御堂筋の将来像を検討する「御堂筋完成80周年記念事業推進委員会」は、御堂筋の自動車専用の計6車線のうち側道2車線を全て歩道として開放する提言案を纏めました。提言は淀屋橋以南の全区間について、本線を車道のまま残したうえで、側道を現在の緑地帯・歩道と一体で再整備し、幅15m超ずつの広い歩道に変える、といった内容で、2025年国際博覧会の大阪誘致が進むなか、大阪都心のメインストリートを人でにぎわう空間として生かし、地域経済の活性化につなげる計画です。
大阪・御堂筋の将来像を検討する「御堂筋完成80周年記念事業推進委員会」(委員長・吉村洋文大阪市長)は5日までに、自動車専用の計6車線のうち側道2車線を全て歩道として開放する提言案をまとめた。2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致が進むなか、メイン道路を人でにぎわう空間として生かし、地域経済の活性化につなげる。
日本経済新聞:大阪・御堂筋、両側の側道を歩道に 万博にらみ整備

側道を閉鎖し、自転車走行空間を設置し、歩行者通行空間も本線側に拡張されまさした。今回の提言は、万博の大阪招致を見据えて、御堂筋の側道を全面的に歩道化する内容となっています。
【過去記事】
→御堂筋の道路空間再編に向けたモデル事業「千日前通以南(難波交差点~難波西口交差点間)の東側街区」がついに開通!

大阪都心のメインストリートである御堂筋。大阪市は御堂筋の活性化に向け、まちづくりの方針や建築物の用途等の制限を規定する地区計画の決定等についての手続きを行っています。これに併せて、よりきめ細やかなデザイン等の誘導を図る為、その誘導指針等や協議手続きを定めた要綱やガイドライン等が大阪市HPで公表されています。御堂筋は、数年前に高さ規制が緩和され、従来の景観ガイドラインの主軸「町並みとして50mの軒線を強調する事」を基本しつつ、100mを超える高さのビルの建設が可能となりました。
三菱東京UFJ銀行大阪ビル本館が規制緩和の1号案件、御堂筋にオービックが計画している超高層ビル「(仮称)御堂筋平野町計画」が2号案件として規制緩和を活用した再開発を行っています。
【大阪市HP】
→御堂筋沿道建築物のデザイン誘導等に関する要綱(案)の制定等について

新基準にそって建替えられたビルの歩道周辺の様子です。歩道境界線からビル壁面を4mセットバックさせる事で非常に広々とした空間が生まれました。これに、側道空間が加われば「御堂筋パーク」とった感じの公園の様なメインストリートが都心のど真ん中に誕生する事になります。

御堂筋の側道の歩道化は、かなり以前から論議されてきましたが、「千日前通以南(難波交差点~難波西口交差点間)の東側街区」モデル事業が上手くいった為でしょうか?いよいよ全区間での整備が動き出しました。御堂筋の全区間での側道の歩道化は、業務車両をどうするか?本線は渋滞しないのか?等々、各論噴出するでしょう。でも、僕はこの歩道化についは賛成です。新基準で建替えられたビルの1階にはカフェやレストラン、洒落たショールム等の商業施設の設置が義務付けられています。加えて境界線から4mのセットバックとピロティの整備も加わり従来歩道から比べ物にならない魅力的な歩行者空間が生まれています。そこに側道空間が加われば、公園の様なメインストリートが都心のど真ん中を南北に貫く事になります。
7代目大阪市長、關一氏が「御堂筋が幅員44mに拡幅し大阪の新たなメインストリートにする」この計画をぶち上げた時は「船場に飛行場を作る気か!」と大反対が巻き起こったそうです。でも反対を押して完成した御堂筋は、その後の大阪が誇るメインストリートとして大阪を支え続け今日に至っています。御堂筋は元々イノベーションの源の様なストリートなのかもしれません。
梅田から難波を結ぶ大幹線道路として昭和12年(1937年)に完成した御堂筋。開通以来、大阪都心を象徴するメインストリートとして、数えきれないほどの物語を育んできたこの特別な道路は、2025年を目指して大きくその姿を変える事になりそうです。


