大阪湾岸道路(阪神高速湾岸線)西伸部、国が事業化へ!六甲アイランド〜ポートアイランド間は2連続長大吊り橋で接続!

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道路関係久々のビッグニュースです!報道各社が伝える所によると、計画中の大阪湾岸道路(阪神高速湾岸線)西伸部のうち、六甲アイランド北〜駒栄の14・5kmについて、2016年度の事業化が確実な見通しとなったそうです。総事業費は約5千億円と試算されるビッグプロジェクトで、兵庫県内のインフラ整備としては最大級と位置づけられています。大阪湾岸道路(阪神高速湾岸線)西伸部については、2009年3月に六甲アイランド-駒ケ林南(神戸市長田区)が都市計画決定されましたが、事業費が巨額になることなどが影響し、事業化が遅れていました


大阪湾岸道路は、神戸淡路鳴門自動車道垂水ジャンクション(JCT、神戸市垂水区)と関西国際空港近くのりんくうJCT(大阪府泉佐野市)を結ぶ、総延長約80kmの自動車専用道路で、1994年にりんくうJCT 〜六甲アイランド北ランプ(神戸市東灘区)までが開通した。しかし、そのご22年間にもわたり延伸工事が行われる事はなく、同ランプから名谷JCT(同市垂水区)までの西伸部約21キロが未整備のままとなっています。



・兵庫県>第4章 都市計画対象道路事業の目的及び内容 (PDF)
・日本経済新聞>神戸市内の大阪湾岸道路西伸部、国が16年度事業化を検討  
・神戸新聞>阪高西伸部、国が事業化へ 六アイ-長田間 
・産経新聞>〝渋滞日本一〟解消へ! 阪高湾岸線の西部延伸が現実味









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兵庫県の公式HPからお借りした計画図です。湾岸線の西側延伸部は六甲アイランド北を起点に六甲アイランドの北端部を西へと向かいます。六甲アイランド〜ポートアイランド、ポートアイランド〜和田岬間は海の上に長大橋を構築しする事になります。和田岬から先は海岸線に添って西に進み、南駒栄JCT(仮称)を経由して、すでに開通済みの31号神戸山手線に接続されます。神戸都心部の渋滞緩和を再優先に、早期のバイパスルートの確保を目論んだ計画となっています。




 







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それでは現地の様子を見てゆきましょう!今回はあまりの嬉しさに嫁さんに協力を仰ぎ、助手席から港側を撮影して見ました。まずは湾岸線の現在の終点である、六甲アイランド北インターの様子です。関西国際空港の開港時期にここまで開通しましたが、完成当時は、まさか20年以上もこの中途半端な終点のまま放置されるとは夢にも思いませんでした。












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湾岸線からハーバーウェイに入りました。湾岸線延伸部は、六甲アイランドの北端部で西に向かって方向を変えます。











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湾岸線の延伸部の最大のハイライトは、六甲アイランド〜ポートアイランド間。2つの人工島は約3kmの距離がありますが、この間に2つの連続した吊り橋を構築して一気に渡る事になります。また、
ポートアイランドと和田岬間にも巨大な吊り橋が設けられます。











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六甲アイランド〜ホートアイランド間の様子です。延伸部の開通時にはこの辺りに2連続の長大吊り橋が姿を現す事になります。














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ただ、懸念材料もあります。阪神高速湾岸が延伸され、港に巨大な吊り橋が架けられると、年々巨大化が進むクルーズ客船の航路を阻む可能性があるからです。この写真は
神戸港に入港したボイジャー・オブ・ザ・シーズ(Voyager of the Seasですが、総トン数は137,276トン、全長311.1m、幅48m、高さは63mもあります。

国内の有名な港湾内の橋を例に上げると、
横浜ベイブリッジ桁下高 は55m、レインボーブリッジ 桁下52m、東京ゲートブリッジ 桁下54.6m、大阪の港大橋は桁下50m強で、いずれも
ボイジャー・オブ・ザ・シーズ(63m)は通過する事ができません。
















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阪神高速湾岸線の延伸部の橋梁の桁下の高さはどの程度になるのでしょうか?計画断面図を拡大して推測してみました。図の右端に高さ表記があり、図面上の橋梁の黒の線が桁下と仮定した場合、目測で75m位はありそうです。現在世界最大級の巨大客船はオアシス・オブ・ザ・シーズは総トン数225,282トン、全長361.0m、幅64.9m高さ72.0mなので、この延伸部分の巨大橋梁なら通過する事が可能です。さらに注目は主塔の高さ。こちらはもしかすると200mを超える高さがあるのではないでしょうか・・・。

















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撮影していると、ちょうと大型客船、セブン・シーズ・ボイジャー (42,363トン)が神戸港を出港して行く所でした。神戸港の外国客船の入港数は2年連続で記録を塗り替えており、今年も6月末までに計20隻が入港する予定となっています。











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少し話題がそれましたが、湾岸線の延伸予定地めぐりに戻ります。こちらはポートアイランドの西側の様子です。写真の敷地が湾岸線延伸部分の建設用地です。
















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南側を見通した様子です。湾岸線延伸部分は殆ど全ての用地が確保、又は水上に建設される為、用地買収による苦労は少なそうです。


















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こちらはポートアイランドと和田岬間の様子です。この区間は約1.8kmの距離があります。
















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ポートアイランド〜和田岬間の防波堤の様子です。ちょうどこの辺りに阪神高速湾岸線の延伸部分が建設されます。航路を確保する為に、桁下高さ75m程度(管理人の推測)の巨大橋梁が設けられます。












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阪神高速3号神戸線の神戸都心部は1日8時間以上の渋滞が常態化しいます。
国土交通省によると、神戸市を起点に東西を往来する車両は1日約44万台、同市を東西に通過する車両は約12万台で、六甲アイランド北より西では道路の処理能力が交通量に対して圧倒的に不足している状態だそうです。特に神戸線上りの月見山(須磨区)付近から深江(東灘区)にかけての約18km間の渋滞はデータ上も「日本一」と証明されており、1km当たりの渋滞時間に経済価値を掛け合わせた24年度の渋滞損失額は1・23億円で、東京都の首都高速都心環状線・渋谷線などを上回っているそうです。

今回発表された、阪神高速湾岸線の延伸計画は、日本一渋滞が酷い都市高速「3号神戸線」の渋滞解消に絶大な効果をもたらすだけでなく、神戸市全体に大きな経済効果をもたらす事になりそうです。