阪急長岡天神駅西口を大改造!住宅約230戸+商業・ホテル・駅前広場を一体整備、再開発は「タワー型」「板状型」の比較検討へ

出展:長岡市 

阪急京都線・長岡天神駅西口で、駅前の都市構造を大きく組み替える市街地再開発が具体化しています。

計画は、約230戸の分譲住宅を核に、商業施設、ホテル、オフィス、約2,500㎡の交通広場、約2,200㎡の「憩い・にぎわい広場」、道路を一体整備するものです。

長岡天神駅西地区再開発準備組合は2026年8月20日の理事会で、南側街区の分譲住宅について、従来の「タワー型」に加え、新たに「板状型」の施設計画案を作成し、両案を模型で比較しました。

背景にあるのは事業性の再検証です。施設需要調査では、タワー型は板状型より販売価格が伸びやすい一方、工事費も高くなると評価されました。住宅販売、建設費、景観、周辺環境を総合的に比較しながら、事業成立に適した建物形状を探っており、2026年10月中旬から11月末には、地権者との個別面談が予定されています。

総延床約5万㎡、長岡天神駅西口を一体再編


出展:長岡市 

ベースとなる「西地区整備計画」では、長岡天神駅西側を北側・南側の2街区に再編します。
項目 計画内容
北側敷地 約3,200㎡
南側敷地 約6,100㎡
北側延床面積 約14,400㎡
南側延床面積 約36,000㎡
総延床面積 約50,400㎡
分譲住宅 約230戸
賃貸住宅 北側約50戸、南側約10戸
ホテル 約120室を想定
オフィス 約1,500㎡を想定
商業・サービス 南北両街区に配置
交通広場 約2,500㎡
憩い・にぎわい広場 約2,200㎡
芝生広場 約500㎡
南側は分譲住宅と商業・生活サービス機能、北側は商業、ホテル、オフィス、賃貸住宅などを組み合わせる想定です。特徴は、再開発ビルだけを建て替えるのではなく、広場、道路、交通結節機能まで一体的に再構築することです。

駅前に「人の空間」をつくる


出展:長岡市 長岡京ライフ2026年2月・ながてん特集

現在の長岡天神駅西口は十分な交通広場がなく、狭い道路に歩行者、自動車、バス、タクシーなどが集中しています。


出展:長岡市 長岡京ライフ2026年2月・ながてん特集

再開発では、駅直近に約2,200㎡の「憩い・にぎわい広場」を設け、その西側に約2,500㎡の交通広場、さらに外側に補助幹線道路を配置します。南北の再開発ビルと一体で、歩行者中心の駅前空間を形成する考えです。

自動車交通を駅前の外側へ整理することで、駅に近い空間を歩行者の移動や滞在に使います。長岡京市が掲げる「ひと中心の駅前」への転換です。

タワー型だけでなく「板状型」も比較、事業性を再検証


出展:長岡市 最新「まちづくりニュース第5号」

今回の最大の変化は、南側街区の住宅計画です。従来はタワー型を想定していましたが、2026年8月20日の理事会では新たな板状型案を作成。両案の模型を並べ、施設配置や周辺への影響を比較しました。

主な検討項目は次の通りです。
  • 事業性
  • 風の影響
  • テレビ電波への影響
  • 長岡天満宮側から見た景観
2025年度の施設需要調査では、住宅について一定の市場性が確認され、タワー型・板状型の双方が選択肢になり得ると評価されました。タワー型は高層階の商品性を高めやすく、販売価格を伸ばせる可能性がある一方、工事費も高くなります。

そのため現在は、販売価格だけでなく建設費や景観、周辺環境まで含めて比較し、再開発全体として成立しやすい形を検討している段階ですが、板状型への変更が決まったわけではありません。

ホテル・オフィスは今後見直される可能性


出展:長岡市 

施設需要調査では住宅の市場性が比較的高く評価された一方、ホテルとオフィスについては慎重な見方も示されました。商業は食品スーパー、ドラッグストア、飲食、生活サービスなど、駅利用者や周辺住民の日常需要を取り込む業態が有力です。

北側街区では約120室のホテルと約1,500㎡のオフィスを想定していますが、今後の事業実施計画では、市場性を踏まえて用途や規模が調整される可能性があります。住宅を事業収支の軸としながら、商業・業務・宿泊をどこまで組み込めるかが計画の成立性を左右しそうです。

2026年秋から地権者との個別面談

 

準備組合は2026年10月中旬から11月末にかけて、区域内の地権者との個別面談を予定しています。面談では施設計画の検討状況に加え、市街地再開発事業の仕組みや「権利変換」について説明します。

権利変換とは、現在所有している土地や建物の権利を、再開発後の建物の床などへ置き換える仕組みです。今後は施設計画の精査と並行して、地権者との合意形成が重要なテーマになります。

着工まで約10年、長期プロジェクトの現在地


出展:長岡市 長岡京ライフ2026年2月・ながてん特集

再開発はまだ初期段階にあります。事業実施計画の策定後も、都市計画、事業認可、再開発組合設立、権利変換などの手続きが続きます。
時期 主な動き
2025年7月 西地区整備計画を取りまとめ
2025年11月17日 再開発準備組合を設立
2026年1~3月 交通量調査・施設需要調査などを実施
2026年4月 RIA大阪支社を事業化支援者として選定
2026年8月20日 タワー型・板状型を模型で比較
2026年10月中旬~11月末 地権者との個別面談
~2028年頃 事業実施計画の策定
その後 都市計画手続き
その後 事業認可・再開発組合設立
その後 権利変換・合意形成
現在から約10年後 着工を想定
着工後 既存建物の解体・再開発施設を建設
市が示す想定では、着工までは約10年を要します。一方、補助幹線道路は再開発本体に先行し、第1工区約65mを2028年度に供用開始する予定です。道路整備を先行させ、その後に再開発本体を進める長期的な駅前再編となります。

長岡天神駅西口、構想から事業化へ


出展:長岡市 最新「まちづくりニュース第5号」

今回のタワー型・板状型の比較は、建物デザインの選択ではありません。住宅販売、建設費、景観、周辺環境を踏まえ、再開発を実現できる条件を絞り込む作業です。

約5万㎡の複合開発と広場・道路整備によって、長岡天神駅西口を、人が滞在し、移動し、街へ回遊する都市拠点へ再編する計画は、2026年秋の地権者面談を経て次の段階へ進みます。




出典

  • 長岡京市「ながてん 西地区のまちづくり検討状況について」
  • 長岡天神駅西地区再開発準備組合「まちづくりニュース第5号(2026年9月)」
  • 長岡天神駅西地区再開発準備組合「まちづくりニュース第4号(2026年7月)」
  • 長岡京市「阪急長岡天神駅西地区市街地整備事業 西地区整備計画」
  • 長岡京市「長岡天神駅西地区市街地再開発事業支援業務」

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