新関西国際空港株式会社は、2016年1月18日に発表したニュースリリースで、関西国際空港の2016年(歴年)の総旅客数、国際線旅客数、国際線外国人旅客数、総発着回数、国際線発着回数が暦年として過去最高を記録したと発表しました。
◆総旅客数、国際線旅客数、国際線外国人旅客数、暦年として過去最高を記録
国際線外国人旅客数は暦年として初めて 1,000 万人を上回り、総旅客数も同様に過去最高となる 2,321 万人を記録。また、国際線旅客数も過去最高の 1,625 万人となりました。そのうち国際線外国人旅客数は過去最高の1,001万人となり、開港以降初めて1,000万人を上回り、開港以降初めて日本人旅客数を上回りました。
・これまでの総旅客数 暦年最高は2000年の2,049 万人
・これまでの国際線旅客数 暦年最高は 2014 年の 1,305 万人
・これまでの外国人旅客数 暦年最高は 2014 年の 631 万人
◆総発着回数、国際線発着回数、暦年として過去最高を記録
関西国際空港では、中国等アジアを中心とした国際線で増便が相次ぎ、それに伴いインバウンド旅客の爆発的な増加が続いたことにより、総発着回数は、暦年として過去最高となる 163,506 回を記録、開港以降初めて 16 万回を上回りました。 国際線発着回数も暦年として過去最高となる 112,019 回を記録し、開港以降初めて 11 万回を上回り ました。
・これまでの総発着回数 暦年最高は 2014 年の 141,565 回
・これまでの国際線発着回数 暦年最高は 2014 年の 93,154 回
【出典元】
→新関西国際空港株式会社>関西国際空港・大阪国際空港 2015 年(平成 27 年)暦年運営概況(速報値)(PDF)

関西国際空港の飛躍的な航空旅客数の伸びの原動力は外国旅客数の爆発的な伸びです。外国人旅客数は暦年で初めて1000万人を突破、前年比 159%という驚異的な伸び率を記録しており、日本人国際線旅客数(前年比 94%)を一気に抜き去りました。上のグラフが現在の関西国際空港の利用実態を如実に示しています。一方国内線の利用状況は暦年696 万人 前年比 111% 、 4 年連続で前年を上回りましたが、国際線利用客数の実数(1625万人)、伸び率(前年比159%)から考えると物足りない状況です。外国人利用客でごった返している国際線出発ロビーやT2に比べると、T1の国内線出発ロビーは閑散としており、特に中央に位置するチェックインカウンタースペースが丸々空いているのが、他の混雑からすると異様に見えました。今後は、国際線外国人利用客の増加に対応しつつ、国内線利用客をいかに増やしてゆくか?が関空の課題になってきそうです。
今年は、関空・伊丹空港の運営権がオリックスとフランスのヴァンシ・エアポートが組む企業連合に移管される等、今までとは、さらに関空を取り巻く環境が変化して行きます。先ほどの国内線利用客の増加策に加え、手薄な欧米方面路線の充実も期待したい所ですし、第4ターミナルビルと2期空港島への連絡通路の建設なども具体化して欲しいです。
いずれにせよ、関西国際空港は低迷期を完全に脱却し、新たなステージに入った事は確実で、今後は諸問題に対処しつつ、年間利用客数3000万人を目指して成長を続ける事になりそうです。


