京都・上七軒の築200年超「旧長谷川邸」を再生!隈研吾×創業578年の金剛組×中村外二×植治×アルマーニ/CASAが結集、「THE SILENCE」が着工



京都・上七軒で、築200年を超える歴史的建造物「旧長谷川邸」を現代の邸宅として再生するプロジェクトが動き出しました。

フィードは2026年9月10日、「THE SILENCE – Furnished by ARMANI/CASA」の地鎮祭を実施し、着工したと発表しました。完成は2028年春~夏を予定しています。

デザイン監修に隈研吾氏、施工に西暦578年創業の金剛組、茶室に中村外二工務店、庭園に御庭植治、家具・インテリアにARMANI/CASAが参加。建築、宮大工、数寄屋、作庭、ラグジュアリーデザインの専門家が一棟の歴史的建築に集結します。

なかでも特徴的なのが、社寺建築で培ってきた木造建築の技術を持つ金剛組が、本体施工を担うことです。築200年超の建物を保存するだけではなく、現代に使われる邸宅として再構築する。

THE SILENCEは、その考え方を京都・上七軒で具体化するプロジェクトです。

築200年超、上七軒の「旧長谷川邸」を再生



計画地は京都市上京区真盛町698。北野天満宮の東側、京都最古の花街とされる上七軒に位置します。

旧長谷川邸は200年以上の歴史を持ち、明治中期から平成後期までお茶屋として使われてきました。奥行きの深い敷地構成や数寄屋的な意匠など、京都のお茶屋文化を伝える木造建築です。計画では、既存建物の骨格を生かしながら現代の居住性能を組み込みます。
項目 計画概要
名称 THE SILENCE – Furnished by ARMANI/CASA
所在地 京都市上京区真盛町698
敷地面積 256.95㎡
建築面積 155.00㎡
延床面積 284.26㎡
用途 セカンドハウス・ホテルコンドミニアム
着工 2026年9月10日
竣工予定 2028年春~夏
デザイン監修 隈研吾建築都市設計事務所
施工 金剛組
茶室施工 中村外二工務店
作庭 御庭植治
家具・アクセサリー ARMANI/CASA
設計監理 アトリエ・ブリコラージュ
事業主 フィード

なぜ金剛組が住宅を施工するのか



金剛組は西暦578年創業。四天王寺をはじめとする社寺建築を手掛け、現在も堂宮建築や文化財建造物の修復・復元に携わっています。

今回、金剛組が住宅を施工する背景には、旧長谷川邸の複雑な木造構造があります。200年以上にわたって増改築が重ねられた建物を現代住宅として使うには、既存の骨格を読み解きながら構造を再編する必要があります。

フィードによると、金剛組は建物内部に多数あった柱を2本まで集約築200年超の建物に、1400年以上受け継がれてきた木造建築の技術を重ねる。既存の木造建築を生かしながら、開放的な居住空間をつくります。

隈研吾が描く「静寂」、中村外二と植治が空間を構成



プロジェクト全体のデザインスーパーバイザーを務めるのは隈研吾氏です。テーマは、名称にもつながる「静寂」。黒竹と白竹を用いながら、上七軒の町並み、建物、庭を連続させ、エントランスには数寄屋の趣を残した吹き抜けを設け、上七軒通りから続く石畳を建物内部へ導入。離れの浴室も庭の竹と呼応させ、屋内外をつなぐ空間とします。

茶室は中村外二工務店が担当。上七軒という立地を生かし、舞妓・芸妓を招いたお茶屋文化を体験できる空間として計画されています。庭園は御庭植治が担当します。主屋と離れの間に池を設け、段落ちの滝から水を巡らせ、その上を廊下が横断する構成です。

建築、茶室、庭園を一体として整え、旧長谷川邸の歴史と現代の生活空間をつなぎます。

ARMANI/CASAは家具・インテリアを担当



正式名称には「Furnished by ARMANI/CASA」とありますが、ARMANI/CASAの担当は建物全体の設計ではなく、家具・アクセサリーを中心とした室内の設えです。

リビングは庭へ大きく開き、白やベージュを基調とした空間にARMANI/CASAの家具やファブリックを組み合わせます。世界に数点しかない希少な家具も導入する計画です。再生された京都の建築空間に、ARMANI/CASAのインテリアを重ねる構成となります。

約60億円 建物だけではない価値を世界市場へ



Forbes Global Propertiesは、専属販売を手掛けるTonTonによる販売価格を60億円、約3,800万ドルと報じています。

延床面積は約284㎡。価格には建物そのものだけでなく、上七軒という立地、築200年超の歴史、隈研吾のデザイン、金剛組の施工、中村外二の茶室、植治の庭、ARMANI/CASAの家具などが組み込まれています。

THE SILENCEでは、これらを一体化し、歴史や職人技を含めた高付加価値の不動産として世界市場に提示します。古い建物の維持に必要なコストと事業性を両立させる仕組みでもあります。

THE SILENCEは「TIMELESS」第一号案件



THE SILENCEは、フィードが展開する「THE TIMELESS CONDOMINIUM」の第一号案件です。フィードは着工と同じ2026年9月10日、この事業を推進する新会社「TIMELESS」の設立も発表しました。歴史的建造物や日本文化、職人技などを取り入れた邸宅を国内外へ展開する構想です。

上七軒から始まったこの手法が、今後どのような歴史的建築へ広がっていくのかが注目されます。




出典

・株式会社フィード「THE SILENCE – Furnished by ARMANI/CASA 地鎮祭を開催」(2026年9月10日)
・株式会社フィード「隈研吾氏、金剛組をはじめとする巨匠が手がける世界初の邸宅 詳細公開」(2026年4月23日)
・株式会社フィード「THE TIMELESS CONDOMINIUM プロジェクト始動」(2026年3月25日)
・株式会社フィード「TIMELESS設立」(2026年9月10日)
・金剛組公式サイト
・Forbes Global Properties「A Rare $38 Million Residence Steeped In Kyoto’s Teahouse Heritage」(2026年4月5日)

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