万博・IR見据え、直通特急を検討…近鉄 : 読売新聞
— ロング@再都市化 (@saitoshika_west) January 21, 2019
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報道各社が伝える所によると、近鉄が2025年に開催される大阪万博の会場となる「夢洲」と奈良方面を結ぶ直通特急の運行を検討しているそうです。構想では、近鉄奈良線の生駒駅付近で、大阪メトロ中央線に乗り入れている「けいはんな線」に接続させるとの事です。大阪難波―近鉄奈良間を結ぶ奈良線と、夢洲への延伸が予定されている中央線は、奈良県の生駒市付近で並走しており、両線を接続する渡り線を建設すれば接続可能です。ただ、奈良線と中央線を直通させるには様々な問題点があります。

1:集電方式と電圧の違い
大阪メトロ各線は、路面電車を発展させた経緯から、阪急と相互直通運転を行っている堺筋線を除くと第三軌条方式を採用している路線が多いです。地下鉄中央線もサードレールから集電する第三軌条方式(直流 750 V)を採用しています。対して近鉄はパンタグラフから集電する一般的な架線方式(直流1500V)を採用しています。その為、集電方式が異なる両線を直通する車両は、パンタグラフと第三軌条の2つの集電装置と電圧に対応した機器を装備する必要があります。もしくは終電装置は第三軌条のコレクターシューのみにして、蓄電池を搭載し奈良線内はバッテリーで走行する車両になるかもしれません。いずれにせよ、技術的な難易度が高い新型車両の開発が必須となります。2:車両限界とドア数の違い
大メトロ中央線の車両は、全長18,700 mm、全幅2,880 mm。近鉄は、全長20,500 mm、全幅2,800 mm(何れも中間車の代表例)と異なっています。また、ドア数も異なる為、今後設置が進むホームドアについても対策が必要となります。3:中央線内に待避設備が無い
中央線は各駅停車しかなく待避可能駅がほとんど無い(けいはんな線の新石切と森ノ宮が2面3線)ので、先行列車の追い越しができません。その為、中間駅を通過する特急を設定するとしても、相当スジを寝かせた平行ダイヤとなりそうです。4:過密ダイヤと複雑な運転経路
近鉄奈良線は相当な過密ダイヤである事、一大ジャンクション駅である西大寺駅の列車捌きが更に大変になります。万博とIRに対して攻めの姿勢を示す近鉄

今回の直通特急を走らせる構想ですが結構驚きました。集電方式の違いなど実現へのハードルはかなり高いですが、実現すれば中々面白い事になりそうです。一大ビジネス街の本町から着席保証の有料特急で奈良方面にゆったり帰宅・・という妄想が膨らみます。先日お伝えした、フリーゲージトレインよりも実現性は高いと思いますが、IR〜本町〜生駒〜奈良間にどの程度の需要があるのか?はちょっと想像できませんね。

