那覇空港の沖合に2本目の滑走路を新設する那覇空港滑走路増設事業の状況14.11

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那覇空港滑走路増設事業は、日本の南の空の玄関である那覇空港の沖合約160haを埋め立て、現滑走路から1,310mの位置に、長さ2,700m、幅60mの滑走路1本を増設する空港の拡張工事です。滑走路増設事業の総事業費は約1993億円で、年間発着枠は現在の約13.5万回から約18.5万回に増加する見通しです。現在の那覇空港は3000メートル滑走路1本を旅客機と貨物機、自衛隊機が共用しており、観光シーズンなどは混雑や遅延が目立ち容量が限界に近づいていました。


【出典元】
内閣府>沖縄総合事務局>那覇空港プロジェクト












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那覇空港の第2滑走路と既存の滑走路は間隔が1310mあるオープンパラレル配置の為、双方の滑走路で同時に離発着が可能です。今回増設工事後の年間発着数は約18.5万回とされていますが、連絡誘導路やターミナルビルなど、各種空港施設を整備する事で、将来的には20万回以上の発着も可能になると思います。また、第二滑走路は、着陸直後に、すぐに滑走路から逃げる高速脱出誘導路が採用されています。












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現地の様子です。第二滑走路は起工式は201431日に行われ既に工事が始まっています。第二滑走路は201912月に完成予定、翌20203月末の供用開始を計画しています。












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那覇空港は日本の主要都市や中国・韓国、ASEAN諸国の約20億人の市場の中心に位置し、エリア内の各都市からの貨物を中継する絶好の地理的条件に加え、24時間運用可能な事、今回ご紹介している第二滑走路の建設などインフラ整備も進んでいます。


この那覇空港の優位性に目をつけたANAホールディングスは、
那覇空港を基点に日本とアジアの主要都市を航空貨物便ネットワークで結ぶ、スピード輸送モデル「ANAが進める沖縄ハブ構想」を進めており、運用5年目を迎える沖縄貨物ハブ事業は、今年1月に青島線、3月に広州線に就航し、5月には新たにシンガポール線を開設、沖縄からの貨物便就航都市は海外8地点、国内4地点の計12地点となっています。

また、宅配便大手の
ヤマト運輸はこのネットワークを活用して、同社の「国際宅急便」と「国際クール宅急便」をアジアへ最短翌日配達するほか、製造業や小売業界向けの高付加価値物流サービスも展開していく計画を進めています。


那覇空港は、東アジアの中心に位置する那覇空港は、国際航空貨物の分野で急成長する可能性を秘めており、
ANAやヤマト急便といった革新的なビジネスモデルを作り出してきた企業が注目している事からも、その実現性は十二分にあると思います。沖縄への経済振興策として国が沖縄ハブ構想をバックアップすれば、東京に集中しすぎて捌き切れない貨物を那覇空港がカバーする事が出来、東京の容量アップにも繋がるのではないでしょうか。