出展:https://kyoto-house.jp/
病気の子どもと、その治療に付き添う家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス 京都(京都ハウス)」が着工しました。公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(DMHC)は2026年9月15日、京都市上京区の建設予定地で起工式を開催しました。7月時点では設計を終えて工事入札を進める段階でしたが、8月に施工者が決まり、9月から建築工事へ移行しました。
総建設費は約8億円。真宗大谷派が土地を無償提供し、2027年中の竣工・運用開始を予定しています。
病院の近くに設ける「家族の生活拠点」
ドナルド・マクドナルド・ハウスは、遠方の医療機関で治療を受ける子どもと家族が、病院の近くで生活するための滞在施設です。高度な治療を受けるため県境を越えて通院・入院する場合、家族には交通費や宿泊費に加え、自宅と病院を往復する時間的な負担も生じます。ハウスには個室だけでなくキッチン、ダイニング、リビングなどが設けられ、長期間の治療に付き添う家族が生活できる環境を整えています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用対象 | 遠方から入院・通院する子どもと家族 |
| 主な役割 | 病院近くでの滞在・生活を支援 |
| 主な設備 | 個室、キッチン、ダイニング、リビングなど |
| 日本での運営 | 公益財団法人DMHC |
| 利用料 | 原則無料、一部実費負担あり |
なぜ「マクドナルド」なのか

出展:Wikipedia Philadelphia Ronald McDonald House, Chestnut St, West Philadephia.
活動の起点は1974年の米国フィラデルフィアです。NFLフィラデルフィア・イーグルスの選手フレッド・ヒルの娘が白血病を患ったことを契機に、治療中の子どもの近くで家族が滞在できる施設をつくる活動が始まりました。資金集めに地元のマクドナルドが協力し、最初の「Ronald McDonald House」が開設されました。
その後、活動は各国へ広がりました。マクドナルドと運営組織は別法人ですが、現在も長期的な支援関係が続いています。日本でも店頭募金などを通じて施設の建設・運営を支援しています。
「マクドナルド」の名称は、こうした半世紀にわたる支援の歴史に由来しています。
京都ハウスは18室、延床約1,226㎡
京都ハウスは、京都府立医科大学附属病院や京都大学医学部附属病院などで治療を受ける20歳未満の患者と家族を主な利用対象とします。建物は地上3階、延床面積約1,226㎡。ベッドルーム18室を設け、このうち2室をバリアフリー対応とします。京都府立医科大学附属病院と京都大学医学部附属病院という二つの大学病院を軸に、京都で高度な小児医療を受ける家族の滞在需要に対応します。
| 項目 | 計画内容 |
|---|---|
| 名称 | ドナルド・マクドナルド・ハウス 京都 |
| 所在地 | 京都市上京区梶井町447番の一部 |
| 敷地面積 | 971.17㎡ |
| 建築面積 | 473.62㎡ |
| 延床面積 | 約1,226㎡ |
| 構造 | RC造・一部S造、地上3階 |
| ベッドルーム | 18室 |
| バリアフリー個室 | 2室 |
| 共用部 | リビング、ダイニング、キッチン、ライブラリーなど |
| 主な利用対象 | 20歳未満の患者と家族 |
| 開設予定 | 2027年中 |
総建設費8億円、真宗大谷派が土地を無償提供

出展:https://www.higashihonganji.or.jp/
事業を支えるのは寄付と民間・地域団体による協力です。総建設費は約8億円で、DMHCが約4億円を負担。残る約4億円を京都側の開設募金委員会が企業、団体、個人などから募りました。建設用地は真宗大谷派が無償提供しました。地元側の募金は2025年3月までに目標額へ到達しています。| 主体 | 支援内容 |
|---|---|
| 真宗大谷派 | 建設用地を無償提供 |
| DMHC | 約4億円を負担 |
| 京都側開設募金委員会 | 約4億円を募金 |
| 総建設費 | 約8億円 |
7月の設計完了から、9月の着工へ
今回の起工によって、京都ハウスは設計・資金調達を中心とする準備段階から、実際の建築工事へ移りました。当初は2026年秋頃の開設が想定されていましたが、最新の公式スケジュールでは2027年中の竣工・運用開始となっています。変更理由の詳細は公表されていません。| 時期 | 動き |
|---|---|
| 2024年1月 | 京都ハウスの誘致・事業化を発表 |
| 2025年3月 | 地元側の寄付目標4億円を達成 |
| 2026年7月 | 設計完了、完成予想図を公表。工事入札へ |
| 2026年8月 | 下岡建設が建築工事を落札 |
| 2026年9月15日 | 起工式を開催、建築工事へ移行 |
| 2027年中 | 竣工・運用開始予定 |
高度医療の集積を「家族の滞在」で支える

小児の高度・専門医療では、治療できる医療機関が限られるため、患者が広域から集まります。一方、治療が長期化すれば、付き添う家族にも宿泊や移動、生活面での負担が積み重なります。京都ハウスが担うのは、この「病院の外側」にある部分です。
京都府立医科大学附属病院と京都大学医学部附属病院という高度医療拠点の近くに家族の滞在環境を整えることで、遠方から京都を訪れる患者と家族が、治療期間中も生活を維持しやすくなります。病院の設備や診療機能そのものではありませんが、患者家族の滞在環境も、広域から高度医療を受け入れる都市に必要な受け皿の一つです。
9月15日の起工によって、京都ハウスは構想から建設へと進みました。今後は建築工事と並行して運営体制を整え、2027年中の利用開始を目指します。
出典
公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンドナルド・マクドナルド・ハウス京都開設募金委員会
京都大学医学部附属病院
京都府立医科大学
京都府
日本マクドナルド
Ronald McDonald House Global
建設通信新聞
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