JR東海は2023年7月20日付けのニュースリリースで、特急「しなの」に使用している383系振子式車両の取替えを見据え、新型特急車両「385系」量産先行車の新製を決定ししたと発表しました！
385系は、国内最速でカーブを走行可能な383系の速達性を維持しつつ、新たに次世代振子制御技術を導入することで、乗り心地をさらに向上させつつ、安全性も向上させるとしています。同社では、現在、次世代振子制御技術の開発を進めており、2026年度に量産先行車として1編成(8両)を新製。その後走行試験を約1年間実施し、次世代振子制御技術等の確認を行い、量産車は2029年度頃を目標に投入する方向で検討を進めています。
385系のエクステリア（外観）は「アルプスを翔ける爽風」をテーマに、アルプスのやまなみを颯爽と駆け抜けていく様を表現したデザインとなります。また、前面展望を両先頭車に確保し、四季を彩る自然の景観に恵まれた中央本線を味わう旅を演出します。
【出展元】
→新型特急車両「３８５系」量産先行車の新製について (jr-central.co.jp)
出典：JR東海
385系量産先行車のメカ的な特徴は『次世代振子制御技術による乗り心地のさらなる向上』です。現在使用されている383系は1995年から投入された振子式車両で、国内最速(基本の速度※+最大35km/h)でカーブを走行することができます。
385系では、さらに進化した次世代振子制御技術を開発・導入。車上のジャイロセンサにより車両とカーブの位置関係を常時監視し、カーブ開始位置をより正確に検知することで、タイミングをずらさずに「正確に」車体を傾斜させることにより乗り心地の向上を図ります。JR東海では、振子式車両で用いられる乗り心地評価指標について、現行振子制御に比べて約15％の改善を見込んでいます。
中央本線に導入された315系
また、安全性の向上として。HC85系と同様に、車両機器の稼働状況や故障状況等を遠隔で常時監視する状態監視システム(DIANA)や、車内防犯カメラ等の安全設備を導入します。その他、中央本線を走行する315系と車体長・ドア位置を統一し、開口幅の狭いホーム可動柵を採用できるようになり、低コストでホーム上の安全性を向上させる、としています。
今年になって『ひだ』『南紀』で使用されてきたキハ８５系が引退し、次はこちらが置き換えの対象ですね。
旧国鉄型車両が完全に引退したJR東海、分割民営化後に登場した形式も世代交代の時代を迎えました。