年始予想2019



 

喪中につき年始のご挨拶は失礼させていただきます。今年もどうぞよろしくお願いします。

年始企画として毎年恒例になっていた昨年の年始予想の振り返りと「今年の予想」。ここ数年はサボっていましたが、今年はやります!今回は2016年の年始予想の振り返りと、2019年の予想をしてみます。さて、3年前の年始に考えた予想はその後どうなったでしょうか?現実が想像を超えた!?さっそく行ってみましょう!

【過去記事】
年始予想2016
年始予想2015
年始予想2014
年始予想2013
年始予想2012
謹賀新年2011
謹賀新年2010

 

2016年予想1:今年こそ、大阪夢洲へのカジノ勧誘が現実になり、具体的な開発スケジュールが明らかになる。鉄道アクセスは地下鉄中央線の延伸のみでスタート?



ついにIR実施法が成立し、大阪・夢洲へのIRの勧誘がほぼ確実になりました!IR区域認定数は当面3箇所に限定され、区域認定数見直し時期を「最初の区域認定から7年経過後」と定めています。最初の3か所に選定されれば大きな先行者メリットが享受できます。また、立地自治体の同意を得ることが条件となっており、地元自治体の積極的な勧誘姿勢も重要なポイントです。現在は大阪、和歌山、長崎が区域認定を「申請する」、北海道、千葉市、東京都、横浜市が「申請を検討中」、名古屋市は「未定」、沖縄県は「申請しない」としています。

鉄道アクセスも大阪メトロ「中央線」の延伸が大阪万博誘致成功により決定しました。他の鉄道アクセスはIRの正式決定によりJRゆめ咲線の延伸なども動き出すかしれません。

2016年の年始予想1は約3年の月日を経てほぼ実現しました!

カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法が可決、成立!大阪・夢洲がIR施設立地の最有力候補、残り2箇所はどこに?



 

2016年予想2:LCC予想増便を原動力に関西空港の利用客数がさらに増加。年間利用客数は2600万人を突破する。訪日外国人旅客数は実数で成田空港に迫る。第4ターミナルの建設計画と2期空港島連絡橋の建設計画が具体化。



 

関西空港の旅客数は順調に伸び続け、2017年度は2880万人を記録。2018年度は3000万人超が期待されましたが台風の高潮被害による空港閉鎖の影響により、前年並みの数値で着地しそうです。また外国人旅客数の伸びが著しく、2017年度の関空の外国人旅客数は1501万人でした。これは成田空港の1591万人に肉薄する数値でした。数年後には逆転しているかもしれませんね。

旅客ターミナルビルについては第1旅客ターミナルビル(T1)の大規模改修を実施し、T2と合わせて4335万人/年に対応する施設を2023年までに整備することになりました。この改修計画はT1の国内線エリアを国際線エリアに用途転用する内容が主で、抜本的な処理能力アップではありません。今後の東南アジア各国の経済成長に伴い航空需要が伸び続ける事は確実なので、早晩、フルスペックのT3が必要になると思います。

 

【関西空港復旧情報】関空の2018年11月の旅客数が過去最多を更新。台風被害からV字回復が続く!



関西国際空港が第1ターミナルビルの大規模改修を実施、旅客受け入れ4000万人対応を目指す計画が明らかに。



 

 

2016年予想3:梅北2期エリア開発のマスタープランが発表され、再開発計画の概要とスケジュールが判明する。超高層ビルは3~4本程度。

うめきた2期の開発は三菱地所、阪急電鉄、オリックス不動産などの9社グループ企業連合に決定。2020年10月以降順次着工
2024夏ごろ街びらきの予定となりました。完成予想パースには、6棟の超高層ビル(連結棟を2棟とカウント)、と中層ビル2棟が描かれています。2016年の年始予想よりもビルの数は多いですね。



うめきた2期の開発は三菱地所、阪急電鉄、オリックス不動産などの9社グループ企業連合に決定!



