
生駒市は2026年8月17日、「生駒市総合公園体育施設リニューアル事業基本設計・実施設計業務」の公募型プロポーザルを公告しました。
新体育館は延床約10,600㎡、本体工事費93億2,800万円(税込)。約1,200席のアリーナ、25m温水プール、武道場、弓道場、相撲場などを集約し、2031年の奈良国スポ・全障スポに向けて整備します。
基本計画の策定を終え、プロジェクトはいよいよ具体的な建築設計の段階に入ります。
新体育館は既存の約3.6倍、複数のスポーツ機能を一体化
| 項目 | 計画内容 |
|---|---|
| 所在地 | 奈良県生駒市小明町 |
| 延床面積 | 約10,600㎡ |
| 建築面積 | 約6,400㎡ |
| 規模 | 地上3階想定 |
| メイン競技場 | 約1,900㎡ |
| 観客席 | 約1,200席(固定約800席+可動約400席) |
| 温水プール | 25m×7レーン+幼児用 |
| その他 | 武道場、弓道場、相撲場、多目的スポーツ室、交流スペース、防災備蓄庫など |
| 本体概算工事費 | 93.28億円(税込) |
| 設計業務予定価格 | 約3.90億円(税込) |
| 設計完了予定 | 2028年4月30日 |
| 整備目標 | 2031年奈良国スポ・全障スポまで |
単なる建替えではなく、スポーツ機能を集約した複合型の市民スポーツ拠点へ刷新する計画です。
体育館・プール・武道施設を集約、学校プール機能も取り込む

新体育館には、アリーナに加えて温水プール、武道場、弓道場、相撲場、多目的スポーツ室などを集約します。
特に温水プールは、市民利用だけでなく学校プール機能の集約も想定されています。
個別施設をそれぞれ更新するのではなく、機能を一カ所に集約することで、将来の維持管理負担を抑える狙いがあります。スポーツに加え、教育、交流、防災まで担う複合公共施設として再構築される点が特徴です。
現体育館は利用率92.54%、高稼働施設を拡張更新
既存体育館の2024年度利用者数は6万6,104人、利用率は92.54%です。利用が低迷した施設を整理するのではなく、現在でも高稼働している施設を更新しながら、国スポや将来需要に対応できる規模へ拡張する計画です。本体工事費93.28億円、ただし総事業費はさらに増える
新体育館本体の概算工事費は93億2,800万円(税込)。延床面積で単純計算すると、建設単価は約88万円/㎡。基本計画では、2028年頃の着工を想定し、約15%の物価上昇を織り込んでいます。ただし、93.28億円は事業全体の総額ではありません。
| 93.28億円に含まれるもの | 含まれない主なもの |
|---|---|
| 新体育館本体 | インフラ整備 |
| 建築・設備工事など | 駐車場 |
| 外構 | |
| 屋外トイレなど |
これに設計費や既存施設の解体費なども加わるため、総事業費は100億円を超える可能性があります。
今後の設計段階では、建設費上昇を吸収しながら基本計画の規模と機能を維持できるかが焦点になります。基本設計・実施設計を約3.9億円で一括発注
今回の公募では、基本設計と実施設計を一括して委託します。| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年8月17日 | 公募開始 |
| 8月27日 | 現地見学会 |
| 10月6日 | 提案書提出期限 |
| 10月21日 | 一次審査 |
| 10月27日 | 二次審査 |
| 11月上旬 | 受託候補者決定予定 |
| 2028年4月30日 | 設計業務完了予定 |
価格より「設計の質」を重視、見積価格の配点は5点
今回のプロポーザルは、価格競争より提案内容を重視します。総合評価150点のうち、参考見積価格は5点にとどまり、基本計画の実現性、都市公園との一体性、市民スポーツ、プール運営、維持管理、環境性能などを重点評価します。
また、ZEB Ready以上を前提とし、建設後の光熱費や維持管理費を含めたライフサイクルコストの抑制も求めます。
参加者には、過去15年間に延床3,000㎡以上の体育館・アリーナ等の設計実績などが必要で、大型スポーツ施設に精通した設計者を選ぶ仕組みです。
2031年奈良国スポが、施設更新の「締切」になる

今回の整備を強く後押ししているのが、2031年の奈良国スポ・全障スポです。
| 時期 | 想定工程 |
|---|---|
| 2026~2028年 | 基本・実施設計 |
| 2028年頃 | 工事着手 |
| 2030年度頃 | 完成 |
| 2031年 | 奈良国スポ・全障スポ |
国スポが、老朽化したスポーツ施設を一気に更新する事業推進のトリガーになっています。
市民からはハンドボール2面など機能拡充の要望
基本計画案へのパブリックコメントでは、32人から32件の意見が寄せられました。その中には、国スポでのハンドボール競技を想定し、競技面を2面確保してほしい、練習スペースを充実してほしいといった要望もあります。
現在の基本計画ではハンドボールコート1面を想定しており、市は今後の設計段階で改善可能な部分を検討するとしています。
最大の焦点は「1.06万㎡を93.28億円で維持できるか」

今回の公募によって、生駒市総合公園の再整備は基本計画から実施設計へと進みます。
最大の焦点は、延床約10,600㎡、約1,200席、温水プールや武道施設まで含む現在の基本計画を、本体工事費93.28億円の枠内で実現できるかです。
建設費がさらに上昇すれば、延床面積、設備仕様、観客席数、各競技施設の面積などの見直しが必要になる可能性があります。一方、設計提案やVEによって機能を維持しながらコストを圧縮できる余地もあります。
生駒市が整備しようとしているのは、従来型の「市民体育館」ではありません。
アリーナ、温水プール、武道施設、学校プール、交流、防災機能をまとめた複合スポーツ拠点です。
11月上旬に予定される設計者選定を経て、その具体像が見え始めます。
出典
- 生駒市「生駒市総合公園体育施設リニューアル事業」
- 生駒市「生駒市総合公園体育施設リニューアル基本計画」
- 生駒市「生駒市総合公園体育施設リニューアル事業基本設計・実施設計業務 公募型プロポーザル」
- 生駒市「プロポーザル実施要領・特記仕様書」
- 生駒市「基本計画(案)に対するパブリックコメント結果」
- 建産速報社
- 毎日新聞
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