広島高速交通・アストラムライン7000系電車は、開業当初から在籍する6000系とその増備車である1000系の置き換えのために導入された新型車両で、ゴムタイヤで走行するAGV(案内軌条式電車)方式の鉄道車両です。2020年3月26日から営業運転を開始しました。2024年度末までに6両編成24本(144両)が製造される計画で在来車両の置き換えが進んでいます。
【出展元】→広島高速交通>アストラムラインの新型車両の導入について
→広島高速交通>新型車両「7000 系」を導入しました
→GK-DSH>ASTRAM LINE 7000系
→グッドデザイン賞>新交通システム車両 [アストラムライン7000系]
アストラムライン7000系は既存車両から「継承すべきものはきちんと継承し、進化させるべきところは進化させる」 との考え方に沿って開発されました。『平和』のメッセージを掲げる街のシンボルとして、公共交通車両のもつ、強いアイデンティティを引き継ぎつつ、新しい時代に向けた総合的にリニューアルした車両となっています。
7000系の外観デザインは、シンボルカラーである「クロムイエロー(山吹色)」をカラーデザインの骨格とするため、 サイドビューは既存車両から大きく変更しませんでした。一方、アイデンティティの純度を高める工夫として、シンボルマークの16ドット(人、心の集まり)を、フロントフェイスの標識灯や先頭車の側窓として展開し、機能を持つシンボルとして新たな表情を外観に表現しています。
7000系は、三菱重工の「Urbanismo(アーバニスモ)」シリーズをベースとしており、Al-Fine(アルミ構体を始めとする各種軽量化と環境配慮)、G-Fit(上体を支えるバケットシート)、T-Smover(揺れが少なく保守性も高い台車)、Airflow-Arch(天井ダクト方式+優しい冷気)、Detailism(精緻な造りの室内デザイン)といった技術を採用。快適性、環境性、保守性において、従来車両に比べ大幅な機能の向上を果たしました。
アストラムライン7000系は、その優れたトータルデザインが高く評価され、2021年グッドデザイン賞を受賞しています。
外観デザイン
アストラムライン7000系は「絶対に見に行きたい!!!」と思っていた車両なので、今回取材出来て念願が叶いました!完成イメージよりメチャクチャカッコイイです・・。
正面デザインは少しだけですが後発の大阪メトロ400系を彷彿とさせる宇宙船デザインだと思います。
サンフレッチェ・トラム
サンフレッチェ広島のチームカラー「紫」を纏い、チームロゴやエンブレムなどをあしらった「サンフレッチェ・トラム」にも遭遇しました。
若干ですがエヴァンゲリオンを連想してしまいました(笑)
やはりオリジナルデザインが一番かっこいいですね。
インテリア・デザイン
続いて車内の様子を見て行きましょう!アストラムライン7000系は、車両扉開口幅の拡大、体をしっかりサポ ートする独立シートの採用、空調機能の向 上などにより、快適性を向上。 車いす・ベビーカー用の「フリースペ ース」を、優先座席と同様に全車両に設置し、中間車に設けたフリースペースには、 ベビーカーを見守ることができる座席が用意されました。また防犯対策として、各車両の上端部に 2 台の防犯カメラを設置しています。
車内を見通した様子です。もう「最高!最高過ぎる!」と呟きながら撮影していました。シンプルな色調ながら未来を感じさせるデザインが素晴らしい。
ロングシート部の様子です。
袖仕切りの様子です。
シートは新交通システムの車両としては非常にユッタリとした造りで、背もたれが高いハイバックシートは実際に座るととても快適でした。
モケットをアップで見た様子です。背もたれ部分にもシンボルマークの16ドットがあしらわれています。
床面の様子です。
ロングシートを真正面から見た様子です。3+3の6人掛けで真ん中にスタンションポールが設置されています。
優先座席付近の様子です。
優先座席付近とベビーカー・スペースの様子です。
ベビーカース・ペースには折りたたみ式の見守り席があります。
ベビーカー・スペースを真横から見るとここんな感じです。
天井の様子です。
荷棚とつり革の様子です。荷だなは透明で下にある座席の明るさを確保しています。
妻面の様子です。貫通扉は全面ガラス張りですが、中央に広告があり見通しが悪くなっています。この場所に広告は要らないですね・・。
妻面の天井付近に設置された防犯カメラの様子です。
こちらは先頭車両の運手席側の様子です。
運転台の様子です。客室側の窓ガラスが大きくて前面展望が楽しめます。
運転台はフル液晶パネルのグラスコックピットでした。
続いては乗降ドアー付近を見て行きましょう。
乗降ドアの様子です。両開きドアで、ドア部に大きな窓ガラスがあり開放感抜群です。
乗降ドアの上部にはLCD方式(液晶モニタ)の車内案内表示機が設置されています。
表示内容はこんな感じです。
さらに注目点が写真右側にある車イススペース。壁面にはシンボルマークの16ドットを模した採光窓が設置されているではありませんか!!
UPで見た様子です。鉄道車両でドットパターンの採光窓を見たのはこれが初めてかもしれません。斬新過ぎる。
この辺りのデザインは未来感満点でメチャクチャ気に入りました!
まとめ
鉄道車両のデザインは10年ぐらいのスパンで「ブレークスルー」となる車両が出てきて、その後の車両の水準を引き上げるサイクルを繰り返している、と個人的に思っています。最近では近鉄特急「ひのとり」が新しい私鉄特急の基準を打ち立てました。
このアストラムライン7000系は、間違いなく従来の車両とは一線を画する新世代のデザインで、今後登場するであろう他の車両のお手本になると感じました。