JR九州「クレカ乗車」を福岡都市圏92駅へ拡大!福北ゆたか線・香椎線・若松線が9月18日から対応、利用可能駅は約1.8倍に



JR九州は2026年9月8日、クレジットカードなどのタッチ決済で列車に乗車できる「クレカ乗車」の対象エリアを、9月18日(金)の初列車から拡大すると発表しました。

福北ゆたか線、香椎線、若松線の未対応駅へ導入し、利用可能駅は現在の50駅から92駅へ拡大します。鹿児島本線を軸としていたサービスに東西・支線方向の路線が加わり、福岡・北九州都市圏でタッチ決済を利用できる範囲が大きく広がります。

9月18日から50駅→92駅へ


項目 内容
拡大日 2026年9月18日(金)初列車から
対応駅 50駅→92駅
新規対応 福北ゆたか線、香椎線全線、若松線全線
対象 大人普通運賃
対応媒体 クレジット・デビット・プリペイドカード、スマートフォン、ウェアラブル端末など
対応ブランド Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯
事前登録・チャージ 不要
利用時は、乗車駅と降車駅で同じカードまたはスマートフォンを自動改札機や専用端末にタッチします。

駅側の設備は、自動改札機一体型、ポール型、独立型端末などを駅の条件に応じて使い分けます。

鹿児島本線を軸に4路線92駅へ

拡大後の対象区間は次の通りです。
路線 対象区間 駅数
鹿児島本線 門司港―久留米 49駅
福北ゆたか線 折尾―博多 27駅
香椎線 西戸崎―宇美 16駅
若松線 若松―折尾 6駅
合計 重複駅を除く 92駅
線区別の駅数を単純合計すると98駅ですが、博多、吉塚、香椎、長者原、折尾など複数路線に含まれる駅があるため、実際の対象駅数は92駅です。

また、JR九州は「福岡都市圏」と表現していますが、鹿児島本線では、けやき台、基山、弥生が丘、田代、鳥栖、肥前旭の佐賀県内6駅も対象に含まれます。

南北軸から都市圏ネットワークへ



今回の拡大では、対象駅数だけでなく、利用できるエリアの形も変わります。

これまでのクレカ乗車は、門司港―博多―久留米を結ぶ鹿児島本線という南北方向の幹線が中心でした。そこへ福北ゆたか線、香椎線、若松線が加わり、篠栗・飯塚・直方、宇美・西戸崎、若松方面まで利用範囲が広がります。

福北ゆたか線の追加によって、博多から筑豊方面へ向かう区間も対象になります。折尾では鹿児島本線と若松線、長者原では福北ゆたか線と香椎線が接続しており、複数路線を組み合わせた移動でもクレカ乗車を利用できる範囲が広がります。

鹿児島本線を中心とした南北方向のサービスから、複数の都市圏路線を結ぶ形へ展開することになります。

香椎線は全16駅が対象に

香椎線では、西戸崎―宇美間の全16駅が対象となります。

これまでの限定的な対応から全線利用へ広がり、海の中道・西戸崎方面の観光利用に加え、沿線の日常的な移動でもクレカ乗車を利用できるようになります。

香椎線には無人駅や小規模駅も多く、今回の拡大ではこうした駅にも専用端末が設置されます。

2025年12月に示した92駅計画が完成

今回の92駅体制は、JR九州が2025年12月に示した本格導入計画に沿ったものです。
時期 主な動き
2022年7月 博多―香椎間の5駅でJRグループ初の実証実験を開始
2023年7月 鹿児島本線・門司港―久留米間など50駅へ拡大
2023年10月 指宿枕崎線・鹿児島中央―指宿間を追加
2024年11月 別府―大分―由布院間を追加、実証対象は計84駅に
2025年12月 実証終了と本格導入、福岡都市圏92駅への展開を発表
2026年3月31日 鹿児島・大分地区で実証サービスを終了
2026年4月1日 福岡地区50駅で本格導入
2026年9月18日 42駅を追加し92駅体制へ
実証段階では鹿児島・大分地区にも対象を広げましたが、本格導入では福岡都市圏を中心とする構成に再編されました。

2026年4月に50駅で本格導入し、約半年後に42駅を追加する二段階の展開となっています。

7ブランド対応、乗車登録は不要


タッチ決済のイメージ

クレカ乗車では、タッチ決済対応のクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードに加え、カードを設定したスマートフォンやウェアラブル端末を利用できます。
項目 利用条件
対応ブランド Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯
会員登録 乗車時は不要
専用アプリ 不要
チャージ 不要
運賃 大人普通運賃
小児運賃 非対応
1枚で複数人利用 不可
定期券との併用 不可
新幹線 利用不可
新幹線乗換改札 小倉・博多とも利用不可
入場時と出場時には、同じカードまたは同じ端末を使用する必要があります。クレジットカード本体で入場し、そのカードを登録したスマートフォンで出場する使い方はできません。

乗車履歴は「Q-move」で確認できます。乗車自体に登録は不要ですが、区間別の履歴を確認する場合は会員登録が必要です。

訪日客への対応と小規模駅への導入


撮影:Toshinori baba様/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0

JR九州は、福岡都市圏での移動の円滑化と、訪日外国人旅行者を含む利用者の利便性向上を導入目的に挙げています。

交通系ICカードを持っていない旅行者でも、対応するカードやスマートフォンをそのまま利用できるため、券売機で切符を購入したり、新たにICカードを用意したりする場面を減らせます。

決済基盤には、三井住友カードの公共交通向けサービス「stera transit」を採用しています。自動改札機一体型に加え、ポール型や独立型の読み取り端末にも対応しており、小規模駅や無人駅を含む路線にも導入できます。

今回の92駅化では、主要駅だけでなく、こうした駅を含めて同じ決済方式が広がることになります。

SUGOCAとは利用場面が異なる

クレカ乗車は、SUGOCAなどの交通系ICカードと利用条件が異なります。小児運賃や定期券には対応せず、1枚のカードで複数人を利用することもできません。新幹線や小倉・博多の新幹線乗換改札も対象外です。

そのため、通勤・通学など継続的な利用ではSUGOCAなどの交通系ICカード、旅行や出張などではクレカ乗車というように、利用者の目的に応じて使い分ける形になります。

筑肥線などは今回の対象外

92駅への拡大後も、福岡都市圏のJR線すべてが対象になるわけではありません。福岡市地下鉄と相互直通運転を行う筑肥線は今回も対象外で、地下鉄からJR線へタッチ決済だけで乗り通すことはできません。

一方で、今回の拡大によって、クレカ乗車は博多や小倉など主要駅を中心としたサービスから、福北ゆたか線、香椎線、若松線を含む日常的な鉄道ネットワークへ広がります。

50駅から92駅への拡大により、福岡・北九州都市圏では、クレジットカードやスマートフォンを乗車に使える範囲が大きく広がります。交通系ICカードに加えて別の乗車手段が加わることで、地域利用と旅行者利用の双方で選択肢が増えることになります。




出典

  • JR九州「タッチ決済『クレカ乗車』の対象エリアを9月18日(金)より拡大!」(2026年9月8日)
  • JR九州「クレカ乗車」公式サイト
  • JR九州・三井住友カードほか「クレジットカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を終了し、2026年4月より本格導入します」(2025年12月12日)
  • 三井住友カード「stera transit」
  • 福岡市交通局「福岡市地下鉄におけるタッチ決済乗車について」

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