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嵯峨野観光鉄道、新型トロッコ列車のデザインを発表!黒を基調としたガラス張りの新車両、2027年春デビューへ


嵯峨野観光鉄道は、2025年10月22日、2027年春に導入予定の新型トロッコ列車のデザインを発表しました。1991年の営業開始から30年以上にわたり、保津川渓谷の雄大な自然を背景に運行してきたトロッコ列車が、デザイン・構造・安全性のすべてを刷新します。新型列車は牽引車1両+客車4両の5両編成で、デザイン監修はGKデザイン総研広島が担当しました。


自然と調和する黒の外観と、開放的なガラス張り構造


新型トロッコ列車のデザインコンセプトは、「保津峡の渓谷美」「旧山陰線のノスタルジックな汽車旅」「嵯峨野・嵐山の洗練された“ひなび”の風情」を融合したものです。外観は黒を基調に落ち着いた印象で、自然の中に溶け込むよう設計されています。天井や側面を大面積のガラス張りとしたことで開放感が増し、保津峡の景観をより立体的に楽しめる構造になりました。

車内の一般席(1〜4号車)は、柱や窓枠を黒で仕上げ、車窓が“額縁”のように風景を引き立てる設計です。さらに4号車の一部には特別室を設け、縁台型の座席でグループでも利用できる空間としています。


快適性と安全性を両立 4か国語対応や乗務員支援システムも


従来車両と比べて、乗り心地の向上・座席間隔や通路幅の拡大など快適性が高められました。また、4か国語対応(日本語・英語・中国語・韓国語)の車内表示器を設置し、外国人観光客にも対応します。安全面では、車両衝突時の構造強化や、モニタ装置による乗務員支援システムを導入。客車は「既存の貨車を活用し、新たに製造」されたもので、環境への配慮も盛り込まれています。現行編成(DE10形ディーゼル機関車+改造貨車)は2026年に引退し、新型列車にバトンタッチします。


 牽引用機関車はハイブリッド方式に刷新 JR西日本が新型車導入


親会社のJR西日本は同日、ハイブリッド方式の新型事業用車およびバラスト散布車の導入を発表しました。これは、国鉄時代の車両更新にあわせて環境負荷の低減と安全性の向上を目指すもので、8両(1両×8編成)が投入されます。このうち一部が嵯峨野観光鉄道の牽引用予備機として使用される予定で、グループとしてのシナジーを図ります。ハイブリッド方式の事業用車はJR西日本として初の導入となります。


保津峡の「風景を走る美術館」へ


新型トロッコ列車とハイブリッド機関車の導入は、JR西日本グループが掲げる「安全・安心で、人と地球にやさしい交通」という長期ビジョンを体現する取り組みです。嵯峨野観光鉄道は「これまで以上に多くのお客様に、保津峡の自然を五感で体感していただける列車を目指します」とコメントしています。





出典:
・嵯峨野観光鉄道株式会社「新たなトロッコ列車の車両デザイン等の決定について」(2025年10月22日)
・西日本旅客鉄道株式会社「新型事業用車およびバラスト散布車の導入について」(2025年10月22日)

2 COMMENTS

三刀流

機関車がハイブリッドになるようですね。
以前乗ったとき、客車に窓がないので、ディーゼルエンジンの排気ガスの臭いとエンジン音が気になりました。
ハイブリッドエンジンで少しは改善されるのでしょうが、黒部トロッコのような電気機関車が望ましいです。
架線がないので無理ですが、蓄電池方式による電気機関車にならないのでしょうか?

アリー my dear

牽引する機関車が、イメージ的にJR九州の『ななつ星』みたいな感じもしますね。あちらはディーゼル機関車ですが(⁠•⁠‿⁠•⁠)

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