【神戸空港国際化?】関西空港の年間23万回の発着回数の上限引き上げを検討、神戸空港は発着枠を120便に拡大要請


関西、伊丹、神戸空港の在り方を話し合う「関西3空港懇談会」が2018年12月24日に、大阪市内で8年ぶりに開かれました。3空港からは以下の要望、希望が出され、今後は課題を整理される予定です。関西3空港懇談会は、関西経済連合会の秋山会長の提唱により開催されることとなった会議で、地元経済界及び自治体とで関西3空港の在り方について議論することを目的としたものです。メンバーは、関経連会長のほか、大阪府知事、大阪市長、兵庫県知事、神戸市長で、国土交通省も毎回出席しています。

 

神戸空港運用時間の拡大(現在7時~22時の運用規制を朝1時間、夜2時間延長)1日60便の発着枠を2倍の120便に拡大正式に提案。
神戸空港で、旅行会社などが一般客を対象に企画する国際チャーター便の解禁を求める。

伊丹空港定刻から遅延した便が運用規制の21時を過ぎても着陸できるよう弾力運用を要望。
伊丹空港で、旅行会社などが一般客を対象に企画する国際チャーター便の解禁を求める。

 

関西空港:環境アセスメントで年間23万回とされた発着回数の上限引き上げの検討を求める。

 

■今後の論点は

1:関空の機能強化
2:伊丹、神戸両空港の運用見直し
3:その他関西として必要な施策

■1〜3の論点を短期・中期・長期の3フェーズで検討

「短期」:生涯スポーツの国際大会「ワールドマスターズゲームズ関西」が開かれる21年ごろまで
「中期」:大阪国際博覧会(万博)がある25年ごろまで
「長期」:リニア中央新幹線の大阪延伸(2037年)などが予定される30年代

 

 

出展:神戸空港マリンエア

3空港のあり方は実に微妙です。神戸空港は海上空港であり、24時間運用も不可能ではないので国際化の方向で検討に入るようですが、あくまでメインは「関西空港」であり、できれば今後も国際線は関西空港に集約し続ける事が望ましいと思います。エアライン側の立場で考えると、3空港に分散発着する場合、3空港にスタッフを配置する必要があり業務効率が大きく低下します。3空港を国際化すれば、CIQ(税関、出入国管理、検疫)施設も3箇所必要になり、コストアップに繋がります。9月の高潮被害による関西空港の機能不全を見ての論調だと思いますが、安易な国際線の分散化はようやくネットワークが構築されてきた関西空港の規模のメリットを失う事になり、関西経済全体にとって、中長期的にマイナスに働くのではないでしょうか。今後様々な論議が行われる事になると思いますが、中途半端で八方美人的なプランだけは避けてほしいです。

 

個人的には以下のシナリオが良いと考えています。全くの私案です

1)関西空港→空港施設の強化、フルスペックのT3の早期整備、発着数上限を23万回→30万回に引き上げ、5000万人/年の旅客数を目指す
→課題:環境アセス、空域は確保できるか?

2)神戸空港→関西の補完。チャーター便の国際化は容認。長期的にはリニア全通時に伊丹空港の国内線を移管。対応する施設整備を段階的に行う。
→課題:脆弱な空港設備、高速脱出路がない。関西空港との空域が被るので安易な増便は不可?

3)伊丹空港→現状のポジションで維持。短期的には門限を21時→22時に延長。長期的にはリニア全通時に廃港。跡地を売却し売却益は関西・神戸空港整備の原資とする。
→課題:周辺地域の反対。国有地の売却益を2空港に振り分ける事ができるのか?