JR西日本、JR東海、JR九州は、JR西日本の「モバイルICOCA」の仕組みを活用し、TOICA・SUGOCAエリアでのモバイルICサービス提供を発表しました。これにより、TOICAエリアは2026年春以降、SUGOCAエリアは2027年春以降にモバイル定期券が導入され、スマートフォンでの定期券購入・利用が可能になります。駅窓口や券売機に並ぶ必要がなくなり、利便性が大幅に向上する見込みです。
なぜモバイルICを導入するのか?
モバイルICの導入には、利用者の利便性向上、業務効率化、ICカードの普及促進といった狙いがあります。
① 利用者の利便性向上

モバイルICの導入により、定期券の購入や更新がスマートフォンで完結できるようになります。これまで駅の窓口や券売機で手続きを行う必要がありましたが、オンライン化されることで、いつでもどこでも定期券の購入や更新が可能になります。特に、朝の通勤・通学時間帯に窓口へ並ぶ必要がなくなり、スムーズに移動できる点が大きなメリットです。
また、モバイルICは交通機関の利用だけでなく、電子マネー機能を活用したキャッシュレス決済にも対応しています。駅ナカの店舗やコンビニなどでの支払いがスマートフォン一つで完結するため、より便利に利用できるようになります。
さらに、2027年春以降は、ICエリア外を含む定期券もモバイルICで利用できるようになる予定です。これまで磁気定期券が必要だった区間でも、スマートフォンでの利用が可能になり、定期券の発行・管理の手間が軽減されます。これにより、ICエリアの拡大とともに、より多くの利用者がモバイルICのメリットを享受できるようになります。
② 鉄道会社の業務効率化
モバイルICの導入により、物理カードの発行・管理コストを削減できます。ICカードや磁気定期券の発行にはコストがかかるため、モバイル化によりコストを削減し、駅員の業務負担も軽減されます。また、窓口の混雑緩和にもつながり、よりスムーズな鉄道運営が可能となります。
③ ICカードの普及促進とエリア拡大

今回のモバイルICサービス拡大により、TOICA・SUGOCAエリアでもスマートフォンでの定期券利用が可能になります。特に、新幹線定期券「FREX(通勤用)」「FREXパル(通学用)」が2026年春以降にモバイル対応することで、新幹線を利用するビジネスパーソンや学生の利便性も向上します。さらに、ICエリア外の定期券が2027年春からモバイル対応することで、幅広い利用者がモバイルICの恩恵を受けられるようになります。
■モバイルIC導入による変化
項目 | 導入前(従来の定期券) | 導入後(モバイルIC) |
---|---|---|
定期券購入・更新 | 駅窓口・券売機で購入 | スマホでオンライン購入・更新 |
支払い方法 | 現金・クレジットカード | クレジットカード・スマホ決済 |
定期券の管理 | 紛失時の再発行手続きが必要 | スマホ内で管理、機種変更時も対応 |
チャージ・決済 | 事前にチャージが必要 | オートチャージ対応(クレカ紐付け可) |
駅員の負担 | 定期券販売・対応業務が多い | 販売・更新がオンライン化され負担軽減 |
■モバイルICサービスの導入スケジュール
サービス内容 | 開始時期 | 対象エリア・区間 |
---|---|---|
TOICAエリアのモバイルICサービス開始 | 2026年春以降 | JR東海エリアの定期券がモバイル対応 |
SUGOCAエリアのモバイルICサービス開始 | 2027年春以降 | JR九州エリアの定期券がモバイル対応、JR九州Web会員サービスも利用可能 |
中学生・高校生用通学定期券のモバイル対応 | 2025年3月15日 | ICOCAエリア(TOICA・SUGOCAエリアも開始時対応予定) |
新幹線定期券「FREX」「FREXパル」のモバイル対応 | 2026年春以降 | 東海道・山陽新幹線、北陸新幹線(上越妙高~敦賀間) |
ICエリア外を含む定期券のモバイル対応 | 2027年春以降 | 在来線の一部区間(詳細検討中) |
モバイルICの今後に期待

今回の発表により、TOICA・SUGOCAエリアでもスマートフォンでの定期券利用が可能となり、通勤・通学の利便性が大幅に向上します。特に、新幹線定期券やICエリア外の定期券対応が進むことで、ますます多くの利用者がモバイルICのメリットを享受できるようになるでしょう。今後のさらなるサービス拡大にも注目です。
この3社内での往来もキロ数関係なく自由に使えたら本当に良いのですが。
JR四国も参加して欲しいですね。
最近は交通系ICカードはもちろんのこと、クレカやQRコード決済がじわじわと普及しつつありますね。
券売機で紙の乗車券を購入する機会もめっきりと減りました(^^)