大阪ガスは2023年11月10日に、大阪市此花区の酉島地区にて「新研究開発拠点」の起工式を執り行いました!
新研究開発拠点は、大阪市此花区の酉島地区の約207,000m2のエリアに展開する大阪ガスの既存研究施設「Carbon Neutral Research Hub」に新設し、S造、地上4階建て、建築面積:約8,910㎡、延床面積:約17,030㎡の施設を整備。既存の研究開発部門を移転・集約した、同社最大の開発施設となります。設計は安井建築設計事務所、施工は大林組が担当。2023年11月着工、2025年7月末に竣工する予定です。
新研究棟と屋外フィールドを配置、新研究棟には、社外との交流を深められる共創・展示エリアを設け、屋外フィールドにはカーボンニュートラル技術の試験設備を設置し、SOECメタネーションの試験も予定しています。
【出典元】
→新研究開発拠点の起工式を行いました (osakagas.co.jp)
SOECメタネーションとは?
SOECメタネーションはCO2と水素から都市ガスの原料となる合成メタンをつくる高効率の先端技術。再生可能エネルギー等により水やCO2をSOEC電解装置によって電気分解し、水素や一酸化炭素を生成。それらから触媒反応によってメタンを合成します。
技術の特徴として、原料として水素を調達する必要がなく、高温(約700~800℃)で電気分解することにより、必要な再エネ電力等を削減できるとともに、メタン合成装置で発生した熱を有効利用することで、変換効率が85~90%という世界最高レベルのエネルギー変換効率を実現できる可能性があり、再エネ電力等が大きな割合を占める合成メタン製造コストの大幅な低減が期待できます。またメタン化反応の部分については、同社が過去に石炭や石油から都市ガスを製造していた時代から培ってきた触媒技術を活かすことができます。
「SOECメタネーション技術革新事業」の事業スケジュール
2025年度から約200戸相当の合成メタンを製造できるプラントで実証実験し、2028年度からは約1万戸相当にプラントを拡張する予定です。大阪ガスは万博会場で、生ごみなどから出るCO2を用いたメタネーションで製造した都市ガスを利用する実証実験を計画しており、大阪・関西万博と連動した、SOECプラントの見学ルートの提案も検討しています。