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【再都市化ナレッジデータベース】

関西国際空港 T1 リノベーション工事(第1旅客ターミナルビル改修)の状況 21.07


関西国際空港を運営する関西エアポートは2019年12月12日付けのニュースリリースで、大阪万博が開幕する2025年春までに空港全体での国際線旅客の受け入れ能力を、現在の年間3000万人から4000万人に引き上げる台規模改修計画を正式に発表しました。

関西空港の第1ターミナル(以下、T1)は現在、インバウンドの急により受け入れ能力の限界を迎えてまおり、国際線出発エリアの混雑 •、国内線施設のキャパシティと利用実態の乖離 、国際線手続き施設の南北分散といった課題を抱えています。その為、主力のT1を改修し国際線施設の大幅増強を行い急増する需要に対応する事になりました。

関西エアポート(KAP)は2021年5月28日に、T1改修工事の安全祈願祭と起工式を執り行い工事が始まりました。工事は大林組が担当し、2022年秋ごろから2026年にかけて順次運用を開始し、2025年に開かれる大阪万博までには主要機能を稼働させる計画が進行しています。

【出展元】
→関西エアポート>関西国際空港 T1 リノベーション
関西国際空港T1リノベーションにおける工事契約締結について

 

急増する国際線旅客、不足する処理能力

関西空港の旅客数の推移です。2012年頃から国際線旅客が急増しはじめ、前年度は過去最高となる2289万人を記録しました。特に外国人利用者が急増しています。

 

 

T1施設の取り扱い能力は、国際線1200万人・国内線1300万で設計されました。その後、施設の小規模な変更がありましたが2018年度の実績は国際線2060万人・国内線400万人と、施設と利用実態に大きなギャップが生じています。国際線は大混雑、国内線は空いている状態となっています。

 

 

 

施設と実態のギャップを埋め最適化を図る

今回のT1改修計画は、施設と実態のギャップを埋め最適化を図り、ターミナル全体の使用率を上げる事で受け入れ能力が限界に近い国際線の処理能力を引き上げる事を目的としています。

 

 

 

 

具体的な対応として、ファストトラベルの推進 、 国際線/国内線エリア配置の見直し 、ランドサイド/エアサイド比率の見直し 、国際諸施設の中央集約化 、天井、エスカレータ等の耐震補強 、 商業エリアの充実などが実施されます。

 

 

 

4Fの保安検査場を集約・拡張


国際線保安検査場は7〜15m増築され面積が拡大します。

 

 

 


床面が木質タイルに変更、和のテイストを盛り込んだデザインとなります。

 

 

22台のスマートレーンで、より速く、より快適に、ストレスなく、 保安検査を通過できる様にします。

 

 

 

 

 

3Fに出入国審査場及び国際線ラウンジを配置


3Fは今回の改修で最も大きく変化します。現在、飲食点や物販店があるエリアを廃止し、出入国審査場及び国際線ラウンジが設置されます。

 

 

 

F中央に国際線出発エリアを展開


現在国内線が配置されているT1中央部を国際線出発エリアとしウォークスルー型免税店を設置します。出国後のエリアは従来比 +60%増加します。

 

 

 

 

 

出発エリアを4つの異なった雰囲気にゾーニング

出発エリアは「和」をイメージさせるデザインで纏められています。

 

国内線保安検査場を1か所に集約しスマートレーンを導入


国内線は現在のT1中央部の一等地にありますが南側のウィングに移動します。

 


移設後の保安検査場の様子です。スマートレーンが導入されます。


商業店舗を大幅拡充・快適な空間が創出されます。

 

 

T1 リノベーション変更後工事スケジュール



T1リノベーション工事ですが、当初予定より半年遅れの2021年5月28日に安全祈願祭と起工式を行い着工しました。これにより、Phase4の2F 国際線出発エリア南北商業施設の運用開始が2026 年秋頃にずれ込む事になりました。

但し、国際線旅客の受け入れ能力を年間3000万人から4000万人に引き上げるPhase3の4F 新保安検査場及び 3F 国際線ラウンジの回収は2025 年春頃の完成予定で万博に間に合わせる計画で、Phase3により空港オペレーション機能は完成します。防災対策を含めて約1千億円の投資額は変更ありません。

2021 年 6 月頃 T1 リノベーション工事着工
2022 年秋頃 2F 新国内線エリア等(Phase1)運用開始
2023 年冬頃 2F 国際線出発エリア中央等(Phase2)運用開始
2025 年春頃 4F 新保安検査場及び 3F 国際線ラウンジ(Phase3)運用開始 ※空港オペレーション機能完成
2026 年秋頃 2F 国際線出発エリア南北商業施設(Phase4)運用開

 

 

 

T1の改修により今後5年程度の需要増に対応する事はできますが、7年、10年スパンで考えると今回の改修計画でも需要の伸びに対応できなくなります。抜本的な解決策は2期空港島にフルスペックの旅客ターミナルビルを建設するしかありません。

 

【2018年度】日本の空港 利用者数(乗降客数)ランキング(国際線・国内線・着陸回数)



関西空港第1ターミナルを改装し国際線中心のレイアウトに変更



 

2021年7月の様子


現地の様子です。リノベーション工事は5月28日に起工式が執り行われ工事が始まりました!

