仙台市交通局2000系電車は、仙台市地下鉄 東西線用の通勤形電車で、16m級片側3扉車の4両編成の鉄輪式リニアモーター車両です。最高運転速度は70km/h、起動加速度は3.5km/h/s。東西線はトンネルの断面積が仙台市地下鉄 南北線と比べて2/3程度と小さく、小曲線半径や急勾配の区間を擁する「ミニ地下鉄」規格の路線である為、鉄輪式リニアモーターの駆動方式が採用されました。また、運転方式はATO(自動列車運転装置)によるワンマンでの自動運転で、車両のドアとホームに設置されたホームドアの両方の開閉制御が行われています。
<車両デザイン>
車両デザインのコンセプトは「自然との調和し伊達の歴史を未来へつなぐデザイン」。先頭車の前面は、伊達政宗の兜の前立てをイメージした三日月のラインを鏡面仕上げとして配置しており、それを境に上部を平面、下部を曲面とすることにより、前面の表情に変化を与えています。
側面上部は、空・川・海を表す青色のヘアラインを、側面中部の窓と扉の間は、仙台市をながれる広瀬川の水を表す「青」、杜の都の「緑」、街のにぎわいや人のあたたかさを表す「黄色」と「オレンジ」をドット状にランダムな順序で配置。このうち、片側の「黄色」と「オレンジ」の数は東西線の駅の数と同じ13個となっており、駅の数だけにぎわいがあることを表しているそうです。また、先に開業した南北線1000系電車の特徴的な「側面扉の楕円形の窓」は2000系電車にも継承されています。
車体は耐食アルミニウム合金製のダブルスキン構造で、車体の表面をアルミ合金の地肌色を生かした無塗装ヘアライン仕上げとし、シールによりカラーリングすることで維持管理での塗装工程を無くし環境負荷の低減が図られました。車両の断面積は南北線の1000系と比べて3割程度小さくなっているが、車内空間は2割程度の縮小にとどめており、快適性が確保されています。
<車内設備>
ミニ地下鉄規格の為、南北線と比較して車両が小さくなることに配慮し、中吊り広告スペースは無く、車内空間の確保を目的に荷棚を従来より腰掛中央の2席分の上部のみに削減されました。また、窓を固定式にすることで壁を薄くするなどの工夫により、客室内は南北線車両に対して2割ほどの縮小に抑えられています。

座席はカンチレバーの片持ち式で、ドア間の6人掛、車端部の4人掛となっています。

座席と側面窓の様子です。側面窓は固定式でロールカーテンも省略されています。シート間には2本のスタンションポールが設置されています。また、窓がすべて固定式のため強制換気装置が設置されています。
縦アングルで見たシートの様子です。座席モケットは一般席を伊達家の軍旗の色であった青系を基調とし、優先席は赤紫で、七夕飾りの吹き流しをイメージしたアクセントカラーが配置されています。
袖仕切りの様子です。安っぽいFRP丸出しの袖仕切りではなく、凝った模様が入った質感の高い袖仕切りです。半月形の形状からは伊達のアイコンを見て取る事が出来ます。

2人分の幅の小型の荷物棚は、車内空間を広く見せる為の割り切りと工夫です。
乗降ドアーの様子です。南北線1000系電車の特徴的な「側面扉の楕円形の窓」は2000系電車にも継承されています。

各乗降口の上部には、扉開閉ランプとチャイムの他に、17インチワイドの液晶式案内表示器を設置して、行先と次駅の案内を日・英・韓・中の4ヶ国語で表示するとともに、ピクトグラムによりエレベータやエスカレータなどの駅の設備の位置がアニメーション表示されます。
連結面付近の様子です。客室化粧板は、車端面と乗務員室の仕切り面はブラウン系、車内側面は膨張色である白系とすることで空間を広く見せる工夫が施されています。
連結面のドアーの様子です。ガラス面積が大きく開放感があります。またドアー上部にはスポットライトがさり気なく設置されており、ホテルの様な雰囲気が演出されていました。















