名古屋市交通局ー5050形電車は、1992年に登場した(名古屋市営地下鉄東山線用の通勤形電車です。東山線に残っていた300形などの非冷房車を置き換える目的で、1992年~2000年にかけて6両編成27本(162両)が日本車輌製造で製造されました。大阪市営地下鉄の大阪市交通局-千日前線 新20系とほぼ同世代の地下鉄車両で、同じ集電方式も第三軌条なので、どことなく雰囲気が似ていますね。ただ東山線の車両限界が小さいので一回り小ぶりな印象です。
5050形電車は東山線の規格に合わせ、車体長15,580 mm・全幅2,546 mmの6両編成(4M2T)で、集電方式は直流600Vの第三軌条方式。営業最高速度は65 km/h、起動加速度3.3 km/h/sとなっています。車体や搭載機器は名城線・名港線2000形をベースとして、前頭形状を5000形に似せていますが、傾斜の仕方や灯具の配列などが異なっています。
車内の様子です。5050系は3ドア・オールロングシートの通勤車両で、簡易バケットシートが採用され、標準定員は7人がけ、3人がけとなっています。
床面は通路部をえんじ色にしてあり、立席スペースと着席スペースを視覚的に分ける工夫がなされています。袖仕切りは最近流行りの大型ではなく、大阪市営地下鉄と同じ様なタイプです。90年代前半の車両の雰囲気がプンプンします。
シートの様子です。赤みがかった柿色が鮮やかですね。すわり心地も「もっちり」しており中々快適でした。
座席を書面から見た様子です。最近「はやり」の座席中央部付近のスタンションポールも未設置の為、非常にスッキリしています。側面窓は2枚構成で、片方が固定、もう片方が1枚下降式で開閉可能となっています。
車端部の様子です。連結面のドアーの上に3色LEDの情報案内装置が取り付けられていました。優先座席付近のつり革の形状が三角型になっています。
3色LED情報案内装置のアップです。
乗降ドアーの様子です。こちらも最近良く見る、引き込み、挟み込みの危険性を喚起する為の「黄色の警戒色」はありません。また、同じく床面の警戒色もありませんでした。
乗降ドアーの上部には千鳥配置で路線図式の案内表示器が設置されています。
天井付近の様子です。蛍光灯カバーは未設置、照明も従来の蛍光灯のままです。
つり革のアップです。丸型の形状でレール向きに設置されています。
側面にある行き先表示機の様子です。幕式ですね。
東山線で活躍が続く5050系ですが、東山線へのホームドアの設置に伴い、ATO・ワンマン化に対応した改造がなされました。また2015年からは順次車内WIFIの設置が行われています。最新鋭N1000系の投入(後日記事化します)も急ピッチで進んでいますが、この事からも5050系はまだまだ東山線の主力として活躍が続く事になりそうです。
たまに名古屋の地下鉄利用しますが、東山線は電車も駅も狭すぎて、加えて天井が低くて、好きではありません。名古屋駅・栄駅あたり人が交錯しすぎて背高な私はホントに息苦しいです・・・。戦後の地下鉄ですが、将来性を見越してデザインするって本当に素晴らしいな、と御堂筋線淀屋橋駅のドーム天井をみながらつくづく感じます。名古屋の皆さんごめんなさい。