JR西日本は2025年10月30日、山陽本線の山口エリアに約45年ぶりとなる新型車両を導入すると発表しました。新車両は岡山エリアなどで運用中の227系近郊形直流電車をベースとしたもので、2026年度以降、既存車両と順次入れ替える形で導入されます。
今回の新型車両は、JR西日本グループ中期経営計画2025で掲げる「生産性向上と持続可能な鉄道運行の実現」を背景に開発されたもので、安全性・快適性・省エネ性能の一層の向上を目的としています。
「維新の陽光」をテーマにした黒×金のデザイン

デザイン監修はGKデザイン総研広島が担当。「維新の陽光(いしんのようこう)」をコンセプトに、夜明け前の漆黒と差し込む金色の光によって、明治維新を象徴する山口の“変革のDNA”を表現。秋芳洞や錦帯橋のライトアップ、周南コンビナートの夜景など、沿線の幻想的な光をイメージし、「SLやまぐち号」にも通じる重厚な品格を備えています。
車両愛称名は「Kizashi(きざし)」。古語で「山口」が「物事の始まり」「前兆」を意味することにちなみ、「この新車導入が地域変革の“きざし”となるように」という想いが込められています。シンボルロゴは、維新のエネルギーが放たれる閃光をモチーフにしています。
安全・快適・利便性を一新 山口エリア初の装備も多数

新車両では、安全性・快適性・利便性の3分野で機能を大幅に刷新します。
【安全性】
衝撃吸収構造、車両異常挙動検知装置、先頭車間転落防止ホロ、戸挟み検知装置、運転士異常時列車停止装置(EB-N)、防犯カメラなどを標準装備。吊手や手すりは緊急時に掴まりやすいオレンジ色で統一。これらのうち複数は山口エリア初導入。
【快適性】
バリアフリートイレや車いす・ベビーカー対応スペース、LED照明、自動温度調整による空調と自動換気機能を備え、誰もが利用しやすい快適な車内空間を実現。
【利便性】
出入り口付近のスペースを拡大し、車内ドア上部に2か国語(日本語・英語)での行き先案内を表示する情報モニターを新設。観光利用やインバウンド需要にも対応する構造。
導入規模は計24両 地域の需要に応じた柔軟運用へ

広島地区に投入されたRed Wing(レッド ウィング)
導入されるのは、2両編成3本・3両編成6本の計24両。短編成構成により、通勤・通学から観光まで、需要に応じた柔軟なダイヤ運用が可能になります。山口エリアでは輸送密度や利用目的が時間帯や季節で大きく変化するため、機動的な運用に適した構成といえます。
地域ブランドの新たな象徴へ
JR西日本が岡山・広島・和歌山などで展開してきた「地域文脈を持つデザイン車両シリーズ」の流れを継承し、山口でも“誇れる移動空間”を創出。日常利用から観光、そして地域ブランド発信までを担う、山口エリアの新しい象徴的車両として注目されます。
※出典:JR西日本「山陽本線(山口エリア)への新しい車両の導入について」(2025年10月30日発表)


広島・岡山に続いて山口エリアにも227系ですか、この色は渋くてかっこいいですね。