農林水産省は2021年8月6日に、大阪堂島商品取引所が国内で唯一扱うコメの先物取引を恒久的にできるようにする「本上場」を認めず不認可としました。堂島商品取引所は試験上場の延長申請をしないとしており、国内唯一のコメ先物市場は試験上場期限の7日をもって廃止となり、売買ができなくなります。
コメの先物取引は、江戸中期の1730年に幕府の公認を受けて大阪・堂島で始まり、「世界的な先物取引の先駆け」として知られています。戦時下の1939年にいったん廃止されましたが、民主党政権下の2011年に関西商品取引所(現・堂島取)で試験上場が認められて復活。試験上場は2年の期限があり、その後4度の延長を繰り返し市場を存続させ、6月末時点では168の生産者や流通業者が取引に参加、直近2年の取引高は過去最高水準になっていました。
農水省は、取引高は十分だが「生産者や流通業者の取引参加が伸び悩んでいる」などとして、本上場の基準を満たしていないとの判断を示しました。堂島取は今月5日、同省による意見聴取で反論して認可を求めたが、判断をくつがえすことはできませんでした。
金融はマスコミと並ぶ国の権力の1丁目一番地。現体制で東京以外に『本物』の拠点を作る事は不可能の様です。東日本大震災やコロナでも変わらないので米国などの外圧が無ければ変わらないのでしょう。
— ロング@再都市化 (@saitoshika_west) August 1, 2021
堂島コメ先物 上場廃止の可能性も 試験上場延長せず – 産経ニュース https://t.co/OGbsZb1k4G
先物取引の参加者数が伸び悩んでいる理由は、農協がコメの価格を調整している事と生産者の減収を補てんするために、国による手厚い保険的制度があるためです。その為、多くの生産者は価格変動リスクを回避する先物取引の必要性を感じていません。しかし、この制度には税金が使われており、先物取引で投機家が引き受けるはずのリスクを納税者が負っています。
霞ヶ関のイメージ
農協が先物取引に否定的な立場なのは「コメの価格決定権」がそがれる為です。コメ流通の大部分を握る農協は、生産者から集めたコメの流通量を調整することで価格を高く維持してきました。豊作で値崩れしそうなら在庫を積み増して供給を減らします。農協が手にする販売手数料は、コメの現物取引の価格によって決まるので、農協にとって価格維持は重要です。
しかし、先物市場で価格を決めるのは投機マネーで、農協は支配する事ができません。それぞれの投機家が『今年は天候がよいので秋は豊作になりそうだ』などと予測して取引します。先物の価格が下落すれば、現物の価格にも下落圧力がかかります。その結果、農協の手数料収入は減少する事が予想されます。農協は、「主食のコメを投機対象にするべきではない」などと主張していますが、価格が不安定な農産品だからこそ、変動リスクを回避するための先物取引が必要です。農協の主張が正しいのであれば、コメより重要な原油や貨幣の先物取引は廃止するべき、となります。
農水省は不認可の理由として上げた「必要な参加者数」を具体的に示しておらず、事前の交渉でも問題視していませんでした。衆院選を控えた農水族議員が、先物に否定的な農協に配慮して不認可を求め、農水省もそれに答えたカタチとなりました。
自民党はJAグループを始め集荷業者、卸売業者等、関係者が参加できる「現物取引市場」を別途創設する事を検討する様に申し入れを行いました。大阪の先物を廃止して、恐らく東京に新たな現物市場が創設される、いつものパターンが繰り返される事になりそうです。
コメ先物がこれから大発展して日本の国際競争力向上に資する・・・とは思いませんが、今回の様な、あまりにも内向きで古いやり方が続くと、本当に日本がダメになる・・・と危機感を持たざる得ません。
コメの先物取引 大阪の取引所の申請 政府認可 8月新市場開設へ(NHKニュース)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240621/k10014488511000.html
大阪の商品取引所が申請していたコメの先物取引が政府に認可されました。ことし8月に新たな市場が開設されることになり、価格の透明性の向上とともに活発な取り引きが行われるか注目されます。
発表によりますと、大阪にある堂島取引所は、コメの先物取引の上場を政府に申請していましたが、21日認可されたということです。
私もぷんぷいさんと同じことを思っていました。
今回の農協・農水省・自民党の暴挙に対して維新は何をしたのでしょうか?
