メルキュール ニセコ リゾート、2026年11月開業へ!旧ミッドタウンを再編、8,000万ドル売却後にAccorブランド導入



世界的ホテルグループのAccor(アコー)は、北海道倶知安町・東比羅夫に「メルキュール ニセコ リゾート(Mercure Niseko Resort)」を開業します。

既存の「ミッドタウン ニセコ」をリブランドするもので、2026年11月の開業を予定。アコーにとってニセコエリア初進出となります。

注目したいのは、単なる看板替えではない点です。ミッドタウン ニセコを保有・運営していた会社は2026年5月、総額8,000万米ドルで売却されました。その後、7月にメルキュールへの転換が公表され、8月にはアコーが運営契約を正式発表。今後は客室を拡張し、フルスケールのリゾートホテルへ発展させる計画です。

計画概要


項目 内容
名称 メルキュール ニセコ リゾート
英文名称 Mercure Niseko Resort
所在地 北海道虻田郡倶知安町ニセコひらふ4条1丁目3-3
エリア 東比羅夫
開業予定 2026年11月
ブランド Mercure(メルキュール)
カテゴリー 4つ星
運営 Accor
開発方式 「ミッドタウン ニセコ」のリブランド
開業方法 西棟の一部客室・主要施設から段階開業
将来計画 客室を拡張しフルスケールのリゾートホテル化
主な施設 レストラン&バー、フィットネスセンター
アクセス JR倶知安駅から車約10分
スキー場アクセス 冬季にヒラフ・花園方面への無料シャトルを運行予定

2019年竣工の「ミッドタウン ニセコ」を再編



出展:https://midtownniseko.com/


メルキュール ニセコ リゾートは、新築ではなく既存の「ミッドタウン ニセコ」を再編して誕生します。

三井住友建設によると、同ホテルはTriple8株式会社を発注者として2019年7月に竣工。鉄骨造・地上6階建て、延床面積は11,170㎡。築7年程度の比較的新しいホテルであり、今回のプロジェクトは老朽施設の再生というより、既存資産に国際ホテルブランドと新たな運営ノウハウを導入し、商品価値を引き上げるリポジショニング型の再編と位置付けられます。

アコーはまず西棟の一部客室と主要施設を開業。その後、客室を追加し、最終的に「フルスケールのリゾートホテル」へ拡張します。最終的な総客室数などは現時点で公表されていません。

19㎡から58㎡、最大5名まで対応



公式予約サイトでは、客室構成も公開されています。
客室タイプ 面積 最大定員
クラシックルーム/ツイン 19㎡ 4名
クラシックルーム/シングル+二段ベッド 19㎡ 4名
スタンダードルーム/ハリウッドツイン+ソファベッド 19㎡ 4名
クラシックルーム/ツイン+ソファベッド+簡易キッチン 39㎡ 5名
クラシックジュニアスイート/ツイン+ソファベッド+簡易キッチン 58㎡ 5名
19㎡のコンパクトな客室でも最大4名、39~58㎡の客室では最大5名まで対応します。二段ベッドやソファベッド、簡易キッチンを組み合わせ、ファミリーやグループでの長期滞在需要を意識した構成です。

高級ホテルや大型コンドミニアムが相次いで開発されるニセコで、メルキュールはそれらとは異なるミッドスケール市場を狙います。

羊蹄山や北海道の自然を館内デザインに反映



リブランドに伴い、館内デザインも刷新されます。

コンセプトには羊蹄山、ニセコの自然や風土、北海道の文化を採用。自然素材を感じさせる内装に、火山性の大地をイメージした色彩を組み合わせ、メルキュールが重視する「その土地とのつながり」を表現します。

館内にはレストラン&バー、フィットネスセンターを設置。冬季にはヒラフ、花園方面への無料シャトルを運行し、スキー需要に対応する一方、グリーンシーズンを含む通年型リゾートとして展開します。

直前には8,000万ドルで売却



今回のブランド転換を読み解く上で重要なのが、直前に行われた資本移動です。

ミッドタウン ニセコを保有・運営していたTriple8株式会社は、香港上場のPacific Century Premium Developments(PCPD)傘下にありました。

PCPDは2026年2月13日、Triple8の全発行済み株式などをシンガポール法人Ryugu Holdco Pte. Ltd.へ売却すると発表。買い手は、世界的な資産運用会社Oaktree Capital Managementが運用するファンドによって間接保有される会社で、取引総額は8,000万米ドルでした。

PCPDの2026年中間決算によると、売却は2026年5月31日に完了しています。

売却から約2カ月でAccor参画が表面化

一連の動きを時系列で並べると、今回の再編構造が見えてきます。
時期 動き
2019年7月 ミッドタウン ニセコ竣工
2026年2月13日 PCPDがTriple8売却契約を発表
2026年5月31日 総額8,000万ドルで売却完了
2026年7月13日 Mercureへのリブランドを発表
2026年8月7日 Accorが運営契約締結を正式発表
2026年11月 メルキュール ニセコ リゾート開業予定
将来 客室を拡張しフルスケールリゾート化
ホテル側がMercureへの転換を発表したのは7月13日。売却完了から約1カ月半後で、アコーの正式発表は約2カ月後でした。

契約交渉の開始時期は公表されておらず、資本移動とブランド転換の因果関係を断定することはできません。ただ、既存ホテルを取得し、国際ブランドを導入して資産価値を高める流れとして見ると、今回の動きは分かりやすい案件です。

ニセコで進む「国際資本×グローバルブランド」


フェアモント ニセコ

ニセコでは近年、高級ホテルやブランデッドレジデンスへの大型投資が続いています。ただ、今回の案件はそれらとは少し性格が異なります。新築の超高級ホテルではなく、既存のミッドスケールホテルを国際資本が取得し、世界的ホテルチェーンのブランドと運営力を導入する案件だからです。

Accorは2026年7月、ニセコで「フェアモント ニセコ」を開業する計画も発表しています。こちらは165室規模のラグジュアリーリゾートで、2028年初頭の開業を予定しています。Accorは今後、ラグジュアリーのFairmontと、ミッドスケールのMercureという異なる価格帯のブランドをニセコで展開することになります。

「ニセコ=超富裕層向け」という市場イメージが強まる一方、その裾野にはファミリー、グループ、アクティブトラベラーなど幅広い需要があります。メルキュール ニセコ リゾートは、ニセコの国際ブランド化が高級ホテルだけでなく、ミッドスケール市場にも広がっていることを示す案件と言えそうです。

まとめ



メルキュール ニセコ リゾートは2026年11月、北海道倶知安町・東比羅夫に開業する予定です。2019年竣工の「ミッドタウン ニセコ」をリブランドし、西棟の一部から段階的に開業。その後は客室を拡張し、フルスケールのリゾートホテルへ発展させます。

その直前にはホテル保有会社が8,000万米ドルで売却され、Oaktree Capital Managementが運用するファンド側へ資本が移りました。

既存ホテルの売却 → 国際資本への移行 → Accorブランド導入 → リゾート化

この一連の動きは、世界的観光地となったニセコで、ホテル市場の再編が新築の高級ホテルだけでなく、既存のミッドスケール領域にも広がり始めたことを象徴しています。




出典・参考資料

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