 

2016年予想4:大阪中央郵便局跡の再開発計画が具体化し、開発スケジュールが判明する。当初計画よりも若干縮小(高さ150m)される。



こちらの予想は良い意味で外れました。2018年11月19日の日経新聞の報道によると、梅田3丁目計画が8年振りに再始動、当初の規模を維持しつつ、劇場も内包し再開発が行われる事になりました。新たな開発スケジュールでは2023年度の開業となっています。2016年の年始予想では規模を縮小してリスケされる、と書きましたが、約3年遅れで当初の規模のまま再開発が行われる事になりました。

 

【2023年度開業予定】大阪中央郵便局跡の再開発ー梅田3丁目計画(仮称)が再始動!1700席の劇場を併設し高容積率を確保



 

2016年予想5:JR西日本が北陸新幹線の開業とルクア1100など流通部門の盛況により過去最高益を記録、新商業施設の開発、各駅のリニューアル、新車投入など、設備投資がさらに活発化する。



2018年3月期のJR西日本の売上高は1兆5000億円(4.1%)、経常利益1777億円(10.6%)となっており、好調に推移しています。2019年3月期は自然災害に伴う特損215億円を計上するため最終益は前年比マイナスの予想ですが、大阪ステーションシティの開発、九州・北陸新幹線開業に伴う投資などが一巡したため同社の収益性は向上しました。その結果、2016年年始予想の通り、駅ナカ商業施設の開発、各駅のリニューアル、新車導入など設備投資が活発化しましした。この予想は当たりでした。

 

和歌山線・桜井線に新型車両227系の導入が決定!JR西日本が同線の105系・117系を227系の2両編成28本、計56両で置き換えると発表



 

 

2016年予想6:御堂筋沿いで新たな100m超えビルの開発計画が浮上、高層階は高級賃貸レジデンスのビルの建設計画が判明する。



こちらは半分当たりました。御堂筋は規制緩和により、高層階に高級賃貸レジデンスを擁したビルの建設が可能になりましたが、インバウンド需要の高まりにこたえるため、ホテル併設、またはホテル単独の超高層ビルの新規案件が具体化し建設が進んでいます。W大阪やオービック御堂筋ビル、大阪エクセルホテル東急が入居する(仮称)積和不動産関西南御堂ビルが御堂筋沿いに立ち並びつつあります。2016年にはちっと予想できなかったですね。

W OSAKA(W大阪)の外観イメージは海外のビルの様なクールなデザイン!安藤忠雄氏が設計顧問を担当!



オービック御堂筋ビル(ザ ロイヤルパークホテル大阪御堂筋)の建設状況 18.11



(仮称)大阪エクセルホテル東急が入居する(仮称)積和不動産関西南御堂ビルの状況 18.11



 

 

 

2016年予想7:なにわ筋線の建設について、建設母体やスケジュールが具体化する。まずはJRなんば~JR北梅田駅間のみが建設され南海は乗り入れせずJRのみの運行計画が明らかに。



2016年時点では「都市伝説」の域を出なかった「なにわ筋線」ですが、ついに具体化しました。2016年の年始予想では南海は乗り入れず、と予想しましましたが外れました。同社にとって金城湯池である「難波駅」を放棄し汐見橋経由でなにわ筋線に乗り入れるのは無理だと考えたからです。しかし、現実には汐見橋ルートではなく、「新難波駅」を設ける難波ルートで乗り入れることになり驚きました。これもインバウンド需要の高まりが後押し具体化したプロジェクトです。

 

(仮称)南海新難波駅の場所が判明!なにわ筋線に係る環境影響評価方法書が公開される!



 

2016年予想8:精華小跡、ホテルプラザ跡の再開発計画は一旦白紙に。この2つの再開発案件は暫く停滞する。



この2つのプロジェクトは、ともに数年停滞後、形を変えて具体化しました。ホテルプラザ跡は医誠会のメディカルコンプレックス計画から積水ハウス他JVのタワーマンション計画に、難波の旧市立精華小学校跡地にはエディオンの旗艦店が出店する事になり、すでに工事が進んでいます。

 

グランドメゾン新梅田タワー THE CLUB RESIDENCEの建設状況 18.11



難波の旧市立精華小学校跡地にエディオンの旗艦店が出店!(仮称)中央区難波3丁目新築工事の状況 18.12



 

