2025年4月13日に開幕を控える大阪・関西万博。その開催準備が佳境に入るなか、夢洲会場では4月5日(土)と6日(日)の2日間にわたり、「テストラン(試行運営)」が実施されました。これは実際の来場者を受け入れ、運営体制や会場動線、設備の確認・改善を図る重要な事前検証です。
主催は大阪府と大阪市で、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会と連携。応募総数は34万9,675人に達し、抽選で選ばれた当選者は4万745人。およそ8.6倍という高倍率をくぐり抜けた来場者が、2日間にわたって夢洲の未来都市を一足先に体験しました。未来都市・夢洲でのリアルな体験

テストランでは、大屋根リングや、大阪パビリオンの一部エリアが公開され、一部のパビリオンが建設途中ながらも未来的でスケール感あふれる空間が広がりました。中でも大屋根リングは全長2km超に及ぶ巨大構造物で、上部の「リングの遊歩道」からは大阪湾や会場全体が一望できます。
現地では「これが噂の大屋根リングか」「ちょっとやばすぎない!?」「これは凄いわ!」「正直侮っていたわ」「 実物見たらメチャクチャいいやん!」といった声を耳にしました。大屋根リングの、その存在感の大きさを物語っています。
象徴的な空間としての「大屋根リング」

僕の考察ですが、大屋根リングは物理的構造以上の象徴性を持っています。「リング=地球」「その内側=世界」と見立てることで、世界の多様な国々が地球という共通の枠の中で共存・協調する姿を表現しているのではないかと思います。ガンダム世代には「スペースコロニー」としても響くこの空間は、リアルと想像力をつなぐ舞台であり、建築物というよりは思想そのものといえるかもしれません。
世界と出会い、未来を体感するパビリオン

テストランでは、日本館や大阪パビリオンに加え、参加準備が整った多くの海外パビリオンもオープンしていました。展示内容はまだ限られていたものの、国ごとの多様な文化や価値観が垣間見え、「思った以上に見応えがあった」「異文化をリアルに感じられた」といった声が上がっています。
それぞれの国が創意工夫を凝らした空間演出や展示を行っており、小規模ながらも本番に向けた期待感を醸成するには十分な内容となっていました。
運営課題と改善の余地

一方で、運営面では課題も顕在化しました。トイレの場所が分かりづらい、会場マップの案内がスマートフォン依存で不便、情報掲示が不足していた、といった声もあり、来場者目線でのオペレーション改善が求められます。
協会は「テストランで課題を洗い出し、しっかり解決して開幕を迎えたい」としており、残された時間でのブラッシュアップが期待されます。
万博の本質的な意義とは何か

万博の真の意義は、約160カ国、およそ世界の80%に相当する国々が、それぞれの伝統や文化、生活、食、音楽、人々――つまりその国の“すべて”を持ち寄り、半年間、同じ空間で“共に過ごす”ことにあります。G7や国連、オリンピックを超えるスケールで展開されるこのイベントは、現代社会において唯一無二の「地球最大の対話の場」といえるでしょう。

多様性が尊ばれる一方で、分断と対立が進行するこの時代に、万博は「それでも世界はつながることができる」という希望を世界に向けて発信します。同じ空間を共有することによって、対話と友情、共創の芽が生まれ、その先の未来を育むことができるのです。
リアルの価値、未来を共につくる体験

情報がネットで手に入る時代だからこそ、実際に空間を共有し、リアルに体験する価値は一層際立ちます。パンデミックを経た私たちは、物理的に同じ場所にいることの尊さを再認識しました。
万博は今や、目玉展示を見るだけの消費型イベントではなく、世界と共に未来を“つくる”場へと進化しています。未知との出会いに心を動かされ、世界と関わり、自分たちの手で未来を築いていく。若い世代や子どもたちがそれを身体で感じる機会としても、この上ない舞台です。
世界が注目する大阪・関西の挑戦

そして今、世界の視線が大阪、関西、そして日本へと注がれようとしています。夢洲を舞台に繰り広げられる万博は、都市としての大阪の未来を拓くと同時に、関西圏のブランド価値を再定義し、日本の文化的・経済的魅力を世界に発信する絶好の機会です。
テストランは、その壮大な挑戦の幕開けにすぎません。2025年春、夢洲で世界が出会い、未来が語られる。その舞台は、いよいよ整いつつあります。
とうとう開幕です!!
開催日に行きまーす!
こんな至近距離で開催される国際イベントを行かないなんてもったいない!