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関西空港の新国内線エリアが供用開始!オープンした新エリア見て『T1リノベーション』について思った事



関西エアポート社は2022年8月25日付けのニュースリリースで、大阪関西万博に向けて大規模リノベーション工事が行われている、関西空港第1ターミナルビルの新国内線エリアのオープン日が2022年10月26日に決定したと発表しました!

関西空港は、万博が開幕する2025年春までに、空港全体での国際線旅客の受け入れ能力を現在の年間3000万人から4000万人に引き上げる大規模改修を行っています。

今後は一連の大規模リノベーションの皮切りとなるもので、国内線エリア改修ののち、国際線エリアのリニューアルが行われます。続く新国際線商業エリアは2023年冬にオープンする予定となっています。

 

【出展元】
関西国際空港 新国内線エリア10月26日(水)オープン! ~フードコート「Tasty Street」等は先行して10月1日(土)にオープンします~

関西国際空港 T1 リノベーション工事(第1旅客ターミナルビル改修)の状況 21.07



今後のスケジュール
・2022 年 10 月 1 日(土) 一般エリアの商業施設オープン
・2022 年 10 月 26 日(水) 新国内線エリアオープン
・2023 年冬 新国際線商業エリアオープン
・2025 年春 グランドオープン
・2026 年秋 新国際線商業エリア拡張

 

1:国内線エリアを縮小し再配置


関西空港の第1ターミナル(以下、T1)は、コロナ禍前にインバウンドの急増により受け入れ能力の限界を迎えていましたが、国際線出発エリアの混雑国内線施設のキャパシティと利用実態の乖離 、国際線手続き施設の南北分散といった課題を抱えていました。

関西空港が開業した当初、T1施設の取り扱い能力は、国際線1200万人・国内線1300万で設計されました。その後、施設の小規模な変更がありましたが2018年度の実績は国際線2060万人・国内線400万人で、施設と利用実態に大きなギャップが発生、国際線は大混雑、国内線は空いている状態となっていました。その為、主力のT1を改修し国際線施設の大幅増強を行い、急増する『国際線』の需要に対応する事になりました。

 

「新国内線エリア」が供用開始!!



今回のリノベーションの第一弾となる「新国内線エリア」が2022年10月26日にオープンし供用が始まりました。

リノベーションにより、国内線のチェックインカウンターはT1の2階南側に移設され、出発口は2F南端付近の1ヵ所に集約。保安検査場にスマートレーンを導入(6台)。一般エリアの商業施設はチェックインカウンター付近に、制限エリア内の商業施設は南ウイングの中央付近に、それぞれ再配置されました。

 

 

1:国内線:商業エリア(一般エリア)



まずは、一般エリアを見て行きましょう!新商業エリア(一般エリア)は、7店舗が出店(飲食6店舗、物販1店舗) しました。

2階の北端付近にマクドナルドとココカラファインがオープンした他、出発口付近にはフードコート「Tasty Street」が設けられました。杵屋麦丸 (セルフうどん)、たこ焼割烹たこ昌、まいどおおきに関空食堂 (和食)、どうとんぼり神座 、カレーハウス サンマルコなど、定番でハズレが無さそうなテナントが出店しました。

 

国内線商業施設(一般エリア北側)


国内線エリアの北端付近にはマクドナルド、ココカラファインが新たにオープンしました。

 

 


マクドナルドはありきたりですが、一般エリアにあると安心感があり便利ですね。
この辺りは新国内線エリアから最も遠い反対側に位置しています。

 

 


ローソンの様子です。

 

国内線商業施設(一般エリア南側)


続いては、国内線エリア・南側の商業施設、フードコート「Tasty Street」の様子です。こちらは国内線出発口に近いので、搭乗前の腹ごしらえに便利な施設となっています。

 

 


「Tasty Street」は、ANAのチェックインカウンターの後ろ側に回り込む様な位置にあります。

 

 


広い通路を抜けて進んで行くと・・・

 

 


和風の内装で彩られたフードコートが姿を現しました!

