
大阪府は2026年8月28日、枚方市と高槻市を淀川越しに結ぶ都市計画道路「牧野高槻線」について、橋梁予備修正等設計業務を公告しました。
対象は淀川渡河部の約850m・1橋。河川管理用通路約50mの道路予備設計も行い、履行期限は2027年8月31日です。
今回のニュースは、新橋計画が新たに決まったことではありません。過去にまとめた橋梁の予備設計を、最新条件に合わせて見直す段階に入ったことがポイントです。
今回の公告
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務名 | 牧野高槻線 橋梁予備修正等設計 |
| 対象 | 橋梁約850m・1橋 |
| 付帯業務 | 河川管理用通路約50mの道路予備設計 |
| 履行期限 | 2027年8月31日 |
| 今回の位置付け | 既存の橋梁予備設計を最新条件に合わせて再検討 |
| 注意点 | 橋梁本体工事の発注ではない |
「予備修正設計」とは何か
橋梁の予備設計は、橋梁形式、橋脚の位置、径間、基礎形式など、橋の基本的な諸元を比較・決定する工程です。「予備修正設計」は、その既存案をベースに、河川協議、地質、道路線形、施工条件などを反映して再検討するものです。計画をゼロからやり直すわけではありませんが、単なる図面修正でもありません。
今回、具体的に何を修正するのかは公告資料から確認できません。河川管理用通路の設計も含まれるため、淀川の河川管理条件や関係機関との協議内容が影響している可能性はありますが、現段階で断定はできません。
橋梁本体の着工は確認できず
牧野高槻線では、測量、地質調査、道路設計、用地取得などが進められています。一方、2026年8月時点の公表資料や発注情報を確認した範囲では、淀川橋梁本体の着工は確認できません。過去には「2024年度着工、2029年度完成見込み」と報じられていましたが、少なくとも着工時期は当初想定から後ろにずれています。
| 時点 | 工程・状況 |
|---|---|
| 過去の想定 | 2024年度着工、2029年度完成見込み |
| 2026年8月 | 橋梁本体工事の着工を確認できず |
| 今回 | 約850mの予備修正設計を公告 |
| 2027年8月 | 予備修正設計の履行期限 |
| 2029年度末 | 現在公表されている事業予定期間の最終年度 |
当ブログ予想:2029年度完成は難しく、数年の遅れも

ここからは当ブログの予想ですが、現在の進捗を見る限り、2029年度中の完成は難しい状況にあると考えています。
2029年度末は2030年3月です。予備修正設計の履行期限から残される期間は約2年半。その間に設計や河川協議、工事発注を進め、橋脚・基礎を造る下部工、橋桁を架ける上部工、取付道路、舗装、設備工事まで完了させる必要があります。
設計と施工の並行実施や分割発注によって工程を短縮する余地はあります。ただ、約850mに及ぶ淀川橋梁の本体工事が確認できず、2027年8月まで予備設計の修正が続くことを踏まえると、従来のスケジュールから数年規模で後ろ倒しになる可能性も十分にあります。
今後、大阪府や沿線自治体が事業期間や供用時期を見直すかが注目されます。
牧野高槻線の計画概要

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区間 | 枚方市渚内野4丁目~高槻市前島2丁目 |
| 延長 | 約1.5km |
| 車線数 | 4車線 |
| 標準幅員 | 約26.3m |
| 事業主体 | 大阪府 |
| 事業予定期間 | 2020~2029年度 |
| 関連事業を含む事業費 | 約253億円※ |
| 将来交通量 | 約2万9,600台/日※ |
※将来交通量は2019年度評価における2030年時点の推計値です。
牧野高槻線は、淀川で分断されている枚方北部と高槻東部を4車線道路で結ぶ計画です。
枚方側では、接続する京都守口線約1.5kmを2車線から4車線へ拡幅。高槻側では十三高槻線につながり、次の新たな東西道路軸を形成します。
京都守口線 → 牧野高槻線 → 淀川新橋 → 十三高槻線
枚方大橋―御幸橋間「約12kmの空白」を埋める

現在、一般道では枚方大橋から上流の御幸橋まで約12km離れており、渡河交通が限られた橋に集中しています。
| 現在の課題 | 整備による効果 |
|---|---|
| 枚方大橋への交通集中 | 渡河交通を分散 |
| 枚方―高槻間で大きく迂回 | 新たな直結ルートを形成 |
| 淀川で幹線道路網が分断 | 北河内と北大阪を東西に接続 |
| 災害時の代替路が少ない | 道路ネットワークの冗長性を向上 |
| 地域間移動に時間を要する | 通勤、物流、地域交流を改善 |
完成すれば、枚方大橋への交通集中を緩和するとともに、北河内と北大阪を結ぶ通勤・物流・防災ネットワークの選択肢が増えます。
一方、今回の公告が示しているのは「着工目前」という状況ではなく、実際の建設へ進む前に、橋梁計画を改めて整理している段階です。事業の必要性は高いものの、従来想定された2029年度までの工程を維持できるかは、慎重に見ておく必要があります。
出典
- 大阪府「都市計画道路牧野高槻線・都市計画道路京都守口線」
- 大阪府「主要な道路・街路整備事業の紹介」
- 大阪府「令和元年度 建設事業評価」
- 枚方市「府道整備に関する府市連携事業について」
- 高槻市「令和8年度施政方針大綱」
- 大阪府「主要地方道 枚方高槻線(都市計画道路 牧野高槻線)橋梁予備修正等設計委託」入札公告
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