阪急阪神不動産、京阪電鉄不動産、積水ハウスの3社は2026年10月26日、京都市伏見区の伏見工業高校跡地などで進める大規模複合開発の名称を「KYOTO COCO CITY(京都ココシティ)」に決定したと発表しました。
開発面積は約4ha。分譲マンション310戸、戸建住宅125戸に加え、学生・社会人寮、地域交流施設、公園などを整備し、2028年春のまちびらきを目指します。
伏見工業高校は、ラグビーの強豪校として知られ、1980年代に人気を博したテレビドラマ『スクール☆ウォーズ』のモデルとなったことでも全国的に有名です。学校再編によって全日制課程は2018年3月に閉じ、残っていた定時制課程も2024年3月末で終了。長年にわたり地域の教育拠点だった場所が、新しい住宅街区へと生まれ変わります。
京都市が企画。狙いは若い世代の定住と脱炭素

事業の出発点は京都市です。学校跡地と隣接する市有地を有効活用するため、2023年に民間事業者を公募し、阪急阪神不動産を代表とする3社グループを選定しました。
京都市が目指しているのは、子育て世帯をはじめとする若い世代が住み続けられる住宅の供給と、脱炭素型の街づくりの両立です。約4haのまとまった市有地を民間に売却し、住宅開発と環境政策を一体的に進めます。
2023年の事業者選定段階では、将来の居住人口を約1,600人と想定していました。京都市にとって、人口定着と環境政策を具体的な街の形にするプロジェクトといえます。
マンション310戸・戸建125戸を整備
| 項目 | 計画内容 |
|---|---|
| 所在地 | 京都市伏見区深草鈴塚町ほか |
| 開発面積 | 約40,400㎡(約4.04ha) |
| 事業者 | 阪急阪神不動産・京阪電鉄不動産・積水ハウス |
| 伏見稲荷 FLAG | 地上7階・228戸のファミリー向けマンション |
| 伏見稲荷 CUBE | 地上7階・82戸のコンパクトマンション |
| 戸建住宅 | 125区画 |
| その他 | 学生・社会人寮、地域交流施設、公園など |
| 最寄り駅 | 京阪「伏見稲荷」駅徒歩約5分 |
| まちびらき | 2028年春予定 |

住宅はファミリー向け、単身・少人数世帯向け、戸建住宅を組み合わせた構成です。京阪本線、JR奈良線、地下鉄烏丸線の3路線が徒歩圏にあり、京都駅や都心部へのアクセスにも恵まれています。
マンション同士で電力を融通する「脱炭素の街」

KYOTO COCO CITYの特徴は、住宅の省エネ性能を高めるだけでなく、街区内で発電した再生可能エネルギーを建物間で融通する仕組みを導入することです。
具体的には、マンション「伏見稲荷 FLAG」で発電した電力を、隣接する「伏見稲荷 CUBE」の蓄電池などへ供給します。ファミリー向けマンションには「Nearly ZEH-M」、戸建住宅には「GX ZEH」相当の環境性能を採用し、街全体で電力消費に伴うCO2排出量の実質ゼロを目指します。

街区内には公園や緑地、地域交流施設を配置します。龍谷大学や地元団体との連携も計画されており、専用アプリ「COCCOLOR」を通じて住民が地域活動に参加する仕組みも導入します。住宅を建設して終わるのではなく、完成後のコミュニティづくりまで含めた開発です。
2028年春まちびらき。京都市の定住政策を占うプロジェクトに

今回の開発は、学校跡地の有効活用にとどまらず、住宅供給と脱炭素政策を結びつけた取り組みです。
ただし、ファミリー向けマンションの販売予定価格は5,000万円台からとなっており、若い世代の定住促進という政策目的に対して、どの程度の購入層を呼び込めるかは注目されます。
京都市の人口定着にどこまで貢献できるのか。また、街区全体でエネルギーを融通する仕組みが、今後の住宅開発のモデルとなるのか。歴史ある伏見工業高校の跡地で進むKYOTO COCO CITYは、京都の新しい住宅地のあり方を示す試みとなりそうです。
出典
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