大阪環状線に3ドアの新型車両「323系」を168両投入、国鉄時代の車両すべてを置き換え!

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JR西日本は、昨年度『大阪環状線改造プロジェクト』を立ち上げ、大阪環状線のイメージアップとお客様満足度向上を図るため「安全快適な駅づくり(駅美装・改良)」「駅構内および高架下の開発・リニューアル」「車両新製」「地域や他交通事業者との連携」の4つの重点施策を掲げ、さまざまな施策を展開しています。


『大阪環状線改造プロジェクト』の中でも「車両新製」が注目を集めてきましたが、ついに安全性とサービス水準を高めた次期大阪環状線車両323系の概要が決まり、JR西日本のニュースリリースで発表されました!323系は、先に広島向けに投入された227系をベースにした次世代通勤電車です。




2016年度から2018年度に323系を順次投入し、国鉄時代に製造された大阪環状線内の103系・201系通勤形電車をすべて置き換える計画です。




【出典元】
JR西日本>
大阪環状線に新型車両「323系」を投入!安全性とサービス水準を高めた新しい車両が登場します


1 開発コンセプト
 323系の開発にあたっては、輸送品質の確保と先進的なサービスによる快適性の向上、大阪環状線のイメージアップを図るため、以下の4点をコンセプトとして定めています。

「安全・安心の向上」
「機器の信頼性向上(安定輸送)」
「情報提供の充実」
「人に優しい快適な車内空間」

2 車両仕様
(1)基本仕様
○最高運転速度 時速100キロメートル
○車体構体 ステンレス製車体
○扉数 3枚扉
○腰掛配置 ロングシート

3 車両デザイン
・大阪環状線の電車として長年親しまれてきたオレンジ色を基調とした先進的な外観
・『大阪環状線改造プロジェクト』のロゴマークを先頭部および側面にデザイン
・ドアの位置や動作状況をわかりやすくするために、ドア上へ『大阪環状線改造プロジェクト』のロゴマークにちなんだ表記とドア先へ黄色のラインを配置

4 投入線区
 大阪環状線・JRゆめ咲線

5 投入車両数
 168両(8両編成を21本)

6 投入時期
2016年度から2018年度













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323系は、3枚扉のロングシートを採用、運転士が意識を失うなどの事態が発生した場合に自動的に列車を停止させる「EB―N形装置」いわゆるデッドマンを採用する他、戸挟み安全対策として、さまれたものを引き抜こうとしたときに戸先ゴム内の圧力変動を検地し、音声警報や表示灯で車掌・運転士が戸挟み状態を認識させる装置、機器の信頼性向上をはかるため、電子機器や保安装置など主要な機器を二重系化、いわゆる冗長化が図れており、1つが故障しても運転が継続出来る様になっています。


外観デザインは長年にわたり大阪環状線のシンボルカラーとして親しまれてきたオレンジ色を基調とした斬新なカラーリングとなっており、安全面を重視しドア先や上部に黄色のラインを配置。車内は、座席の袖仕切りを大型化、客室灯具のLED化、混雑車両の出入り口スペースの拡大や各車両に車いす、ベビーカースペースが設けられます。


また、車内の情報案内が強化され、全てのドア上部と妻面上部にそれぞれ2面づつ、1両あたり合計16枚の案内ディスプレイが設置されのます。訪日外国人への案内を強化する為、4か国語(日・英・中・韓)による表示や自動放送装置を搭載、日・英の2か国語で案内を行います。また、当面は海外渡航者向けですが、無料公衆無線LANサービスが提供されます。






ついに明らかになった環状線向け新型車両323系。JR西日本は、奈良や関空/和歌山方面から環状線に頻繁に乗り入れてくる3ドア近郊形に合わせた、3ドア・ロングシート車を新製投入する決断を下しました。これにより、国土交通省からプレッシャーを与えられてる、利用客数の多い駅へのホームドアの設置が進む事が期待されます。

また、323系の車体をベースに転換クロスシートの車やローカル線向けなど、様々な用途の車両を作ることが出来る為、製造・管理コストの削減が図れそうです。

さらに323系の環状線投入により、老朽化が著しい103系が廃車される事は確実ですが、大規模なリニューアルがほどこされた201系は、大和路線・奈良線や阪和線に残る103系を置き換える玉突き配置が行われる事になりそうで、こちらの動向にも注目が集まりそうです。