2025年大阪関西万博 チェコ館デザインコンペティションの受賞者が決定しました!
建築・都市計画センターで開催されたイベントでヤン・リパフスキー外務大臣出席のもと、大阪万博2025チェコパビリオンのデザインコンペの結果が発表されました。7人からなる専門審査会が38の提案の中から選出しました。1位に輝いたのは建築設計スタジオApropos Architectsのテレザ・シュヴァーホヴァー氏とLunchmeat studioとの共同提案作品でした。
チェコ共和国単体での万博の出展は今回で6回目となります。分離独立前にはチェコスロヴァキアとして長い間、万博に出展しており、特に1970年の大阪万博においては成功を収めました。「万博は全世界において最も重要なマーケティングイベントであり、チェコ共和国の良い評判を広める最高の機会です。よい展示はよいパビリオンから始まります。このパビリオンデザインコンペにこれだけ多くの提案が集まったことをとてもうれしく思います。この中の1作品が2年後に大阪においてチェコの国を代表する建物となることを楽しみにしています。」とリパフスキー大臣は挨拶の中で述べました。
【出展元】
→The competition for the design of the Czech pavilion for the world exhibition EXPO 2025 knows its winner
→EXPO 2025 Czech Pavilion – Sculpting Vitality by Apropos Architects
→apropos architects composes glass spiral structure for the expo 2025 czech pavilion in osaka
日本ではボヘミアグラスやクラシック音楽が人気ですが、大阪万博ではそれだけではなく、チェコのイノベーション、ナノテクノロジー、有望なスタートアップ、各地からの優れた才能などを展示する予定です。万博への出展に際しては5億コルナの予算が見込まれており、チェコ政府は2023年から2026年の間の予算として2億9020万コルナを承認しました。他にも私企業や団体・機関からの資金として1億7000万~2億2000万コルナほどが予測されています
1位から3位の入賞デザインは、チェコ屈指の建築家エヴァ・イジチュナーを筆頭に7人からなる専門委員会が決定しました。イジチュナー氏は選定に際しこう述べました。「大阪での展示では日本人の来場者を80%以上見込んでいます。外観といった建築デザイン面だけでなく、商業的な機能面も重要でした。全ての条件を満たすデザインを選ぶのはとても大変でした。」最終的なチェコパビリオンの概要は遅くとも4月末までに発表され、1位入賞のデザインスタジオと施工の契約を結ぶことになります。
Sculpting Vitality(活力を彫刻する)
アプロポス・アーキテクツが設計したチェコ館プロジェクトは、ダイナミックなガラスの螺旋構造が特徴です。Sculpting Vitality(活力を彫刻する)と名付けられた受賞案は、透明な彫刻として、大阪ベイエリアの海沿いのプロムナードにその存在感を示しています。建築家たちは、活力と動きをコンセプトに、中央の講堂を囲むように展示用ランプを配置しました。「上に向かうダイナミックな螺旋運動は、理想的な人生の道筋の寓意です」とチームは説明します。
ファサードは、チェコのガラス製造における広大な伝統に敬意を表し、焼結ガラスのシートを使用した工芸品のようなガラスアート作品としてデザインされています。耐荷重構造のコンセプトは、CLT木製パネルの規則的なフレームシステムであり、螺旋状の展示用ランプという選択されたコンセプトに一貫して従った連続構造を形成し、講堂を1周する間に36のセグメントに分割されています。アプロポス・アーキテクツは、「規則的に分割されたセグメントによって、十分な建設準備、解体性、輸送性が確保されています」と述べています。
アプローズアーキテクツのチームは、バリアフリーのスロープを採用し、展示スペースも兼ねて、コンセプトの中心となる作品を中心に螺旋状に上へ上へと伸びていくようにしました。この多機能講堂は、内径15.5メートル、高さ12メートルに及びます。スロープの螺旋運動は、ステージ内の来場者席の配置にも反映され、「オーディトリウムの中のオーディトリウム」のような感覚を生み出しています。
展示スペースは約400平方メートルで、スロープの幅は2メートルから7メートルの間で変化します。スロープの先端には、レストランやバーを備えたテラスがあります。そこでは、海の大パノラマと、ガラス張りの天窓から客席を見下ろす景色を楽しむことができる。シリンダーの二重壁の空洞に織り込まれた階段は、商業ビルの1階に降りるための道であり、展示の不可欠な要素でもある」とチームは付け加えた。
パビリオンの構造が複雑なため、デザインチームはほとんどのパーツをチェコ共和国で生産・準備し、日本への輸送後に現地で組み立てることを想定しています。2025年万博終了後は、「最小限の変更で使用することを想定」しています。パビリオンの性格上、発祥の地で博物館やギャラリー的な展示スペースとして使用することを想定しています。そうすることで、当初提案した展示コンセプトである「内なる活力の探求」の精神に沿った旅が完成します。
2025年の「三菱未来館」デザイン公表 万博、生命や地球のつながり表現
https://www.sankei.com/article/20230410-HJYQZ2RXFVPNDEMJCFXPH3GUIE/?outputType=amp
スイス館にしろこのチェコ館にしてもワクワク感が半端じゃないです。
今後発表される他の国はどんなだろうと思うと、万博の楽しみが増すばかりです。
「最小限の変更で使用することを想定」しているそうですので、解体して遠くへ運び出すより、ぜひ大阪に残してほしいです。