 



温浴施設のレストランスペースの様な内装です。チェックインカウンターの背面に位置しているので、壁面の向こう側には、バゲージハンドリングシステムなどの設備があるはずです。

 

 


フードコートの一番奥から見通した様子です。

 

2:国内線出発口を2階南側に移設



続いては、チェックインカウンターの様子を見て行きます。新しい国内線チェックインカウンターは図の通り、PTB2階の南側に集約されました。

 


ANAのチェックインカウンターはこんな感じです。

 


JAL側はこんな感じです。カウンター上部のサイン類が全く無いので、もう少し頑張って欲しい気がします。

 


国内線チェックインカウンターを見渡した」様子です。ANAが出発口からかなり離れている事が解ります。

 

3:出発口から搭乗エリアにはムービングウォークで移動!


次は出発口から制限エリア内を見て行きます。

 

 


こちらが国内線のの出発口です。施設的にはかなりミニマムな感じになりました。

この先は制限エリアなので飛行機に載らないと入れませんが、今回はどうしても新国内線エリア(制限エリア)が見たかったので、
急遽「関空発→那覇行き」の飛行機を予約して、日帰りで往復してきました。

 

 



保安検査場は撮影出来ないので、プレスリリースからお借りしたイメージパースをご紹介します。伊丹空港と同様にスマートレーンが導入されスムーズにチェックを済ませる事が出来ました。あと、このあたりの天井が何故か低くて気になりました。

 

 


保安検査場を抜けて搭乗口に向かいます。この辺りは増築された建物の様で、少し新築の香りがしました。

 

 

 




保安検査場から搭乗口方面を結ぶ連絡通路の様子です。ここからゲート側の商業施設までは、約200mほど離れています。

 


かなりの距離があるので、長大なムービングウォーク×2機を乗り付いて移動します。

 


保安検査場から商業ゾーンを結ぶ連絡通路の様子です。床の色が明るい方が「出発」、暗い方が「到着」となっており、色でゾーニングされていました。

 

4:制限エリア内に「ウォークスルー型」商業施設が登場!





制限エリア内の新商業エリアを見て行きましょう!

ここには6店舗が出店(飲食4店舗、物販2店舗)。天ぷら 圓堂、サンマルクカフェ+R、Japan Traveling Restaurant® by BOTEJYU® (日本全国ご当地グルメ)、ぼてぢゅう® 1946、関西旅日記 (土産 ・菓子・食品・酒・雑貨〕 )、ローソンが並びます。

 

 


ムービングウォークを乗り継ぎ、新商業エリアに到着しました!!

 

 


商業エリアの様子です。利用者が搭乗口に向かう時に自然に通過する「ウォークスルー型」の施設となっています。

 


エリアの真ん中にはサンマルクカフェがあります。

 

 


曲線を描いた通路などを見ると、先にリニューアルされた伊丹空港と同じ様な感じです。

 

 


お好み焼きの「ぼてじゅう」が復活しました。

 


制限エリア内にもローソンが出来ました。フライト中につまめる食べきりサイズの品揃えが充実しています。

 

 


商業エリアを抜けて振り返った様子です。

 

5:新国内線ラウンジはANA、JAL供用!




次はラウンジの様子です。新しいラウンジは、商業エリアから繋がるエスカレーターで3階に上がった所にあります。

 

 


新国内線ラウンジの名称は「ラウンジKANSAI」。ANA・JALの供用ラウンジとなりました。

※ラウンジの写真は読者様から御提供頂きました、ありがとうございました!

 

 


ラウンジ内の様子です。フードコートの様なカジュアルな感じのラウンジです。

 


ドリンク類はこんな感じです。

 


3階から見た駐機場の様子です。滑走路の反対側なので離発着する飛行機は見えません。

 

6:国内線専用の38〜41番ゲート




商業エリアを抜けてさらに奥に向かいます。

 

 


ついに搭乗口付近に到着しました!まずは国内線専用になった38〜41番ゲート付近を見て行きましょう!

 

 

 


ここから最奥にある38番ゲートまでは、さらに200mほどの距離があり、ムービングウォークが設置されています。

 

 


そして!ここが!!
新しい国内線・搭乗待合室の様子です!!

 

 


大空を彷彿とさせるデザインのタイルカーペットが爽やかでかなり良い感じです!!

 

 


本当に雰囲気がガラリと変わりました。

 


ゲート付近の様子です。

 


ムービングウォークの南端付近の様子です。

 


中間地点にはトイレがあります。

 

 


38-39番ゲートはさらに奥にあります。そして、ここから先はムービングウォークはありません!!