素人考えで申し訳ないですけど、私設では無理なんですかね???
霞ヶ関のやつらに差配させといたら、東京だけ儲かって日本は衰退するばかり。
総務省が、ふるさと納税で泉佐野市にマウントを取りたがった様に
今度は農水省が地方自治へのマウント取りに必死になったと言う感じでしょうか
彼ら官僚は全てが既得権です。自分達に権限が集約する事が第一です。
自分達の存在意義が無視される施策には総じて反対なのでしょう。
また
幾つか天下り先を用意したら、簡単に認可されるかも知れませんね。
所詮、中央は地方に興味ありません。
「商品先物市場は、透明性があり客観的な価格の形成、価格変動のリスクヘッジなどの機能を持ち、我が国の農業者や企業の活動など経済をサポートする役割を果たしています。」
これは農水省のHPの先物取引についての説明文です。
わかっていながら、コメだけつぶそうとする二重基準。これがノー政の現実です。
米先物は幕府が公認する約100年前に淀屋が始め、淀屋闕所後も北浜で続けていたのを幕府も無視できなくなり、堂島に移し公認した。
当時武士は米経済、 商人・町人は貨幣経済で、藩財政の為に米現物の売買だけでなく、先物の売買迄必要であった。いわば先物市場は米経済と貨幣経済の取次で時代のニーズにマッチしていた。又戦国から安定した世の中になったといえ、国民はリスクに果敢に挑戦する気風があった。
商人にしろ淀屋始め多くの商人は徳川にかけて生き延びたが、豊臣についていたら没落していた時代である。
さて現代だが、米相場を廃止した戦時から戦後は自由経済というより官僚による計画経済が強まり、国民もリスクを取らない気風が蔓延しており、先物取引は投機であり、悪とみなされている。
一般の商売でも 欧米、中国と違い日本ではリスクを取って大量買付けする展示会方式でなく、小口買いの当用買いが主流であり、そういう面からも日本では米の先物取引は今の時代のニーズに合わないのかもしれない。
本格的な先物取引の開始は大阪が世界初であり、誇れるものであるが、時代の変遷とともに商品は変えねばならない。今回の廃止はむしろ次の大きなステップになる気がすると期待したい。
維新=グローバルスタンダード政治は流石に信者すぎて笑うしかないが、今回の決定が愚策であるのは間違いない。
本当に大馬鹿ですね、国は。頭にくる事ばかりしていて。
コメの先物取引はコメの相場リスクを回避しようと、先人が作り出した画期的なシステムです。
強い独裁政権だった江戸幕府でさえも、自分でコメの価格を決めることはせず、相場に任せていました。これが飢饉と豊作貧乏を最小限に防ぐ方法だとわかっていたからです。
今の自民党政権と農水官僚、全中(農協)は江戸幕府より封建的な圧制をしているとも言えます。
「お前もワルようのうフフフ」
「いえ、いえ、お代官さまほどでは」
理由をはっきりさせないまま密室でコメ先物廃止を決めた官僚と族議員はこんな会話をしていたのではないでしょうか?
行き着く先は政治力の差なのだと改めて思い知りました。
自民党は今もなお中央集権体制を進めてるのがハッキリしました。
>「現物取引市場」を別途創設する事を検討する様に申し入れを行いました。
>大阪の先物を廃止して、恐らく東京に新たな現物市場が創設される、
>いつものパターン
維新の首長や議員は公の場で牽制すべきです。
自民党は、国家・国民の利益よりも組織の利益を優先する政党です。組織を守るためにはあらゆるものを犠牲にする。日本が後進国になってしまったのは明らかに自民党が原因です。自民党が日本を衰退させているのです。国だけではなく大阪をボロボロにしたのも自民党でした。日本が再び、世界で活躍できる先進国になるには、自民党政治からの脱却が必要です。
自民・公明・立民・共産…=ガラパゴス政治
維新=グローバルスタンダード政治
新聞よりはるかに為になる背景の説明で納得できました!