 

 

 


こちらは2階の国内線チェックインカウンター付近の様子です。

 

 


カウンターの一部が閉鎖され仮囲いに覆われていました。

 

 



リノベーション後の国内線チェックインカウンターは正面むかって右側に集約されます。現在の国内線出発ロビーは国際線のウォークスルー型商業エリアに変更されるので、今回のリノベーションで最も変化が大きいエリアになりそうです。

 

 


今回取材して見つけたのがこちら。

 

 


スクープ写真です(笑)。リノベーション後の床材の設置テストが行われていました。木目調、大理石調、タイルカーペットの3タイプがありました。

 

 

 

 


大理石調の様子です。

 

 


タイルカーペットの様子です。

 

 


続いて4階出国ロビーの様子です。コロナ禍の影響で半分以上のエリアが閉鎖されていました。

 

 


先日お伝えした通り特定天井改修工事が行われ、オープンエアダクトが美しくなりました。

 

関西国際空港における特定天井改修工事の状況 21.07



 

 

 



反対側から見た様子です。このエリアの床面がどうなるのかは不明ですが、タイルカーペット、もしくは木目調に変えると「新しくなった感」が出てくると思います。

 

 

 


出国ロビーには新型のベンチが置かれていました。

 

 


スマホやPCを充電する小さなテーブルがありました。

 

 



T1の各所に置かれているインフォメーション・ディスプレイの様子です。こちらも更新された様ですが、表示内容がメチャクチャ見やすくで驚きました。見栄えの為では無く「知りたい情報を強調する為にアニメーションが使われる」ハードよりもソフトが凄いと思いました。

 

 

 

 


あと、こんな感じの団体客向けのゾーンがありました。

 

 



撮影ポイントをさらに変えて、こちらはセキュリティエリア内、国内線の出発ロビーの様子です。リノベーション後は、国際線の商業エリアに生まれ変わります。

 

 

 

 


コロナ禍の中、無事に着工に漕ぎ着けた、関西空港T1リノベーション工事。とりあえずは2025年の大阪万博を目指して国際線のターミナルキャパシティを4000万人/年に引き上げる事で当面の利用者増加に対応するが可能になります。しかし、ポストコロナの時代が訪れ再びアジア各国の観光需要が伸び始めると、あっという間にキャパシティ・オーバーになると思います。

空港整備には10年スパンの長い時間がかかり、足りなくなってから着手しても手遅れでライバル空港に路線・旅客を奪われてしまいます。国内では国土交通省を中心に成田空港の拡張計画が進んでおり、2029年3月完成を目指して第3滑走路の整備が行われます。これにより、成田空港のキャパシティを年間40万回/6000万人程度に拡大、将来的には50万回/7500万人に対応させる構想です。

 

 

 


対する関西空港は現在の所、T1の改修が始まっただけで新ターミナルビルの整備は先送りされてしまいました。関西空港は24時間運用の強みを活かし、本格的なT3を二期空港島に整備して発着枠を拡大する事が出来れば、滑走路2本のままでも拡張後の成田空港に迫る旅客機を捌く事が可能です。実際に香港国際空港は滑走路2本で40万回/年、6800万人を捌いています(既に第3滑走路を建設中ですが)。

2030年代の世界第1級国際空港の条件は、滑走路3本、年間60万回、旅客数1億人が条件になると思われます。関西空港はタイミングを逸することなく2期空港島へのT3建設、北側誘導路の整備を行い、2030年代中頃までには第3滑走路を完成させて欲しいと思いました。

5 COMMENTS

文太

早いうちに第一ターミナルと同規模のターミナルを第二滑走路側に検討したらどうだろうか。その質はもちろんLCCターミナルではない。第一のように設計競技でなくてもいいから美しいドキドキするものをどうせなら作って欲しい。世界には建築家がたくさんいる。日本のターミナルはいつも需要に追い付かずつぎはぎになってしまうので、関空で良い増築実例を作って欲しい。

淀屋

関空が大阪再生の大エンジンですが、停滞時代に政界のビジネスモデルが、成長時代に合わないように民営が今後どう影響するか心配である。
新聞報道では航空会社と関空運営会社の間ではぎくしゃくが起こっており、他空港が滑走路やターミナルビルの新設に動いているなか、関空で問題となっているターミナルの混雑と並んで空港能力時間当たりの発着回数が先送りされていることである。
成田が時間当たり65回に対して関空45回ですでにピーク時間はパンクしつつある。
成田は更に滑走路一本新設に入っており、その差は更に広がる。
ターミナル大改造は必要だが、営業中にこれだけの大きな改造を行う例は少なく、混乱が起きかねないか。
日韓関係が改善し、来年にはポケモンワールドがオープンして旅客数が急増する可能性が大きく、大改造期間中は関空の対応能力が問われることになる。
私的には誘導路の増設は前倒しすべきと考えている。
30年までにはフルスペックの第二ターミナルが計画されつつあると報道されているので問題ないとしても空港能力は前倒しで解決すべきである。
尚、関空運営会社としては神戸や伊丹の国際化は考えていないと判断する。
その点が国との交渉でどうなるのか。

三刀流

国際線到着ロビーは今のままですかね。入国審査で混雑しているし、やっとゲートを出てもビーは殺風景です。「日本に入った」と感激するような雰囲気あるロビーに改装してほしいです。

ペペロンチーノ

規模もダイナミックですし、内装もおしゃれで楽しみです。

先日成田に行った際は、オリパラに間に合わす改装がそこらじゅうで行われていましたが、今度は関空のターンですね。

2期島のフルスペックターミナル、やはりIR決定後ですかね。31年春のなにわ筋線に合わせると考えておきましょう。

ポンタ

これはまた思いきりましたね。民営なので投資には慎重となるのは無理ありませんが、発表された以上は応援したいですね。

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