 

 


連絡通路からは管制塔が真正面に見えました。この辺りは国際線エリアだったので、違和感をかなり感じました(笑)

 

 


ついに最南端の38-38番ゲート付近に到着しました!!
40-41番ゲート付近と同じデザインで纏められています。

 

 


39番ゲートの様子です。写真中央やや左奥に見える通路は、さきほど歩いてきた商業エリアに繋がる連絡通路です。

 

 


このタイルカーペットのデザイン、かなり良いです(2回目)。

 


ただし、置かれているベンチは既設の物を流用している様です。USB給電ポートなどの電源類はありませんでした。

 

 


カウンター8席にはUSB給電ポートがありました。

 


搭乗待合室を見通した様子です。

 

7:際内供用の24〜27番ゲート


今回の取材も、いよいよ終盤線に近づいてきました。次は新国内線エリアの際内供用部の様子を見て行きましょう!

 

 



こちらが滑走路側24-27番ゲート付近の様子です。こちら側は、レンゾ・ピアノのデザイン意匠はそのまま継承し、今回の国内線再配置に合わせて区域が切り直されました。

 


デザイン的な変化はあまり感じられませんね・・

 


25番ゲート付近の様子です。

 

 


24番ゲート付近の様子です。

 

8:国内線到着口が1F南に移動


最後は到着口までの導線を見て行きます。
今回のリノベーションによって、国内線到着口はT1の1階南端に移動しました。本当に端っこです。

 

 


制限エリア内の商業エリアを抜け、ムービングウォークを乗り継ぎ、長い連絡通路を戻って行きます。

 

 


保安検査場側に戻ると左に曲がる導線があり、そこが到着口となっています。

 


こちらを抜けるとターンテーブルがあります。

この先は、撮影禁止エリアなので写真はありませんがターンテーブルは3機しかありませんでした。繁忙期はこれで捌けるのか?ちょっと心配な感じでした。

 

 


そしてこちらが国内線の到着口です。本当に小さくて驚きました。

 

 


関西空港T1の大規模リノベーション第一弾となった新国内線エリア。施設的にはかなりミニマムな感じですが、コロナ前のT1における国内線旅客数は400万人/年ほどだったので、この施設規模で対応出来る、との読みなのだと思います。

 

新国内線エリアを見てT1リノベーションを考える



新国内線エリアを見た感想は、利用実態に合わせてた施設規模になったなぁ・・・でした。

そして、今回の大規模リノベーションは、既設の空港ターミナルビルの内部を、ごっそりと作り替える非常に難易度が高い工事だな、と思いました。

当たり前ですが、関空のT1は新築ではなく屋根があるので、クレーンでつり上げて搬入する事は出来ません。その為、資材を小分けにして搬入する必要があり非常に手間暇がかかります。各階の用途を大幅に変更するので、館内の上下導線をゴッソリ作り替える必要があり、床を塞ぐ・穴を開ける、既設のバゲージハンドリングシステムの移設等が必要です。また、30年前に比べると安全にかかわる基準が遙かに厳しくなっているので、それに適応させつつ、空港を動かしながら設備を入れ替える必要があります。

リノベーションだから「安い」のではなく、非常に手間暇がかかり、制約が多く、難易度が高い為に、逆にメチャクチャ「コスト高」な工事になっていると推測されます。今回のリノベーションには700億円が投じられていますが、その割に全体容量はあまり増えません。おそらく新築・増築の方が安くあがります。ただ、PTB自体は塩害などで痛みが激しいので、今回の様な大規模改修は必要なのですが、なんとも歯がゆい感じです。

 

 



ブログ記事で何回も書いていますが、インバウンドが回復すると、それほど遠くない将来に新ターミナルビルが必要になる事は確実です。空港整備には10年スパンの長い時間がかかります。また、結局は国のokがないと話が進みません。関西エアポート社や、大阪府・市のトップには、先を見据えた主体的な動きを期待したいと思いました。

1 COMMENT

七味

改修後の方が効率はよいのでしょうが、鉄道駅への移動距離が増えそうなので
どれくらい遠くなるのかが気になります。

私はJALの上級会員なんだけど、ここ数年、関空の国内線は羽田からの到着に
しか使ってないので新しいラウンジ使うことは当分ないなぁ。
今の国内線さくらラウンジは閉鎖空間なので外が見えようになるのはよいですね。

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