カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を目指す大阪府と大阪市は、夢洲を軸とした大阪市内ベイエリアを候補地として推進してゆく事を決定、東京五輪が開催される2020年までの一部開業を目指すそうです。
カジノ誘致は「夢洲」軸に調整 鉄道延伸も検討 大阪府・市 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140422/waf14042218470030-n1.htm 夢洲地区は今後埋め立て整備する分も含めると約150ヘクタールと広大で、都心部から主要交通機関を使うと30分以内でアクセスできる利便性が評価された。 この日の会議で、橋下市長はさらに利便性を高めるため、夢洲地区へ乗り入れる鉄道インフラ整備を検討するよう市担当部局に指示したことを明らかにした。大阪市営地下鉄やJRの延伸を軸に試算しているといい、1兆円規模の投資を目指すことも確認された。橋下市長は「IR誘致は国際都市間競争に勝っていくための象徴的な事業。国から与えられるのではなく勝ち取っていきたい」と意気込みを語った。 |

大阪府・市が考えているIR(統合型リゾート)とは、全体面積の3~5%に過ぎないカジノなどのゲーミング部門が事業全体の50~80%の収益を上げ全体収益の核となることで、劇場やアリーナ、美術館、博物館、国際会議場、展示会といった採算性が不安定なエンターテインメント部門とコンベンション部門(MICE)を支える仕組みの事です。IRの代表的な成功例は、シンガポールのマリーナベイ・サンズが有名で、大阪府・市は大阪ベイエリアにマリーナ・ベイ・サンズに匹敵する巨大IRの誘致を目剤しています。
マリーナ・ベイ・サンズがシンガポールにもたらした経済効果は物凄いです。少し古い統計ですが、横浜市が纏めたレポート(PDF)が解りやすかったので一部引用させて頂きました。
マリーナ・ベイ・サンズの直接雇用は9,000人、関連雇用効果で30,000人、建設投資に5000億円。税収は2010年4月~1 2月の期間で力ジノ税と消費税だけで、4億4000万S$(約360億円)、シンガポール人と永住者に課せられる入場料はが1億3000万S$(107億円)です。通年なら合計670億円程度になります。これはリーマン・ショック後の経済が落ち込んでいた時期のオープン直後の数字なので、現在はさらに増えていると思います。また、付帯施設での消費、ホテルの宿泊費や食事代、シンガポール自体への来訪者の増加など経済効果は計り知れないです。これだけの収益が見込めるからこそ、マリーナ・ベイ・サンズの様なとてつもない施設が出来たのでしょうね。
※1シンガドル=82円で計算

IR(統合型リゾート)の誘致を目指している夢洲の現在の様子です。ご覧のとおり広大な空き地が広がってます。松井知事と橋下市長の思惑通りIRの誘致が成功すれは、この広大な空き地が莫大な税収を生み出す、金の玉子を産む鶏に生まれ変わります。IRが生み出す経済効果を武器に交通インフラの整備や文化施設の整備、電柱電線の埋設など都市景観の整備などが一気に進むかもしれません。

カジノについてはマイナス面ばかりを強調して反対を唱える風潮がある事が気がかりです。高額な入場料(1回1万円程度)を設定し、敷居を高くする事で低所得者層の中毒者を排除し入場審査があるカジノは、駅前立地で子供でも誰でも自由に出入り出来るパチンコ屋に比べれば遥かに健全な施設なのですが・・・。カジノ批判をする人(有識者など)はまずパチンコ全廃を唱え、全力で運動した方が良いのでは無いでしょうか?
大阪のライバル都市となるシンガポールや香港(マカオ)、ソウルなどは普通にIRを持っています。東京もIRの誘致に声を上げ始めました。ライバル都市との国際競争に伍してゆくには、IRの誘致は必須条件であって、あって当然、無ければば勝負にならない、重要な施設だと僕は思います。