2016年予想8:東京一極集中是正の一環として、一部官庁の機能の大阪移転が発表される?ただし、ガス抜き程度の実施計画で波及効果は疑問視される。



こちらは予想を上回る無策ぶりでした。中央官庁の地方移転や地方分権はポーズのみで、何ら実効性のある政策は示されず、企業の東京一極集中は滞ることなく進んでいます。とある官庁の方が「日本の頭脳労働者はすべて東京にあつめます。東京が世界一の都市になり世界と戦うことが日本の為なのです」と真顔で言い切っていた事を思い出します。ニュアンスの強弱、言葉の言い回しの違いはありますが、霞が関界隈の共通認識である事は間違いなさそうです。

また、ある外資のエグゼクティブは「なぜ大阪にオフィスを作る必要がある?なんのメリットがあるの?日本では東京1か所に拠点を置けば十分だよ」と言い切っていました。実際その外資企業は大阪から撤退しました。外資はドライなのでメリットのある場所にしかオフィスを構えません。日本の内需向けにビジネスを行う場合、すべて国内情報が集まり、発信される東京以外にオフィスを構える必然性は、現在のところありません。

しかし、風向きが変わった事があります。それはインバウンド。すでに様々な経済的なメリットや投資を呼び込む効果が生まれていますが、それよりも「直接海外から評価され、それが世界中に拡散される」効果が大きいです。今後さらにこの流れが大きくなり、外圧により現在の情報発信のシステムが崩れる可能性があります。現在の硬直的な仕組みは「黒船」によって徐々に変化する事になると思います。

 

 

2016年予想10:今年こそ、四つ橋線へのホームドア設置&ワンマン化計画が判明する。また、本町駅でテスト導入された新サインシステムが大々的に各駅に導入され始める



新サインシステムの本格導入はアタリました。さらに市営地下鉄が民営化されOsakaMetroに変わる大変化のおまけつき(笑)。現実は妄想を超えていました。またホームドアの整備については大外れでした。中央線には新型40000系が同導入される事になりました。これもビックリで、2016年年始には思いもつきませんでした。

 

OsakaMetro(大阪メトロ)が中央線に新型(仮称)40000系車両を導入すると発表!



 

 

【今年の予想】

2019年の予想ですが、基本的な大阪の都市成長戦略は2016年当時と大きな変化はなく、IRと万博の誘致、インバウンド需要の伸びに合わせた交通インフラの整備、受け皿となるホテルや観光施設の整備、それらから波及するビジネスチャンス、雇用の最大化などが進んで行きます。

ある読者の方がコメント欄に書かれていました。大阪はクリエイティブな世界都市ではなく、単に経済規模(都市圏人口)が大きな「消費都市」だと。まさにその通りだと思います。

大阪都市圏は、国内を向いた「消費都市」から、インバウンドを呼び込んで外貨を獲得する「国際集客都市」に脱皮しつつあります。国際集客都市から、さらに進化し「クリエイティブな世界都市」に進化して行く。今後はこれらを進めつつ「ビジネスセンター」としての大阪の立ち位置を再定義し、それを目指した戦術・戦略を進める事です。具体的に上海、ソウル、シンガポール、香港ではなく、もちろん東京でもない、「大阪にオフィスを構える事がメリットだ」と思える事はなんでしょうか?僕自身、すぐに思いつく事がありませんし、単純に○○すれば良いといった事でもないと思います。2019年は従来の都市成長戦略を進めつつ、次のステップを描く年になるのではないでしょうか。

1:関西空港の年間旅客数が3000万を突破。外国人旅客数で成田空港を上回る
2:夢洲のIR誘致が内定。カジノオペレータの大阪詣でが一層活発に
3:大阪都心に新たなラグジュアリーホテルの進出計画が明らかになる
4:御堂筋沿いの老朽化したオフィスビルの建て替え計画が複数浮上
5:ヨドバシ梅田タワーに入居するホテルブランドが判明。
6:新阪急ホテルの建て替え構想(たたき台)が発表される
7:日本生命淀屋橋ビルの建て替え計画が判明、高さ130mのオフィスビルに
8:なんばパークス南側のタイムズ難波中央の開発計画が浮上
9:おおさか東線が全通。新大阪の拠点性の再評価が高まりはじめる
10:中之島6丁目「旧三井倉庫玉江町倉庫跡」に高さ190mのタワーマンション計画が浮上

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