の完成を待たず、「GIVING TREE PROJECT」を始動します。

文化、芸術、食、学び、交流などをテーマに地域と連携する取り組みで、第1弾ではミュージシャン・プロデューサーの坂口修一郎氏らと天神を歩きながら街の音を採取し、それらを組み合わせた「天神の新しいテーマミュージック」を制作します。

特徴的なのは、開業後にイベントを始めるのではなく、開業前から街との関係をつくり始めることです。

建物の竣工と同時にゼロから施設を立ち上げるのではなく、それまでに地域との接点や活動を積み重ねておく。ハード整備とプレイスメイキングを並行して進める考え方です。

竣工は2026年12月から2027年5月へ変更



当初、竣工予定は2026年12月でしたが、現在は2027年5月末へ変更されています。

三菱地所によると、緑化の充実など街の価値向上策の検討や地下工事の進捗を踏まえて工程を見直したものです。

オフィスの入居可能時期は2027年6月予定。エースホテル福岡も2027年の開業を予定していますが、商業ゾーンを含む施設全体の正式な開業日は現時点では発表されていません。

天神ビッグバン、「大きなビル」から「選ばれる場所」へ



天神大樹から見えてくるのは、天神ビッグバンの競争軸の変化です。

初期には航空法による高さ制限の緩和を背景に、老朽ビルを大型・高機能ビルへ更新すること自体が大きな価値を持っていました。

しかし、天神ビジネスセンターやONE FUKUOKA BLDG.など大型再開発が相次いだことで、これからは単に新しく大きなオフィスを供給するだけでは差別化しにくくなります。

そこで競争力になるのが、ホテル、飲食、緑、アート、交流空間、地域コミュニティなどを組み合わせ、「そこで働きたい、滞在したい、訪れたい」と思わせる力です。

天神大樹は高さ約91m、延床約7.4万㎡の大型複合ビルですが、本質的な特徴は規模そのものではありません。

旧イムズが担ってきた文化発信の役割を受け継ぎながら、人の交流や地域との関係まで含めて「場所の価値」を設計する。

それが、天神大樹という再開発の狙いです。

黄金色の外観と巨大な吹き抜けで強烈な個性を放ったイムズから、緑と文化を育てる「大樹」へ。

32年間親しまれた「イムズ」に代わり、「天神大樹」が次の天神を象徴する名前として定着するのか。2027年の完成に向け、建物だけでなく、その中で生まれる活動にも注目です。




出典元

  • 三菱地所「(仮称)天神1-7計画」正式名称「天神大樹」決定(2026年8月31日)
  • 三菱地所「(仮称)天神1-7計画」グリーンボーナス認定・LEED GOLD予備認証(2025年12月23日)
  • 三菱地所「(仮称)天神1-7計画」エースホテル福岡出店決定(2024年2月21日)
  • 三菱地所「(仮称)天神1-7計画」新築工事着工(2024年5月15日)
  • 三菱地所 オフィス情報「天神大樹」
  • エースホテル/Ace Hotel Fukuoka 関連発表
  • Impress Watch「福岡・天神のイムズ跡地、新施設名は『天神大樹』」
  • KBC九州朝日放送「イムズ跡地の新ビル『天神大樹』」
  • 天神経済新聞「旧イムズ跡地の新ビル名称『天神大樹』」
  • X(旧Twitter)「天神大樹」「イムズ跡地」関連投稿

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