
1次コンペの提案例:積水ハウス案。敷地の南北に超高層ビルを1棟づつ、合計2棟の超高層ビルを、中心部には公園とコンベンション施設を配置
大阪市は2017年12月21日に、JR大阪駅北側の再開発区域「うめきた2期エリア」について、都市再生機構(UR)を通じて開発事業者を決める事業コンペ(提案競技)の募集要領を公表しました。うめきた2期エリアは大阪駅に隣接する、旧貨物ヤード跡の約16ヘクタール。1期開発としてグランフロント大阪が開業しています。
【出典元】
→うめきた2期区域開発に関する民間提案募集における優秀提案の決定について(以下同じ)
【過去記事】
→1次コンペの提案一覧>うめきた2期区域開発に関する民間提案募集における優秀提案が決定!
【出典元】→UR西日本支社 > うめきたプロジェクト > うめきた2期区域
コンペの募集要領によると、エリアの中央に街のシンボルとして約4.5ヘクタールの都市公園を配置。人間の生活をより便利で豊かにする新製品やサービス全般を示す「ライフデザイン産業」の創出を2期の中核機能にすることが盛り込まれました。申し込み対象者は2013年10月に実施した1次コンペの優秀提案者20者を含む民間事業者。募集要領配布期間は2018年1月26日までで、申し込み受付は18年5月21、22日。7月下旬には事業者決定を予定しています。
【うめきた2期の開発スケジュール】
2018年7月下旬:開発事業者決定
2023年春 :うめきた新駅(仮称:北梅田駅)開業
2024年夏 :公園と民間開発の完成(先行まちびらき)
2027年春 :基盤整備の全体完成
事業コンペ(提案競技)の評価の配点が中々戦略的です。300満点中、企画が200点、価格(土地の購入額)100点。企画の配点200点のうち、都市公園を中心とする「みどり」の整備計画と、ライフデザイン産業の技術革新を促す「中核機能」のコンセプトが計100点となっており、街づくりの目標に掲げる「みどりとイノベーションの融合」をどういうアイデアで実現するのかを中心に評価する配点となっています。残り100点は、街の景観やデザイン、防災機能などの視点から採点されます。価格面の配点を全体の3分の1にとどめ、コンペが金額勝負にならない様に設定されています。
▼吉村市長は同日行われた会見で以下の様に語られました。
・大阪最後の都心の一等地、大阪だけじゃなくて関西の成長に非常に重要な拠点である。
・緑を真ん中にどかんと置いて、民間の方に新たな産業サービス、イノベーションを生み出す中核機能を生み出すことを目標にしている。
・うめきた2期は大阪市だけの話じゃなくて、大阪全体、関西全体に影響するエリア。
・世界の大都市をみてもニューヨークのセントラルパークもそうだがが、非常に力のある都市というのは中央に緑があって、もちろんセントラルパークとうめきたは規模が違うが、コンセプトとしては都心に緑を配置するということは、都心を中心としたエリアの価値が高い
・金額を重視するんじゃなくて、提案の中身を重視したいと思っている
・もっとも緑とイノベーションということで提案力の高いものを期待したい。
 1次コンペで目を引いた提案をご紹介します。まずは、オリックスの提案です。敷地南北にそれぞれ2棟、合計4棟の超高層ビルを中心とした提案で中央部は公園となっています。緑色のオーガニックなイメージの外観デザインが印象的な提案です。

住友不動産の提案です。敷地南部にいオフィスビル1棟、北部にタワーマンション2棟、合計3棟の超高層ビルを中心とした提案です。

大和ハウスの提案です。オーガニックデザインの高層ビルが敷地南部に2棟、全体的に未来都市の様なデザインとなっています。
阪急の提案です。こちらは敷地の北側に4棟の超高層ビルを建設し、南側を公園としたレイアウトです。
 三菱地所の提案です。2期エリアの南側に超高層ビル3頭(オフィス1,タワーマンション2)北端に大学と思われる高層ビル1の合計4棟の高層ビルを中心とした提案です。敷地中央部は公園となっています。

大阪ガスの提案です。敷地南部に巨大な高層ビル、中央部にスタジアム、北端にタワーマンション?といった感じのレイアウトが提案されています。

大林組の提案です。梅北2期エリアの南西端に巨大なオフィスビルを1棟、北端に1棟の合計2棟の高層ビルが描かれています。
竹中工務店の提案です。梅北2期エリアに特徴的な中層ビルを建設し、全体は緑化するプランです。

2次コンペの募集が始まった、うめきた2期。1次コンペはコンセプト提案的な内容でしたが、今回の2次コンペで開発事業者が決定されるので、具体的な開発計画が明らかになります。来年7月の事業者決定まで、まだ時間はありますが、いずれにせよ、大阪の都市格を上げる様な意欲的な開発計画を期待したいと思います。
					





